イリオモテヤマネコ
いりおもてやまねこ
概要
1960年代に存在が確認され、ベンガルヤマネコ亜属の先祖の古い形態であるとされていたが、最近のDNA研究により、ベンガルヤマネコの亜種の一つと判明した。
体長50~60cmくらいで、イエネコより若干大きい。体色は暗い褐色で、虎柄や黒い斑点の模様があり、尾や耳の先端は丸く黒い。
ジャングルや水辺に生息し、肉食で魚介類から爬虫類や両生類、鳥類を捕食し、時にはイノシシの子供も捕獲する。夜行性でほとんど単独行動。
現在では環境破壊や交通事故、イエネコから伝染した病気、外来種の影響などによって数が減少しており、絶滅危惧種として特別天然記念物に指定され、大切に保護されている。
虎耳状斑
耳の裏には虎耳状斑(こじじょうはん)という、野生の猫科にのみ存在する特徴的な模様がある。
黒地に白い斑点が一つあるというものであり、イリオモテヤマネコと普通のイエネコを区別する際はこの模様の有無によってすぐに判別することができる。
ヤマピカリャー
それまで地元住民からは伝承の生き物として扱われ、「ヤママヤ」(山のネコ)とか「ヤマピカリャー」(山で輝くもの)などと呼ばれていた。西表地方の口語では「ヤママヤー」がイリオモテヤマネコ、「ピンギマヤー」が野生化した飼い猫、そして「ヤマピカリャー」が件の伝承にある生物を指す(拝借情報)。
UMAの範疇ではあるが、伝説ではヤマピカリャーはイリオモテヤマネコとは別に存在する巨大山猫とも言われており、台湾で近代に絶滅したとされるウンピョウに近いと考えられている。最近でも学者や地元民による目撃例がある。また、対馬にも、イリオモテヤマネコと同じベンガルヤマネコの亜種のツシマヤマネコ(アジア大陸北方に生息するアムールヤマネコの対馬生息個体群)とは全く違う、小型のピューマまたはアジアゴールデンキャットを思わせる大きなネコ科動物(通称「ツシマオオヤマネコ」)がいるとされ、これまた学者、しかもツシマヤマネコの権威による目撃が複数回ある。ヤマピカリャーとツシマオオヤマネコは、大きさに関しては似ているらしい。
その他、石垣島にもヤマネコが生息していたまたは今もいるとする研究もあり、便宜的に「イシガキヤマネコ」と称している。
- 余談だが、ニホンオオカミにもエゾオカミのほか、大小二種類&「何か別の」が幾つかいたとする意見があり(参照)、「本州の山にいるデカい猫」の話も伝わっている。
- 近い種類(ベンガルヤマネコ系統)は、本州からも化石で発見されているが絶滅した理由は不明。オオヤマネコの方は、縄文人や弥生人との接触後もしばらく生き残っていたが、ヤマネコの方はニホンオオカミなどがそうだったように、家畜のネコからの感染症などが考えられる。
イリオモテヤマネコ関連キャラクター
- マヤー・榊さん(あずまんが大王)
- 詳しくは該当項目にて。
- 桃宮いちご(東京ミュウミュウ)
- 能力とミュウミュウの姿のベースになったのはイリオモテヤマネコ。
- イリオモテヤマネコ(けものフレンズ)
- イリオモテヤマネコをモチーフとしたフレンズ。
- コリンク(ポケモン)
- 名前の由来こそlynx(オオヤマネコ)だが、目が光るという設定はイリオモテヤマネコの伝承がベース。
- イリえもん(ドラベース)
- 沖縄の野球チーム「西表マングローブス」所属の3番打者であるイリオモテヤマネコタイプの猫型ロボット。優れた視覚を有している。
- ブラック・ジャック
- 第242話『オペの順番』にて登場。密猟者に捕らえられた事で混乱しており、西表島へ向かう船舶の事故を誘発してしまう。2004年アニメ版の第1話もこのエピソードが原作となっている。
- このエピソードでは赤ん坊、傲慢な代議士、イリオモテヤマネコのうち誰から施術していくかが本作のテーマになっており、ブラックジャック先生の矜持がうかがえるエピソードとなっている。