「いや、このダリウス。そうした噂の耐えぬ男ではありますが、面と向かってそのような嘘を付かれたのは初めてでございます」
CV:武虎
概要
アスラ王国の上級大臣。第一王子派筆頭貴族。
アリエルたちにとっては政敵で何度も暗殺者を送られて国外追放に追い込まれ、ボレアス・グレイラット家の使用人を買収してエリスの誘拐未遂事件を起こすなど主要人物たちと因縁がある。
容姿
嫌らしい目つきに弛んだ頬のでっぷり太った醜悪な容姿の男性。「豚の化け物」「デブ狸」などと評される。
人物像
汚職まみれの典型的な悪徳貴族で、盗賊団など犯罪組織と繋がりを持ち、貴族令嬢を誘拐しては性奴隷にするなど性欲と権力欲の権化といった人物。人を操って陥れることを得意とし何人もの対立候補を蹴落として大臣になった。
しかし、同じ道場に通っていた水神レイダ・リィアによると、子どもの頃は顔は悪いが性根のまっすぐな正義感の強い少年で、貴族の報復で手足を切り落とされそうになったレイダを助けたこともある。現在の性格は、幼少期に頭が良いこと以外は何をやっても才能がなく馬鹿にされていた事や、アスラ王国の権力闘争や妻の浮気による離婚などの出来事によって形成されたようである。
また、政治家としての能力自体は有能で、国王や大臣たちの失策を幾度となく尻拭いし「今の国王は、ダリウスがいたからこそ、王になれたのだと言っても過言ではない」と評されるだけではなく、王都周辺の犯罪問題を解決し、フィットア領転移事件でも自身がフィットア領を牛耳るための私欲だが、捜索団に資金援助し復興の支援も行っている。
剣術の才能は無く魔力総量も少ないが、遥か格上同士の戦いで守られるだけではなく、初級魔術を使って援護し、戦局を優位にするなど実力で上級大臣まで上り詰めただけの胆力もある。
作中の動向
序盤からエリスの誘拐騒動の黒幕としてや、アリエルに暗殺者を送った相手として名前がでてきた。
実際の登場は18章と終盤に近いが、書籍版では第一王子とアリエルの暗殺を相談している場面などが追加されている。
以下ネタバレ注意
アスラ王国の王位争いにおいて、アリエルが王になるのが都合の悪いヒトガミから、使徒に選ばれた。
王が病に倒れた際にヒトガミからルーデウスが自分を殺すと告げられて、ヒトガミの助言に従ってルーデウスの暗殺を企む。
しかし、龍神の干渉で未来視が上手くできない状況では予測が苦手な上に使徒同士の連携も考えないヒトガミの助言は役に立つものではなく、助言に従ってアスラ王国の転移魔法陣を破壊しことで、ヒトガミの使徒だと特定されたうえに、アリエルを裏切ったピレモンの部下を暗殺者として差し向けた事で、もう一人の使徒も特定されてしまう。
そして雇ったオーベールを撤収させて王都の閉じ籠ったことで、有効な手段を打てないまま失脚し逃げ場を失うなど助言に従ったことで自分の首を絞める結果に終わった。