「ボクは神様だよ。ヒトガミだ」
CV:くじら
概要
「人神」を名乗る正体不明の存在。魔力災害に巻き込まれたルーデウスの夢の中に現れ、以後不定期にルーデウスへと接触し、お告げと称して様々な助言を与えている。本人曰く、面白そうだから助けてやるとのこと。未来が見えるらしくその内容はかなり的確。
なお人の世界の神と伝わっているのは「人神(ジンシン)」で、ヒトガミ自身は「人神(ジンシン)」は単なるあだ名だと言っている。
また、作者によると人神は三大流派の長などが名乗るの神級の称号と同じらしい。
容姿
のっぺりとした白い顔で特徴を覚えようとしても記憶から抜けて覚えられないため、全身にモザイクが掛かっているような印象を受ける。
人物像
外見同様に口調も胡散臭く、実際に対面したルーデウスは詐欺師のような気配を感じていた。しかし後述の「他者に信頼される呪い」のお陰で、イレギュラーである異世界人以外とは円滑なコミュニケーションを図れる模様。
能力
- 未来視
極めて強力であり、自身の他に三人までの未来を見通すことが出来る。数秒先しか見えない予見眼と違って時間の転換点を境にはるか先の未来を見れる。ヒトガミはこの能力を使うことで他者の未来に干渉し、結果的に自分の利益となるよう物事を運ぶ。本人の語るところでは、魔眼の一種らしい。またヒトガミ自身の未来を見ることをやめれば、三人以上の未来を見ることも可能とのこと。
- 遠視
魔界大帝キシリカ・キシリスが保有する万里眼などと同系統の能力。ただしヒトガミの保有する遠視はそれらよりも強力。
- 信頼させる呪い
他者から無条件で信頼を得る能力。実際にその影響下に置かれたものの独白によると、神々しい気配を纏った親切丁寧な態度に見えるらしい。敵対関係にある龍神オルステッドの持つ「あらゆる生物に嫌悪、恐怖される呪い」とは対照的である。ただし、オルステッドの呪いが疑う余地のないほど絶対的な印象を対象者へ与えるのに対し、ヒトガミの呪いはヒトガミ本人の言動次第で印象に変化を及ぼす余地を残す。そのため、ヒトガミと関わったもの全てがヒトガミに対して好印象なわけではない。また、ルーデウスなどの異世界人には、この呪いの効果は及ばない。
その他にも詳細は不明であるが、
- 人間の夢の中に現れる
- 相手の心を読む
- ルーデウスの予見眼に干渉して本来の性能では見えない未来を見せる
- キシリカ・キシリスの万里眼の妨害
- 世界を崩壊させる光の球体を放つ
などの様々な能力を持つ。具体的な戦闘描写はないが、それでも七大列強上位の誰よりも強い。
しかし、ヒトガミはこれらのチート能力に頼り切りなため、本人の先見性や演技力などに関してはかなり低レベルである。
関連タグ
以下ネタバレ注意
『お疲れさん。君が馬鹿なおかげで、僕の思い通りに事が進んだよ』
人物像(ネタバレ)
如何にも善人ぶって近づいてくるが、その腹の内は外道そのもの。与えてくる助言は相手のことを思いやっているように聞こえて実際は全て自分のために利用しているだけである。
しかも単なる自己中に留まらず、今までの助言で信頼した相手を最後に騙してその破滅する様を楽しむという醜悪な趣向を持つ下衆。
隠していれば、自分が悪意を持って騙したとは、まずバレないのに、最後は自ら仔細をネタバラシして相手を絶望のドン底に突き落とさなれば気が済まないという、抑えの効かない自己顕示欲と加害衝動も持ち合わせている。
結果、過去から未来に至るまで数多の敵を"無駄に"作りまくっており、当然自らの首を締める事態に繋がる事もしばしば。
平然と嘘をつく面の皮の厚さや、自分の失敗を他者に押し付ける無責任な様、想定外の状況に恐怖し喚き散らす小物ぶりなど、性格面を批判する言葉は尽きない。
なお、本性を知っていれば信頼される呪いの効果は発揮されないようで、かつて騙し裏切った人間たちにルーデウスに裏切られたと主張しても「どうせ騙そうとして恨まれたんだろう」と、あっさり見抜かれた。
「人神(ジンシン)」が単なるあだ名というのも嘘で、人の世界の神は「人神(ジンシン)」だったがいつの間にか入れ替わり、ヒトガミは初代龍神が「人神(ジンシン)」と区別するためにつけた名前である。
主な行動
- 初代龍神の妻を始めとする各世界の要人を殺害し、神々の同士討ちを引き起こして四つの世界を滅ぼす(この責任は龍神に全て押し付けている)。
- ヒトガミの暗躍に気づいた龍神に初代五龍将をけしかけ、隙をついて龍神に致命傷を与える。この際に龍の世界を滅ぼしている。
- 瀕死の身で追撃してきた龍神を殺害し、唯一神として無の世界へと閉じこもる。
- 第二次人魔大戦で闘神を操り、生き残っていた最後の五龍将である魔龍王ラプラスを抹殺。余波で大陸に大穴が開いたほか、闘神自身と闘神の想い人であった魔界大帝キシリカ・キシリスが死亡している。
- ギースにとある魔王の弱点になる情報を流させ、ヌカ族が自分の弱点を広めたと知った魔王にヌカ族を滅ぼさせる。
ヒトガミの使徒
ヒトガミに助言を受けて自覚なく操られている存在。
使徒と呼ばれているが、ヒトガミに対して忠誠心や信仰がある訳ではなく、騙されている被害者とも言える。
未来を見れる人数の制約から、一時点で最大三名までしか操れない。また、使徒にできるのは六面世界で過去に人間として扱われていた種族(人族、魔族、獣族、海族、天族、龍族)であり、人外は操ることが出来ない。
また、あくまでも騙して誘導しているだけなので、ヒトガミは使徒の行動を完全に操れる訳ではなく、意図しない行動をしたり、助言に疑問を持ち従わないこともある。
以下は『無職転生』本編で使徒であった経歴持ちの人物の一覧。
- ルーデウス・グレイラット
- ルーク・ノトス・グレイラット
- レイダ・リィア
- ダリウス・シルバ・ガニウス
- レオナルド・キングドラゴン
- ギース・ヌーカディア
- バーディガーディ
- ビタ
なお、数多のループの中で一度でも使徒になった者はオルステッドのブラックリストに載り、優先的に殺害される。
関連人物
甲龍暦417年に起きたフィットア領転移事件で存在に気づいた。ルーデウスの味方のように振舞っていたが本当の目的は未来で龍神オルステッドに協力するルーデウスの子孫の誕生を防ぐことで、ロキシーと合流するのを邪魔するのと同時に未来の戦いで自分が有利になるようにルーデウスを使って歴史を変えていた。しかしあと一歩というところで起きたイレギュラーにより、自身の本性と目的を知られて計画は失敗する。さらに問題なことに、宿敵である龍神と手を組まれてしまった。以降は彼の命をつけ狙っていたが、ビヘイリル王国での戦いで主だった手駒を失い断念。ルーデウスの死後に子孫同士を殺し合わせるべく方針を転換し、準備を進めている。
ルーデウスの娘。彼女がオルステッドと知らない顔の少年と共に自分を倒す未来を見る。その未来を回避するべく、全力で彼女の誕生を阻止しようとしていた。
自身の破滅をもたらす存在の母親。かなり初期から殺害を目論んでいた。ルーデウスにお告げと反する行動をとられたことで一度は失敗したが、続く二度目で王手をかける。しかし全く予期せぬ存在の介入で失敗。
因縁の相手。オルステッドのループが終わる条件としてヒトガミの死が設定されているため、どう足掻いても対立する運命になる。しかし、それ以上に過去のループで彼にした所業の数々から、途轍もない殺意を向けられている。ヒトガミから彼への評価は「魔龍王ラプラスより強い」「短絡的な馬鹿」とのこと。
かつて騙して利用して故郷を滅ぼした相手。しかし、助言に従っていれば嫌な目にあっても命は助かると、その後も助言を聞いて利用されている。ヒトガミ自身にとっては取るに足らない使徒の一人で「自分がいないと何もできないゴミ」と見下しているが、本性を知っていて唯一自分の話を聞く相手なのでアスラ王国の戦いでの失敗の直後に協力を要請。自分の夢のためヒトガミに協力したギースは、ルーデウスたちにとって最大の難敵となる。
長年に渡って命を狙ってきた目の上のたんこぶ。しかしラプラス自身が生み出した狂気のアイテムを利用して、第二次人魔大戦時に滅ぼすことに成功した。以後不完全な形で復活したラプラスの半身は、ヒトガミ打倒の最大の障害となる。
- 初代龍神
暗躍する上で最も警戒していた存在。彼を葬ったときのヒトガミの喜ぶさまは、醜悪の一言。
残る謎
神の力を持つヒトガミであるが、どういった経緯でその力を手に入れたかに関しては明かされていない。五つの世界が滅んでいない太古の時代では人の世界の神を装っていたが、初代龍神からは本物ではないと断言されている。ラプラスの推測では六面世界を造った創造神の死骸を無の世界で発見した何者かだとされているが、果たして……。