あらすじ
イタリア系移民のレオンはプロの殺し屋。トニーから請け負った依頼を完璧に遂行し、誰ともかかわらず、牛乳を飲むことを日課としている。
レオンの住んでいるアパートの隣には、12歳の少女マチルダがいた。父親に殴られ、父の再婚相手の継母にこき使われ、義姉にいじめられ、逃げ場のない生活で苦しむ毎日。心許せる相手は4歳になる義弟だけだった。
ある日、いつものように殴られ鼻血を出していたマチルダに、レオンはハンカチを差し出す。顔見知りであったマチルダは、お礼にレオンの好きな牛乳を買いに行く。
そのとき、麻薬密売犯のスタンスフィールドがマチルダの部屋を襲撃した。マチルダの父親が麻薬の横領をしたことがばれたのだ。銃撃戦の果てにマチルダの家族は皆殺しにされる。
事態の異様さを察知したマチルダは、自分の部屋を素通りし、レオンの部屋に助けを求めた。レオンは逡巡したが、結局マチルダを保護する。
レオンが殺し屋であることを知ったマチルダは、弟の復讐のため、殺しの技術を学びたいと頼む。
概要
フランスタイトルは『Léon』、アメリカタイトルは『Léon: The Professional』。
ベッソンの次回作となるSF大作『フィフス・エレメント』の資金集めという背景があり、脚本は二日間で急ごしらえされたが、世界的に大ヒットし、ベッソンの代表作にもなった。
今作の魅力はなんといっも登場人物にあり、レオンとマチルダの親子のようで恋人のような不思議な関係に根強いファンが多い。
22分の未公開シーンを加えて再編集した「完全版」がある。
登場人物・キャスト
レオン・モンタナ - ジャン・レノ
イタリア系移民、殺し屋の中年男。通称《掃除屋》。ニット帽と丸眼鏡がトレードマーク。好きなものは牛乳とミュージカル映画。女と子供は殺さない主義。
ボスであるトニー以外とは人付き合いがない。自らの存在を根無し草に例え、観葉植物が唯一の友人だと言う。アメリカに来たばかりのころ、女がらみでは痛い目を見たらしい。
英語の読み書きができないため、マチルダに教えてもらう一幕も。
マチルダ・ランドー - ナタリー・ポートマン
家族から虐待を受けており、父親に対しては「いつか殺すつもりだった」とすら漏らす。唯一、仲のよかった義弟のためにスタンスフィールドへの復讐を決意する。
子供ならではの軽率かつ大胆な行動でレオンを翻弄することが多い。12歳にしてすでに女豹の風格がある。
ノーマン・スタンスフィールド - ゲイリー・オールドマン
麻薬密売組織の男。自らも薬物中毒で、ドラッグの錠剤が欠かせない。
商売の邪魔をする者には冷酷で容赦なく、マチルダの家族を4歳の子供もろとも皆殺しにした。時節、何かに陶酔するような表情を浮かべ、キレると何をするかわからない危険人物。他人の命より音楽鑑賞や一張羅のスーツが大事。
正体は、麻薬取締局の捜査官。
トニー - ダニー・アイエロ
表向きはイタリアンレストランの経営者。裏の顔は殺し屋レオンの仲介人。
読み書きができず銀行を使えないレオンのための金庫番でもある。
家族持ち。
スタッフ
監督・脚本 - リュック・ベッソン
製作 - パトリス・ルドゥー
音楽 - エリック・セラ
撮影 - ティエリー・アルボガスト
編集 - シルヴィ・ランドラ
言語 - 英語