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悪役令嬢レベル99

あくやくれいじょうれべるきゅうじゅうきゅう

『小説家になろう』で七夕さとり氏が投稿している小説。サブタイトルまで含めた正式名称は『悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~』となるが、長過ぎるためpixivではメインタイトルのみで表記する。

解説

RPG要素の強い乙女ゲーム・「光の魔法と勇者様」の世界の裏ボスポジションである悪役令嬢」に異世界転生した主人公が、その非常識さゆえに周囲に混乱を巻き起こしていくファンタジーラブコメ作品。

Web版では2024年時点で6章まで、書籍版は6巻までが刊行されている。

コミカライズ版はB’s-LOG COMICにて連載中。

なお、公式告知されている事だが、原作(なろう)>書籍版>コミカライズ版の順にグロさが抑えられており、コミカルな物へと寄せているとの事。

例としては、なろうではR-15設定となっているが、コミカライズ版は年齢制限が解除されている。

また、コミカライズ版ではざまあ要員だったキャラクターに対してのイメージアップが行われているなどの変更がなされている。これについて、コミカライズ版作者であるのこみは「原作者サイドの了承を得て『どうすれば原作の良さを伝えられるか?』を念頭に改変させていただいてる」と説明している。

登場人物

CVはボイスコミック、ドラマCD、TVアニメ共通。

バルシャイン王国

本作の主人公。

反国王派の一族の娘。国王派所属。

詳細はリンク先を参照。

(イラスト右の人物)

学園の同級生の辺境伯令息(次男)。

詳細はリンク先を参照。

学園に入学した際に配属されたユミエラの専属メイド。サラ(CV:林鼓子)という妹がいる。

専属メイドとなっているが、実際は両親が付けた監視役……だったのだが、触れあっている内にどんどん親しくなっていく。

ユミエラの両親から妹を人質に取られた上でユミエラの暗殺指令を受けユミエラの紅茶に毒を仕込んだが、ユミエラには毒は効かず、遂に毒を仕込んでることを見破られたがユミエラ本人からは罪を不問にされた上妹も助けられたため、ユミエラに心酔し忠臣となる。

その心酔ぶりは、傍目から見て洗脳されていると見られるほどである。

ユミエラが卵から孵化させた黒いドラゴン。闇属性。モンフォード男爵領に出没していた番のドラゴンの巣に卵の状態で発見され、国王とロナルド学園長の許可を得てユミエラに引き取られた(後述するドラゴンの特性もあって、ユミエラの事は親の仇でなく親だと認識している)。誕生したばかりの頃は中型犬くらいの大きさだったが、ユミエラがうっかり寝ている間に魔力を注ぎ込んだため、一晩で彼女より大きくなってしまった。武器は口から放つブレスと目から放つレーザービーム。

本来のゲームではアリシアが養育し、光属性となるはずだったが、アリシアの交友関係が変化した影響で、ユミエラが養育する事になった。またゲームでは一度訪れた場所にしか行けない仕様だったが、その制約もなくなり未訪問の場所にも行ける。

物語の舞台であるゲーム「光の魔法と勇者様」のヒロイン。学園で唯一の庶民。

小説版(WEB版・書籍版)とメディアミックス版(コミカライズ・アニメ)とで大きく性格が異なる(ユミエラの設定が違う「悪役令嬢レベル1」版は元のゲーム版に近い性格になっている)。

詳細はリンク先を参照。

公爵令嬢。

国王派思考の反国王派筆頭の娘。後に、ゴタゴタを経て居心地の良い国王派に移籍している。

詳細はリンク先を参照。

ゲーム「光の魔法と勇者様」の攻略対象の一人。バルシャイン王国の第二王子。魔法剣士。

ウィリアムとは幼少期からの付き合いで、彼からは「エド」と呼ばれている。

感情に任せて公衆の面前で機密情報を明かしてしまうなど王族として迂闊な面はあるが、ユミエラを敵視している面々の中では一応話せばわかる人物。アニメ版では強制力に支配されたアリシアを正気を取り戻す為にユミエラによって彼女と結ばれた。

努力家であり、例え今日が誰かに負ける実力でも明日・明後日にはリベンジできるように研鑽を積むような性格であり、国境防衛を担う家系が故に幼少の頃より負けず劣らず研鑽を積んでいるパトリックとも仲が良い。

ゲーム「光の魔法と勇者様」の攻略対象の一人。

エドウィンとは幼少期からの付き合いで、彼からは「ウィル」と呼ばれている。アドルフ騎士団長を尊敬している。

正義感は強過ぎる所があり、闇の使い手のユミエラを何かと敵視する脳筋の剣士でアリシアに誑かされる形でユミエラを抹殺しようとする。アニメ版では終盤では改心し、強制力で正気を失ったアリシアを止めようとした。

ゲーム「光の魔法と勇者様」の攻略対象の一人。バルシャイン王国の高位貴族の出身で、基本全属性(火・風・水・土)の魔法が使える天才児。第一王子であるモーリスを敬愛している。

クールな知的に振舞うがウィリアム同様ユミエラを一方的に目の敵にしており、時折知的とは言い難い行動を取り、ウィリアムと共にユミエラを排除しようとする。アニメ版では終盤では改心し、強制力で正気を失ったアリシアを止めようとした。

バルシャイン王国の騎士団長。王国最強の熱血漢。

  • ジェシカ・モンフォード(CV:稲垣好

学園の女子生徒。地方貴族の男爵家の令嬢。

本来のゲームでは、アリシアのはじめての友人となるキャラクターであったが、作品中のアリシアがそれより早く攻略対象との仲を深めたため、アリシアとの交流はない(むしろ王族・有力貴族の子息とつるむ彼女を良く思っていない)。

ユミエラとパトリックが仲良くしているのを度々目撃している。その事もあって、ユミエラには畏怖だけでなく親近感も抱いている。

実家の領土に出没するドラゴンの討伐をユミエラにお願いし、リューとユミエラが出会うきっかけを作っている。

  • ドロシア・アーキアム

学園の女子生徒。中央貴族のアーキアム伯爵の令嬢。

ヒルローズ公爵率いる反国王派閥に属しているが、それは金で役職を買った一族の子孫ということで、中央の立場は弱く、誰かの庇護なしにまともな活動はできないためであり、実際には善良な弱小貴族である。

「悪役令嬢レベル1」版では、反国王派の令嬢にもかかわらずエレノーラの取り巻きに参加はおろか挨拶にも来ないユミエラに対し、危害を加えられる前に忠告に来た他、追い出されようと失礼千万な態度を取るユミエラを心配するなど、心優しい姿を描かれている。

魔王の復活と対抗策としてアリシアが特別入学する事を知っている人物。

その関係か黒髪への差別意識が強いようでレベル判定後不信な視線を向けている。

ユミエラが国王夫妻に謁見した後、すぐに国王の手の者が学園に派遣された為、退職を余儀なくされた。

新学園長。老齢だった前学園長と違い青年。国王の息がかかった人物で、魔王の件も把握している。作り物みたいな笑顔が特徴。

後にフルネームと共に、ある人物の兄であることが明らかになる。

ちなみに演者の古川氏は他作品でも同名のキャラを演じている。

黒髪及び闇魔法への差別意識が特に無い為、ユミエラに普通に接する数少ない女性教師。

レベルがカンストしている闇魔法使いという恐らく世界で1人しかいない存在であるユミエラとの授業を毎回楽しみにしている。

  • 剣術教師(CV:柳田淳一)※リューと兼任

レベル判定の際にユミエラが何らかの不正行為を行っていると決めつけた男性教師。

最初の授業でも「レベル99」呼びするなど馬鹿にしていたが、実力が判明した後は問題行動を恐れるようになる。

バルシャイン王国の国王。多くの貴族の目の前でユミエラに謝罪や闇魔法への偏見を諫める為の小芝居をするなどしている。

世界初のレベル99になった事を祝った願い事をユミエラに聞いた際の内容が、変わりない日常を送りたいという物だった事からそれ以降密かにユミエラの日常を守る為に動くなどしている。

一方で、実力的には世界征服ないしは崩壊を引き起こせるユミエラに対し何の対策も講じないわけにもいかないとのことで、アドルフとある人物のレベル上げをさせるなど、民を守る一国の王として心を砕くことも。

バルシャイン王国の王妃。野心家を見抜く特技を持っている。

ユミエラの事を「誰にも愛せれず、誰にも頼れなくてそれでも周りを恨んだりしない本当につよい子」と評価しており、彼女の心の闇の一部を見抜いている。

又、ユミエラの事が本当に気に入っており彼女が受け入れてくれれば我が子として養子に迎え入れたいと思っている。

ユミエラにとって、国王・王妃は両親の様な存在でもある。

  • モーリス・バルシャイン

バルシャイン王国の第一王子でエドウィンの兄。名前しか登場しない。

コミカライズ版では、王妃の語る魔王討伐計画の説明の中でメガネをかけた頭脳派を思わせる姿が描かれた。ユミエラの実力は密かに認めており、彼を敬愛するオズワルドがユミエラへの誤解を解くのに一躍買った。

ユミエラの両親。二人とも金髪で、顔もユミエラに似ていない。田舎暮らしが嫌で役職もないのに王都に在住している「中央もどき」で、反国王派に属している。黒髪のユミエラを気味悪がり、自分達で養育せず使用人たちに丸投げしていた。また領地が不作に見舞われても送金を要求し、異議を唱えた代官を解任するなど、親としても貴族としても落第点な夫婦である。

中央もどきという事もあり、派閥内での立場は強くなかったが、ユミエラの実力が判明すると一時は持て囃された。しかし、ユミエラが(王妃に忠告された事もあり)国王派とばかり交流したため、一転して冷遇されるようになる。さらに国王派が進めていた魔王討伐の準備を他国との戦争の準備と誤解した反国王派に「ユミエラも一枚嚙んでいるのでは?」と疑われて窮地に追い込まれてしまい、ユミエラの暗殺という凶行に出てしまう。しかし、ユミエラの弱点を知らなかったばかりに暗殺はことごとく失敗し、さらにスパイだったリタが自白してしまい、ユミエラの電撃訪問を受ける。ユミエラに「爵位の譲渡か死か」という選択を(ブラックホールの発動と共に)迫られ、やむを得ず譲位を宣言した。

ドルクネス家に婿入り(予定)しユミエラの暴走を制御しているパトリックには多大なる感謝の念を抱いている。

  • アッシュバトン辺境伯夫妻

パトリックの両親。ちなみにパトリックの灰色の髪は父親譲り(辺境伯夫人は銀髪)

辺境伯自身はあくまで国境防衛のためだけに戦争を行う温厚な性格だが、夫人の方は個人的恨みもあって「レムレスト」という単語を耳にしただけで殲滅戦争を願うような過激な性格に変貌する二面性を持っている(普段は、温厚な性格でユミエラのことも心底気に入っている)。

アッシュバトン家の長男でパトリックの兄。弟を溺愛しているため、ユミエラに対する印象は良くない。

パトリック曰く「相手の性格を理解した上で、その人が最も嫌うやり方を敢えて選ぶ」ような捻くれた性格をしており、戦争の相手すらも掌の上で踊らせて戦略的勝利を演出するのが得意。

過激な母である程度の免疫を持っているからか、(正体隠すために猫を被ってなお隠し切れない)ユミエラの奇行を見ても「そんなもんか」と受け入れてしまえる寛容さも持ち合わせている(この件は、「ユミエラと一緒にいて平気な男は自分ぐらい」と思ってるパトリックにとって焦燥を覚える事態であったが)。

  • ヒルローズ公爵

エレノーラ(+ある人物)の父。反国王派の筆頭だが、内心では私利私欲しか頭にない彼らを軽蔑している。現国王とは旧友かつ遠縁でもある(後述するように、初代国王と初代ヒルローズ公爵は兄弟)。反国王派の舵取りに限界を覚え、ある策に打って出る。

妻を早くに亡くしており、その忘れ形見であり一族の使命とは似つかわしくないほどに純真に育ったエレノーラのことを溺愛している。

王都に住む庶民の少年。6歳(アニメでは10歳くらいとユミエラは推測している)。母子家庭の出身。こげ茶色の髪をしていて、黒髪に近いというだけで同年代の少年たちから虐められていた。王都を散策していたユミエラと知り合い、彼女およびリューと友達になった(アニメではリューとの出会いはカットされ、ユミエラを狙った暗殺者をユミエラが撃退する場面を見て、他の少年たちと歓喜する流れになっている)。

レムレスト王国

レムレスト王国の諜報員。外見に特徴のない平凡な男性(ユミエラ評)。

バルシャイン王国に駐在してユミエラを調査し、彼女をレムレスト王国に引き込むのは困難と判断していたが、本国の上層部がそれに納得しなかったため、ユミエラに直談判してレムレスト王国に招こうとした。結果的に失敗したが、この対話がユミエラにパトリックを特別に思っている事を気付かせるきっかけとなった。

バルシャイン王国(建国期)

魔物たちを統括する存在。大昔に勇者と聖女によって封印されていた。何故かバルシャイン王国のみ襲撃する。また魔王が黒髪だったことからバルシャイン王国で黒髪の人間は忌み嫌われ差別の対象になっている。

実は人間であり、王国の成り立ちに関わる重要人物だった。

6章にて、几帳面な性格で、こまめに日記を付けていることが判明したが、その文面の口調は何故か女子小学生のようであった。

ちなみに、アニメ版でCVを務めた小野Dはリメイク版にて条件を満たすことでオリジナルのラスボスとは戦えなくなるが真のラスボスと戦えるようになる新シナリオが追加された作品にて、エンディング後に仲間に出来るチートキャラを演じている。

  • 初代国王

バルシャイン王国の建国者。建国の伝承に登場する「勇者」その人。

  • 初代王妃

初代国王の妻。建国の伝承に登場する「聖女」その人。光魔法の使い手。後に魔王となる男から好意を寄せられていたが・・・。

  • 初代ヒルローズ公爵

初代国王の弟でエレノーラの先祖。兄が建てた王国を安定させるべく、反国王派を結成して国の舵取りをスムーズ化させた。

用語集

用語

  • 魔法

この世界に存在する超能力的存在。

種類は基本属性の『火』『風』『水』『土』の4つと、希少な『光』『闇』の2つで計6属性。

闇属性の持ち主は他人に疎まれる傾向となる他、後述の属性相性のために『光』魔法であれば移動魔法であってもダメージを受けてしまう。

各属性間の相性としては、『火』>『風』>『水』>『土』>『火』(四すくみ)、『闇』>四大属性(『火』『水』『風』『土』)、『光』>『闇』となっており、『光』は弱点のない最強属性とされている。

  • 魔物

魔石を内包する生物。倒すと経験値を獲得できる。人間に慣れることはない。

闇魔法の使い手であれば使役することもできるが、本編中で使用したのは「魔王」と「ユミエラ2号(正史で裏ボスと化したユミエラ)」の2人のみ。

  • ドラゴン

魔物の一種。卵生。卵に魔力を多く込めれば、その分強い個体が生まれる。

卵に魔力を一番多く込めたものを親と認識するため、魔物の中で唯一人間が飼いならせる(ただし、親ドラゴンのそれを超える量の魔力を込める必要はあるが)。

ちなみに日本と違い「竜」とは呼称しない。

  • 経験値

魔物を倒すことで得られるもの。パーティーレベリングでは、与えたダメージ量に応じて割り前が与えられる方式のため、姫プレイは不可能な仕様。

  • レベル

その者の強さの度合を示す数値。最高値は99。経験値を一定値稼ぐことで数値を上げることができる。

アニメによると、主人公であるアリシアは比較的レベルの上がりやすい仕様な一方、裏ボスであるユミエラは逆にレベル上げに必要な経験値が他よりも多い模様。

  • ユミエラ式レベリング

ユミエラが考案した効率よくレベルアップする為のレベリング方法。『成長の護符(経験値2倍)を身に着け(守護の護符(使い捨ての身代わりアイテム)は付けない)一人でダンジョンに潜り、魔物呼びの笛を吹いて魔物を集め、集まった所を薙ぎ払い続けながらダンジョンを攻略する』これを朝から夜までひたすら毎日行い続けるというもの。更に欲を言うなら自身の得意な魔法が弱点なモンスターが多いダンジョンで防御力・耐久力が低い攻撃型のモンスターを狙った方が更にはかどる。

  • アッシュバトン式レベリング

アッシュバトン領で行われている団体での安定したレベル上げ方法。基本の型として『前衛が魔物を押さえつけ後衛が攻撃を行う』。一定のレベル上げ後、やや安全性が劣るのだが『後衛が魔法で魔物の動きを止めて前衛が攻撃する』というセットとなっている。こうする事で前衛・後衛のレベルを均一に上げる事が可能となっている。

  • 中央もどき

(ユミエラの両親のように)領地を代官に任せっきりにして王都で仕事もせずに遊び呆ける、ロクデナシ貴族の蔑称。

  • 国王派

2台派閥の一つで与党派閥。中央貴族を中心に構成されている穏健派。

所属している人物・家系:「アッシュバトン家」・「ユミエラ・ドルクネス」・「エレノーラ・ヒルローズ」

  • 反国王派

2台派閥の一つで野党派閥。現状への不満を抱いている貴族で構成されている。

不満解消の手段として周辺諸国への侵略戦争を提言している過激派。二巻の事件によりトップが(名目上は)死亡し、その他の多くのメンバーが捕まったことで、その勢力を大きく弱体化させた。

ヒルローズ家をトップに構成されているおり、中央もどきの殆どがこちらの派閥に所属している

所属している人物・家系:「ドルクネス家(ユミエラ除く)」・「ヒルローズ家(エレノーラ除く)」・「エレノーラの取り巻き達」

  • エレノーラ派閥

公爵令嬢であるエレノーラを中心に、反国王派の貴族の令嬢が募っている学園の女子生徒グループ。

ただし、ボスであるエレノーラがアホかつ人を疑うことを知らない純真であるため、その実、取り巻きの中でも権力のある令嬢たちがエレノーラをそそのかして、彼女の権力だけを利用するだけの烏合の衆。実はメンバー全員がエドウィン殿下に淡い恋心を抱いており、そのことがゲーム本編内でアリシアに嫌がらせを行う要因ともなった。

ゲーム本編と、初動の遅れたifストーリー「悪役令嬢レベル1」ではユミエラも所属している。

  • 野外演習

学園が安全に配慮しつつ行う生徒による魔物狩り(レベル上げ)。

都会暮らしの中央貴族に比べて地方貴族は領地で魔物と戦うことも多く、必然的にレベル上げへのやる気に差が出る為、中央貴族と地方貴族に班分けされている。

なお、レベル99のユミエラは地方貴族の班で教員の補佐としてクラスメイトのレベル上げを支援しており、パトリック主導による『アッシュバトン式レベリング』による安定したレベル上げとユミエラの効率最優先の『ユミエラ式レベリング』を融合させたレベル上げを行っている。

(中央貴族からはそのレベル上げを恐れられているが、当の地方貴族達からは手際よく安定したレベル上げだと一定の評価がなされていおり、その班だけ異常な程のレベル上昇率を叩き出している。また、魔物が落とした魔石は生徒たちの取り分となるため、懐が潤う意味でも好評だったりも)

  • ゲームシナリオの強制力

アニメ版のみ登場。ユミエラが危惧している現象。悪役令嬢ものにおけるお約束的な存在で一見回避出来たと思われた事が前触れもなく引き起こされるなどの現象。ゲームの主人公兼ヒロインであるアリシアが特に影響を受けており、洗脳マインドコントロール肉体操作などにさらされている。なおそれらをアリシアは違和感としてしか認識出来ておらず相談を受けたユミエラが見抜くまで誰も気づけなかった。ユミエラでさえ、入学当初に魔王扱いされる事による同調圧力の影響で一時的だが闇落ちしかけている(これは原作でも同様で、小説版ではあと一歩で取り返しのつかないレベルにまで至ったところをパトリックに救われた描写も)。

王国

バルシャイン王国

ユミエラ達が暮らす王国。勇者と聖女が魔王を封印して建国したとされる。しかし、建国以前の歴史に関する資料はなく、その成り立ちには謎が多い。

  • ドルクネス領

バルシャイン王国の東側に位置する地方領地で、ユミエラの実家。農業が中心で特産物は無い模様。先代領主が早逝し、その息子で新たな領主に着任したユミエラの両親が中央の別荘で遊び呆けてることで、信じられないほどに荒れ果てている。(魔物被害はユミエラが学園に入る十年前から現れた山の神様によりそこまでではなかったが)そのため、紆余曲折あり爵位を継いだユミエラの最初の公務は、荒れ果てた自領を改善することからとなった。

新領主キャンペーンによる一年間の免税、街道整備等の公共事業の充実、ユミエラとパトリックの結婚式を行うことによる教会や迎賓館(結婚式後は新しいドルクネス家の館になる予定)を始めとする建築ラッシュなどにより王都より景気が良いと評されるまでになった。

住民達もはじめは、「魔王を超える強さを持つ大魔王」「気に入らない人間を自身の飼っているドラゴンの餌にしている」と噂されるユミエラを恐れていたが、山の神様が学園入学前にレベル上げの一環で領土中の魔物を倒していたユミエラと判明したことと、免税キャンペーンなどが功を奏しユミエラを領主として歓迎するようになり、ユミエラがリューから飛び降りて降ってきても日常茶飯事だとスルー出来るようになるまで、ユミエラに馴染むことになる。

  • ドルクネス領主邸

ドルクネス領で一番立派な建物。ドルクネス領伯爵が政務及び生活をする場所であり使用人たちだけではなく、文官達も住んでいるため住んでる人数は数十人にも及ぶ。

ユミエラの生活するということで最もユミエラの影響が強く、彼女が新領主として帰還した際、使用人や文官たちは報復を恐れており、彼女の挨拶の折に出迎えた半数が気絶すると言う惨事が起こった(聞きようによってはお礼参りとも取れる宣言をしたユミエラにも責任はあるが)。

その後しばらく、主であるユミエラより婚約者のパトリックの方が屋敷に馴染んでいるという時期が続いたが、パトリックがユミエラの見えない部分を使用人に話をしたり、ユミエラ駄々っ子事件により屋敷内でユミエラを見る目が変わり、ユミエラを信頼するようになる。

2章終わり以降はエレノーラも住んでおり、客人ながら主人同然な待遇を受けている。

  • アッシュバトン領

バルシャインの西の国境沿いに位置する領地。バルシャインよりも長い歴史を持つ武人の家系により管理されており、初代国王が話し合いの末に傘下に加えた歴史を持つ。

侵略防止の仕掛け・設備や砦をレムレスト国境がある西側のみならず、かつての国境である東側にも未だ置いていることから、あくまで友好の名の下に傘下に加わっているのみで、友好関係が崩れたら独立することも十分あり得る模様。

レムレスト王国

バルシャイン王国の西の隣国。パトリックの故郷アッシュバトン辺境伯領と隣り合っている。1年前に国王が倒れ、王位継承を指名された第一王子と奪い取ろうとする第二王子による内乱が発生しており、功績作りの為にだけにバルシャイン王国に対して侵略を行っている。

本来の魔王についてはバルシャインしか標的にしないこともあり気にしていないが、その分、全世界を標的にできる上に表向きにはバルシャインに飼い慣らされているユミエラのことを魔王と呼び恐れている(中には「親の言うことを聞かない悪い子のところにはユミエラがやってくる」という子供の躾に利用されることも)。

魔法

  • ダークフレイム

炎のように見えるが熱は無く、性質的には硫酸王水に似た何でも溶かす闇魔法。

レベルに関わらず、大きさは豆鉄砲クラスしかない。

  • シャドーランス

影から飛び出してくるトゲ状の物体で攻撃する闇魔法。

ドラゴンなどの空中に浮く対象にはランス状の形で乱れ撃ちするなど、形状は複数ある模様。

その性質上、影のない場所では打てないが、ゲームのユミエラは何故か背後から生やして攻撃に使っている描写があった。

  • ダーク・バインド

敵を拘束する事が可能な拘束系闇魔法。

ユミエラが完全操作しているわけではなく、ある程度自律稼働しているらしく、暇つぶしにじゃんけんをするなど、忌避の対象とされ孤独な幼少期を過ごしたユミエラにとっては便利な友達であった(その様子を目撃された結果、メイドたちからは余計に恐れられ敬遠されることとなったが)。

ちなみにコイツみたいに攻撃能力・殺傷能力を持っているわけではないため、ユミエラの魔法で唯一の非殺傷系・人畜無害な魔法であるが、口を塞いだりなど、使い方次第では攻撃に使うことも可能といえば可能である模様。

以上3つは、ユミエラがレベル1時点で扱える初期習得魔法という設定にされている。

  • ブラックホール

ユミエラと魔王しか使えない最強の闇魔法。範囲内の物質を消滅させる。

一瞬展開しただけでも範囲内は空気を含めて消滅するので真空状態となり物理的な二次効果が発生する。

アニメ版では第2話でユミエラが「ブラックホール。重力場をコントロールして範囲内の物質を無条件で消し去る魔法」と解説した為、(特に視聴者から)天文学におけるブラックホールと混同されている(原作に重力要素はない)(アニメ終盤では重力描写その物が無くなっている)。

使いこなせれば、耳掃除にも利用できる優れもの

実は発動は一瞬だが、出現〜消滅までにタイムラグがあり、その消えるまでの間に対象範囲から逃げれば回避可能…なのだが、実際にはほんの一瞬しかないため、ユミエラレベルのチートスペックでもない限りは机上論に終わってしまう。

  • ヒール

回復魔法。光魔法と闇魔法専用。闇魔法の方(ダークヒール)は回復効果の見た目がグロテスク(自然治癒をビデオの早回し様に見せられるイメージとのこと)。

  • 星の小雨(サンレイン)

ユミエラの助言を元に編み出したアリシアのオリジナル魔法。なお、アニメではゲームイベント用の非殺傷性の魔法となっている(コミカライズ版では『星の小雨(サンレイン)』の事を知らないがアニメではゲーム画面を介して知っているなどメディアによって扱いが違う魔法)。

  • ユミエラパンチ

アニメ版では、『ユミエラパンチとは私の繰り出す超高速パンチだ。レベルが低いと見ることもできない!』と解説されている。要するにただの高速で繰り出すパンチ。ゲームで再現されたとしたら、恐らく1Fで繰り出されていると思われる。なお、この異常な速さのパンチを視認出来たのはアドルフ騎士団長とパトリックの二人のみとなっている。当然だが魔法ではない。

  • ユミエラキック

アニメ版で登場した『ユミエラパンチ』のハイキック版。当然だが魔法(ry

  • ユミエラダッシュ

コミカライズ版で登場したユミエラの疾走。ユミエラの持ち前の身体能力により超高速での移動を可能とする。その速度は学園の中で(ユミエラを除けば)最高レベルのエドウィンとパトリックの視界から一瞬で目視できなくなるほどである。当然だがm(ry

アイテム

  • 魔石

魔物を倒すと出て来る換金アイテム。雑魚の魔石はそれほど貴重でもないためか、いくら売っても買取額に変動はないが、ボスクラスとなると売るたびに値崩れするらしい。

  • 魔物呼びの笛

魔物を呼び寄せる魔道具。コミカライズ版だと犬笛のようにシンプルなものだが、アニメ版だとギャラルホルンのようなデザイン。

  • 魔物呼びの大笛

魔物呼びの笛の上位版魔道具。ダンジョンのボスすら呼び寄せる他、ある程度だが所有者の意のままに操ることもできる優れもの。

  • レベル60用魔法板(仮名)

鎧に使う金属でレベル60の騎士団長による耐久試験に合格した物(ユミエラは簡単に曲げてしまう為、手加減の練習具として使われる)。

  • レベル測定用魔道具

入学式で使用されたレベル測定する為の魔道具。最高値が99で有る為2桁までしか表示されない仕様となっている(まずありえないが100を超えた場合は下2桁しか表示出来ない為、Lv.113→13・Lv.200→00などのような表示となる)。

  • ストロドの大剣

強度と物理攻撃力が規格外の高級品。本来はゲーム終盤にならないと手に入らないアイテムだが、ウィリアムは1年時の武術大会時点で何故か手に入れていた(ユミエラは「コネ入手」と推測していた)。本作では、強力な武器であってもレベルが低ければ使いこなせず体力の消耗が激しくなるデメリットがあるため、ウィリアムはまたたく間に疲弊してしまった。

ちなみにユミエラが武術大会にて壊したにもかかわらず、魔王戦では再び手にしていたことから一点モノではなく、あくまで店売り最強装備だと思われる。

  • 風属性最強の槍

正式名称は不明。アニメ10話にてユミエラがアリシアのパワーレベリングついでにバリアスのダンジョン周回をした際に入手。帰還後、パトリックにプレゼントしたことで彼専用装備となった。このプレゼントは先述の通り強い武器であってもレベルに見合わなければ使いこなせないというゲーム仕様もあり、彼のレベル上げへの意欲を一層駆り立てることにも一役買った。

実はオープニング映像にて第一話から存在自体は描かれていたため、視聴者からは「ようやく回収されたか」という声が感想サイトでは上がっていた。ちなみに、原作のダンジョン周回でも入手はしていたが、こちらは「ユミエラが自分専用武器を手に入れる」のが目的だったこともあり、パトリックには譲渡されず売り払われてしまった模様。

  • エリクサー

死者蘇生薬(本当は別の効果。詳細は極秘扱い)。

  • 護符

装飾アイテム。

装備する事で多種多様の効果が出るが複数付けると競合を起こして効果が出なくなるため1つしかつける事が出来ない。

単に能力を強化するものの他、経験値が2倍になる「成長の護符」、一回使い切りの死亡攻撃に対して機能する高級品の身代わりアイテム「守護の護符」(ただし全快復活ではなく、瀕死の重傷の状態で復活するだけなので、即座に回復魔法やポーションでHPを回復しなければ延命処置に過ぎないが)などが存在する。

なお、守護の護符は高価ではあるが序盤から買える一方で、成長の護符は魔王撃破後でないとアリシアは購入できない設定になっているとのこと(ユミエラは、金さえ出せばモノを売るような怪しげな闇商人だから子供でも買えたらしい)。

ダンジョン

  • ドルクネスのダンジョン

ユミエラの住むドルクネス領にあるダンジョン。闇属性の魔物が多く出るため、並の人間には「難易度:鬼ムズ」である…が、初期レベルからラスボス攻略クラスに強いユミエラにかかればお茶の子さいさいらしい。

ダンジョンボスは、闇属性のデュラハン。

  • バリアスのダンジョン

バルシャイン王国に存在する最高難易度のダンジョン。あまりの難易度に、王立学園の生徒は許可証なしだと立ち入りも許されない。地下50階まであり、最深部で出現するダンジョンボスを倒すことで一定以上の性能を持つ装備が手に入る他、それを手にすると自動的に地上送還される親切仕様。

小説版ではユミエラがレアドロップ狙いでソロ周回したが、アニメ版ではアリシアのパワーレベリングの舞台とされてしまった。

ダンジョンボスは、山羊の頭をした悪魔。

TVアニメ

2024年冬アニメとしてAT-XTOKYO MXBS11MBSにて2024年1月9日から2024年3月26日まで放送された。

上記のWEB版・書籍版・コミカライズにおける変更に加えて、第1話Aパートではアリシア達をメインとしたオリジナル展開が描かれている。

キャラデザは、書籍版のTea氏のものではなく、コミカライズ版ののこみ氏のものに近いもので、デフォルメ画も多く多用された。

コミカライズ版を追い抜いた第10話以降は、一部オリジナル設定の改変を為されつつ、物語が進行された。

制作はこのヒーラー、めんどくさいポーション頼みで生き延びます!に次いで本作が元請3作目となる寿門堂…だが、OP・EDだけは動画工房が下請けとして作成した模様。

スタッフ

  • 原作:七夕さとり(カドカワBOOKS
  • 原作イラスト:Tea
  • 漫画:のこみ
  • 監督:山岡実
  • シリーズ構成:志茂文彦(全編脚本)
  • キャラクターデザイン:海保仁美、金璐浩
  • プロップデザイン:白﨑詩織
  • 色彩設計:藤井瞳
  • 美術監督・設定:荒井和浩
  • 撮影監督:韓國主
  • 編集:小野寺絵美
  • 音響監督:明田川仁
  • 音響効果:和田俊也スワラ・プロ
  • 音楽:うたたね歌菜
  • 音楽制作:KADOKAWA
  • 音楽プロデューサー:竹山沙織
  • プロデューサー:根本侑果、荒川友希子、松本佳奈子、鎌田肇、飯塚彩、東真央、和田卓治
  • アニメーションプロデューサー:見﨑誠治
  • アニメーション制作:寿門堂
  • 製作:「悪役令嬢レベル99」製作委員会

主題歌・挿入歌

  • オープニングテーマ「LOVE or HATE?」
    • 作詞:深川琴美、作曲:OHTORA、maeshima soshi、編曲:maeshima soshi、歌:前島麻由
    • 第一話ではエンディング位置で流れた。
  • エンディングテーマ:「好きがレベチ」
    • 作詞・作曲・編曲:タナカ零、歌:エレノーラ・ヒルローズ(日高里菜)、ユミエラ・ドルクネス(ファイルーズあい)
  • 挿入歌「Ray of Light」(第1話)
    • 作詞:やしきん、作曲・編曲:うたたね歌菜、歌:花たん
    • 劇中ではゲーム「光の魔法と勇者様」のオープニングテーマという設定。00年代のゲームにてあるあるだった処理落ちを再現した映像となっている。

Blu-ray初回生産特典

  • 悪役令嬢レベル1〜入学式で自分が裏ボスだと気が付きました〜
    • 「もしもユミエラが前世の記憶を取り戻すのが入学式当日だったら?」というifストーリー。Blu-ray全3巻に付いてくる、続きモノ。時系列としては、入学式〜1学年の終わり(アリシアのイジメ騒動あたり)までであり、一章の終わりまでは描かれない模様。
    • 本編のストーリーおよび主要キャラの性格を狂わせたユミエラの存在が大きくならなかったことで、様々な面で本編とは違う展開を迎える(特に性格の変化が大きいのは、アリシアと攻略対象の3人)。
    • 総じて「ヒカユウ」の世界をユミエラ視点で擬似的にプレイしているとも言える内容。

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