「出てきた結果がこれとは
因果か、それとも運命か」
概要
粘液で核を覆うスライムの魔族「粘族」の自称「冥王」。
本来、粘族は他の生物に寄生し、宿主の怪我や病気を治し、あふれる知性で助言する事で共生する寄生生物だが、寄生した宿主に幻覚を見せる呪いで宿主を乗っ取る事ができる。
その力で「粘族史上最強の王」を自称しているが、粘族には別に魔王がいるので、あくまでも自称である。
能力
寄生した相手に幻術による夢を見せる呪いを持つ神子。
相手の体内に入り込み寄生し、幻覚の夢を見せて相手を昏睡状態にすることで操る事ができる。
特別な道具を使わない限りは幻覚を防ぐ手段はなく、体内に入り込まれるとまず勝ち目はない。
「粘族史上最強の王」は自称だが、通常の粘族は宿主を操る事はできないので、自称するだけの能力はあり、龍神オルステッドも粘族の魔王よりも危険な存在だと言っている。
この他にも粘族の宿主を治癒する能力も使え、解毒魔術では治せない病気も治療できる。
作中の動向
以下ネタバレ注意
もともと自分の呪いに気づいていない普通の粘族だったが、川で溺れた際にヒトガミから自分の能力を教えて貰い魚を乗っ取って助かった。
その能力で調子に乗ってある魔王を乗っ取って暴虐の限りを尽くしていたが、魔王の配下で戦友だった死神ラクサスに敗北。
自分を殺そうと粘族を容赦なく殺す死神ラクサスから逃れるため天大陸の迷宮「地獄」への道をヒトガミに教えて貰い、迷宮の守護者に寄生した。
その後、ヒトガミから自分の行動で粘族がほぼ絶滅したことを教えられて嘲笑されるが、特に粘族に思い入れがなかったので反省はしてもヒトガミを恨むことはなかった。
ヒトガミにルーデウスとの戦いの協力を求められて、ラクサスへの恐怖から躊躇するが、ラクサスが死んだ事を教えられて恩義から了承。
疫病で苦しむスペルド族にギースが病気の進行を抑えるためと称して寄生させた。
ギースからは疫病でルーデウスを足止めしスペルド族を人質にとって時間を稼ぐように言われるが、粘族が絶滅した後悔からスペルド族が絶滅するのは忍びないと思い、作戦に支障がないならと独断でスペルド族を治療し自身の能力で疫病が治っていないように見せかけていた。
村にいたルイジェルドがルーデウスに付くと決意したことに焦って、ルイジェルドの体を乗っ取り経口憑依でルーデウスの体に入るが、死神ラクサスが作った「骨指輪」によって幻術を破られ死亡。
最後にスペルド族を道連れにしようと分体に命令を下すが、クリフの作った薬で治療される。
負け方は完全に自爆でルーデウスも「俺レベルの間抜け」と評した。
しかもただ負けてヒトガミ側の予定を狂わせただけでなく、スペルド族の疫病を治療した事で、ルーデウス側の戦力が増えた挙げ句に、80年後の戦いで魔神ラプラスを龍神オルステッドと戦わせて魔力を消耗させるため、魔神ラプラスの弱点を見抜けるスペルド族を全滅させるヒトガミの作戦を無駄にした。
と足手まといを通り越していない方がましだったともいえるヒトガミ側最大の戦犯。
しかし、スペルド族の治療をしたのは、かつてヒトガミに粘族がほぼ全滅した事を嘲笑された過去からで、敗北の際に「因果か運命か」と言っているように、負け方はビタだけでなくヒトガミにとっても自分の行いが帰ってくる因果応報な結果となった。
関連人物・アイテム
- 死神ラクサス
天敵。骸骨のような魔族。生前は七大列強五位だった。かつてラクサスの主で戦友だった魔王を乗っ取って死に追いやったビタに強い恨みを持ち、ビタを探すため魔道具を作って粘族を絶滅寸前まで追い込んだ。
ランドルフに敗北し死亡したが、その執念はまだ世界に渦巻いていた。
- 骨指輪
死神ラクサスがビタを殺すため作った魔道具。
この指輪をつけている者に幻術を使うと、所有者にとって最も頼りになる亡者が幻術の中に現れて幻術を破り、幻術の使い手を死に追いやる。
所有者に頼りになる亡者がいないと発動しない。
ラクサスを倒したランドルフが所持し、ルーデウスに渡される。ビタを殺した後に役目を終えて砕け散った。
恩人。川で溺れたときと死神ラクサスから逃げる際に助言で助けられた。
当然ヒトガミが善意でそんな事をした訳はなく、その後にビタのせいで粘族がほぼ全滅したと嘲笑される。
しかし、特に粘族に思い入れはなく、騙された訳でもないので、ヒトガミの事は悪人だが恩人だと思っている。
しかし、恨みはなかったものの、かつて嘲笑した事が、いつもの通りヒトガミの首を絞める結果になった。
余談
読者からは登場してからあまりにもアッサリやられたので逆に印象に残ると言われている。
関連タグ
レオパルドン(キン肉マン)…アッサリ倒されて読者から印象に残った繋がり。レオパルドンはその後に汚名返上で活躍した。