概要
山梨県の県庁所在地であり、人口は19万人と最大都市でもある。かつては特例市であったが、特例市廃止に伴い2019年に中核市に分類された。なお、県庁所在地および中核市としては最小人口(南に位置する静岡県沼津市や神奈川県小田原市とほぼ同じ人口。なお、県庁所在地で下から2番目の山口市とは数千人の差であるため、リニアによる影響で変動する可能性はある)である。
非常に南北に長い形であり、市の北端は山梨県の北部で長野県と隣接している。市の南端は山梨県南部の富士河口湖町と隣接しており、静岡県まで接近している。
市内の状況
県庁所在地ということもあり、甲府駅を中心に商圏が広がっている。しかし中心部への道路が狭く、そのうえ駐車場が有料という自動車社会の山梨にとって致命的となっている。
そのため近年では中心部から郊外へ移転する商業施設が多く、甲府市内に無印良品とシネマコンプレックスを含む映画館が存在せず(前者がない県庁所在地は唯一)、ネットカフェとマクドナルドも甲府駅から徒歩30分圏内に存在せず(モスバーガーとロッテリアは駅前にある)、スターバックスコーヒーも撤退から再出店まで5年を要する有様であった。一方で地方では珍しい成城石井やヨドバシカメラがあるなど店舗の有無がいびつな状況になっている。
こうなった要員として中心部商店街、特に甲府商店街連盟の存在が挙げられている。商店街保護を名目に県や市から補助金を大量に受け取る一方で、市内の大型店はもとより市外の開発まで口を出して反対運動を行なっている。また、活性化と称している映画祭や無料バスも自分たちは金を出さずに県や市、さらには百貨店や映画館に負担させているという有様で、映画館が市内から消えたのも郊外化だけでなく映画祭の負担に耐えられなかったことが挙げられている。当然甲府市民や山梨県民からも顰蹙を買っている状況で、ネット上では甲府衰退諸悪の根源というコピペまで出回っているが、連盟は「甲府市民から理解を得ている」と胸を張っている有様である。
市政
政治
周辺自治体が自民党主体なのに対し、甲府市は非自民党が主体である。30年以上にわたり日本社会党→民主党→立憲民主党が推している候補が市長となっており、議会も民主党系が与党となっている。
財政
先述の通り上場企業が市内に少ないため法人税収入が少ない一方で、市職員の平均年収が全国平均から見ても高い基準にあり、一時期山梨県職員より多い時期すらあった(現在は県職員のほうが多い)。また、市街地活性化と称した補助金を乱発したせいで市の財政が大きく悪化し、市債発行に制限がかかり危うく財政再建団体に足を入れかけたこともある。
このような状況の中財政改善に着手し、市役所の新築(無駄と思われるが分散していた施設の集中化によりランニングコストをカット)や市職員のリストラ、不要な市施設の閉鎖や売却を行ない、財政再建団体いるはどうにか回避されている状況である。但しコストカットを優先したため「住民票のコンビニ受取導入が周辺自治体より遅い」「市営の水道料金が高い」など行政サービスの低さが課題となっている。
大合併
このような状況のため周辺市町村との兼ね合いが悪く、平成の大合併の際それが顕著に表れてしまった。というのも甲府の行政サービスが周辺市町村より割高のためその負担をかけられる恐れがあり、また政治面も与野党が異なっていた甲府市との合併を躊躇される一因となり、さらに当時の甲府市長(温泉旅館の番頭)の発言が周辺市町村の反感を買った模様で、協議会交渉が解禁された時「おめーの席ねぇから!」という扱いを受けてしまった(南隣の昭和町も合併しなかったがあっちは単独でやっていける財政力があり、逆に周辺協議会からの誘いを断るなど甲府市と立場が逆であったと注記しておく)。
このようにぼっちであった甲府市であったが、最終的にオウム真理教の件で自治体名を消したい上九一色村(異例の分割合併であり、北部のみ。南部は富士河口湖町と合併)と笛吹市から合併を断られた中道町が甲府市との合併を選び、どうにか県庁所在地の面目を保つことができた。ただこの合併によりただでさえ南北に長く伸びていた市域がさらに長くなり、甲府盆地を東西に抜けるのに必ず甲府市を通ることになる。
市内の主な施設
交通
鉄道
中心駅は甲府駅。特急を含むすべての列車が停車する。
中央新幹線の駅が市内に設置される予定であるが、甲府駅から車で30分離れた市の南側に設置される予定である。
バス
路線バスはほぼすべての系統が甲府駅を経由する。バスタ新宿や名古屋駅、大阪駅から高速バスも運行されている。
道路
中央自動車道が市の南部を通っているが、唯一市内にある甲府南インターチェンジは中心部から30分以上かかる。隣町にある甲府昭和インターチェンジを利用することが望ましい。