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概要編集

2012年イメージエポックが開発した作品。販売はバンダイナムコゲームス

ファミ通クロスレビューでは「9・8・8・7」で合計32点という高得点を記録し、【ゴールド殿堂】を勝ち取った。


ヒロインのトキとの結婚式を成功させるために過去をやりなおしていくループモノで、いろんな意味で難解かつ壮大すぎるシナリオが特徴。このゲームでしか見られない代永翼氏の怪演も見どころである。


これといって目立ったバグが全く無いことも評価に値する。


キャラクター原案は〈物語〉シリーズ】で有名なイラストレーターのVOFANで、セクシーなキャラが数多く登場する。

シナリオ担当の加藤陽一氏はアニメ版【妖怪ウォッチ】のシリーズ構成、『宇宙兄弟』『結界師』『アイカツ!』など有名な作品の脚本を経験している。

作曲家に『世界樹の迷宮』等でお馴染みの古代祐三氏を起用し、豪華声優陣も完備している。


なお2021年現在、最初で最後のフルHDアニメーションRPGとなっている(過去にアニメーションを使ったゲームは幾つかは存在するものの、その多くは2Dアクションである)。


フルアニメーションRPG編集

そしてなにより、ゲーム内の全てのキャラクターモデルやバトルシーン、フィールドでの移動に至るまで手書きのアニメというこれまでにない画期的な手法が取られた。

制作にあたっては『あえて絵の枚数やバリエーションを割愛して減らす』というPlayStation 3と開発者への負担を大幅に軽減する斬新な省エネ法を採用した。

「引き算の制作」が手抜きと叩かれるのはアニメ制作の宿命だが、後学に値するのは間違いない。


「フルアニメーションRPG」というジャンルが示すとおり、ゲーム中で「アニメで描かれたキャラを動かせる」という新しいジャンルを開拓した作品となった。


………はずが何故か核爆発を起こしてしまった。


2012年度「クソゲー オブ ザ イヤー編集

初代PlayStationを彷彿とさせるゲーム性と全体的な粗さが目立ち、

一部の人からはあのPC-FX以下と評される。

アニメ制作側は作画枚数20000枚とは言っていたが、本当に20000枚も使用しているのか疑いたくなる動き。

そもそも「フルアニメーションRPG」という挑戦自体が無謀であった。製作側も後に「ポリゴンで作った方が簡単だった」と発言していた。

脚本も美少女ゲームでありながら小学生男子向けギャグアニメの香りが目立った。


結局2012年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点に選ばれてしまい、最終的には見事にクソゲーの烙印を押されることとなった。ファミ通ゴールド殿堂とは一体何だったのだろうか。


バンナムが目論んでいたこのゲームのシリーズ化は当然のごとく頓挫。

2015年に開発担当のイメージエポックが破産手続きを開始し、その後2016年に倒産してしまった。

イメージエポックが汚名を返上するのは『STELLA GLOW(ステラグロウ)』(発売元はセガ)を待つことになる。


登場人物編集

ときとわ

16歳のカムザ王国の王女で本作のプレイヤーキャラクター。主人公を救うべく時間を遡る旅に出る。

デュアルソウルと呼ばれる二つの魂を持つ。愛用の武器は銃。

なおトワはトキと身体を共有するもう一つの人格であり、トワが表に出る際は武器が彼女の愛用であるナイフとなる。

ちなみに、何故それぞれの得意技を持っているのか(もっと言えば何故戦い方レベルではなく武器レベルで得意に差が出るのか)はストーリー上語られない為、不明。


カムザ王国の騎士。18歳。

超が付くほどのオープンスケベ。

トキとの結婚式の最中に襲撃を受け、重症を負う不幸な男。

その間際に、「僕はッ!!…100%カッコよくゥゥゥゥ!、間違い無くッ!モテるゥゥゥゥ!」(一部改変あり)と言い放ったことは、あまりにも有名。

何よりも事ある毎にヒロインに童貞臭漂う下劣な妄想を抱き、さらにセクハラを仕掛けようとするその姿はあまりにもキモく(しかもフルボイスな上、演者が上手いため尚更キモさが際立つ)、プレイヤーもイベントを見ているだけで辛くなってくる(声優さん、ご苦労様でした)

ちなみにドラゴンと融合してしまった理由はゲーム中には全く語られない為、設定や原理については完全に不明。


  • ドレイク

トキのペットのドラゴン。上記の通り、瀕死の主人公と何の理由も無く融合させられるハメになる不幸なドラゴン。現代に戻ると何故か主人公に戻る。こちらも原理は不明。


森に住む魔女


トキの友人。天真爛漫。


トキの友人。ウェディングプランナーを務める。心配性。


トキの友人。実家は資産家。


謎の少女。物語の鍵を握るとされている。なぜか関西弁のような言葉を話す。もちろん由来は不明。


  • ヤムロ CV:なし

商店街に住むシェフ。サブクエストで登場するが、彼の決め台詞が「ヤムロ、揚げま〜す!」…と中学生どころか小学生にまで苦笑いされるであろうしょうもないパロディ極まりないセリフを発する。

いくらガンダムの版権を所有してるからって、これは流石にあんまりでは・・・


アサシンギルドらしい団体のリーダー。


批判点編集

アニメーション関係編集

  • 全てを手書きアニメにするという野望に現実が追いつかず
    • 口パクがあっていない
    • 戦闘アニメーションは差分が足りずカクカク動いて見える
    • 一部の絵のクオリティが低い
    • 一部のイベント発生中のキャラクターの立ち位置も違和感満載の距離感
    • 場面と一致しないアニメモーション、
    • ゲーム中に登場する村人達も、ほぼ静止画の口パクだらけ
    • 作画枚数を減らすためなのか、真横に移動しているのに前進モーション
    • エンディングの結婚式ですら、どちらを選んでも結婚式の途中までグラフィックが同じ

非常に悪い戦闘バランス編集

  • 80年代の作品である初代『ドラゴンクエスト』を彷彿とさせる1対1方式の戦闘システム。つまり敵が複数登場した場合は1体ずつしか攻撃できない。さらにはテンポも悪い。
    • 制作側曰く「アニメーションをそのまま描画する都合上大量にメモリを消費するため、キャラクターを画面中に大量に出すことは不可能だった」と語られている。
  • 序盤だろうと終盤だろうと取得できる経験値がほぼ同じ。
  • 装備品の能力上昇値が大きすぎる。
  • 魔法が非常に強すぎる。序盤のダメージが三桁前半という時に2000近いダメージを多段ヒットさせる魔法が使え、終盤には''通常攻撃の1000倍以上''のダメージを与えてしまう。チートと名高い時間停止魔法、凶悪な能力アップ・ダウン魔法も存在するため、これらを使えばラスボスさえ一撃である。
  • 武器は銃の遠距離狙撃と剣の近距離攻撃のみ。その他魔法や体術の攻撃なども備えてバリエーションは豊かに見えるのだが、残念ながらアニメーションの仕様上これぐらいの攻撃方法しかない。
  • 強い敵が現れた場合「装備を買って魔法で殴ればいい」とあのゲームと見事に正反対的な一言で解決してしまう事態となった(あちらは魔法が弱い、というか属性が過剰に多く、敵の弱点を調べる手段がないうえレベルアップによる物理攻撃火力の上がり幅がジェットパックを背負っているレベル)。
  • 敵の種類は色違い除いて20種しかいない。アニメーションという仕様上、当然色違いの敵は(ボス除いて)行動パターンも全く同じ。
    • 一度パターンをすべて覚えてしまえば、決まったタイミングで攻撃を回避し、攻撃を繰り返して撃破するだけの作業ゲーと化す。攻撃パターンや威力の変化もない。

シナリオ編集

  • 小学校低学年向けのギャグストーリーである。とにかくシナリオが面白くない。
    • 子供向けのギャグ作品などで扱われているギャグ展開や下ネタなどを、この萌え系のゲームに無理矢理押し出してしまった。
  • 下品であったり、矛盾があったり、世界観無視のギャグ展開やパロディネタ、クオリティが低いために寒く思えるようなやり取りが多い。
  • カクザ島」「オサ島」「グラニュー島」とこれまた小学生並みのネーミングセンスの地名と、そのやる気のなさを自分で弄るメタネタ連発
  • 戦闘中の意味不明な早口言葉対決。
  • 主人公のキャラ設定というか性格がとにかく聳え立つクソの山。とんでもなくキモい。感情移入できないどころか一緒に冒険したくないレベル
  • 敵と味方の掛け合いにしても、ドラゴンに向けて「消費者センターに訴える」などと言い始めたりする。その後、ドラゴンは「消費者センターは…まずい!」と何故かうろたえ始める(しかもアニメーションは表情も変えることもなくただ単にしつこく喋りつづける)。
  • ラスボスが一連の騒動を起こした動機は「毎日ナイター中継がみたい」「そのためにお前達の"思い出"が必要」などと某ラノベ的な発言をする。
    • それに対して主人公は「お前は間違ってる!ナイター中継は、毎日はやってない!」と堂々と反論。ファンタジー系の世界観なのに、いくらなんでもこの展開はいかがなものか。
  • 2周目で見られるトゥルーエンドがさっぱり意味不明。
    • 基本的にストーリー上のやり取りが、ほぼギャグシーンなためお察しな部分もある。
  • 伏線及び真相は限定版購入時に付いてくるドラマCDでのみ語られる。通常版を購入したユーザーに関しては完全にほったらかし。
    • おまけにそのドラマCDでも「どうしてこうなったんだろう?」「それが……どうしてなのか、私にも全くわからないんだ」「きっと、僕らの愛の力が奇跡を起こしたんだよ」などと言った1〜2分程度のちょっとした会話で流されて有耶無耶になるだけ。…つまり永遠の謎。


ヒロインの交代編集

  • ヒロイン交代のタイミングがレベルアップ時であり、その都度装備やスキルが変更されるので面倒くさい。つまり、こちら側で自由に切り替えができない。
  • イラストでは違うキャラとして描かれているが、ゲーム内では髪の色を変えただけ。
  • 「トキとトワ、どちらの方と結婚するか」=エンディングに影響する重要人物だがクリアまでの好感度ゲージが全く意味をなさない。
  • 挙句そうまでしてみたトワとの結婚式はトキのモノの使い回しで、挙句主人公に「まるでトキみたいだ」の一言で済まされる薄っぺらさである。

ボイス編集

  • 「声優推しゲーの声優推し度と地雷率は比例する」「ゲームの内容やシステムではなく声優を推すと言うことは他に魅力がない」という都市伝説を体現した豪華声優陣。
    • このゲームはフルボイスではないため声の無いシーンが非常に多い。…フルアニメーションRPGなのに。
    • 口パクがあっていない問題があり、声優目当てで買ったという人にとっては(も)残念な出来である。さらには口パクすらなく喋る事もある。…フルアニメーションRPGな(ty。

その他編集

  • サブシナリオは116個存在するのだが、「モンスターを倒してこい」「この人に会ってこい」「これを探して欲しい」といういわゆるお使いイベントしか存在せず、飽きられやすい。
  • フルプライス価格なのにイベントCGが11枚しかない。

ちなみに結婚式シーンはなんと5回も同じシーンが使い回される。

  • 500円の有料ダウンロードシナリオが5つ。つまり、全てを買えば総額2500円。DLCの数が多く、値段も異様に高いのはこの作品に限らずバンダイナムコのソフト全般に言えることではあるのだが。
    • どれも1つ10分ほどの短いやり取りと2枚のイラスト。明らかに値段と合わない。ぼったくり
    • しかもCGは公式サイトなどで見ることが可能だった(現在は配信停止、公式サイトも閉鎖)。
  • 必要HDD容量は2012年のゲームでありながらなんと4.5GB。2020年代ともなれば丸ごとDL版購入してもむしろ小さい方だが、当時としては…
    • AAAタイトルの『Skyrim』のPlayStation 3ディスク版が5GB以上。更にいうとそんな大作ですら動作不安定になるゲームサイズ。

関連タグ編集

キャラゲー クソゲーオブザイヤー PlayStation 3 ロールプレイングゲーム

ワリオランドシェイク -事実上の世界初フルアニメーションゲーム。やり込むと難易度は高いが、こっちは神ゲー。

Cuphead -こちらもフルアニメーションゲーム。しかしこちらは1930年代のアメリカン・アニメーションをイメージしたゲーム。全編セル画という狂気の産物である。ちなみに本作のCGの2.5倍の45000枚を使用。

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