概要
「児泣き爺」「児啼爺」とも表記する。現在の表記は柳田國男によるもの。
その名の通り、本来の姿は老人だが、夜道で赤ん坊のような産声をあげる。見つけた人が捨て子でもいるのか、と憐れんで抱き上げようものなら体重が次第に重くなり、手放そうとしてもしがみついて離れず、遂には抱き上げた者の命までも奪ってしまう場合があると言われる。ゴギャー、ゴギャーと泣くことから「ごぎゃ泣き」という異名もある。
「ゲゲゲの鬼太郎」にて鬼太郎の仲間妖怪としての活躍が有名になり、メディアへの露出も割と多くなった。
山城・歩危の伝承が水木しげる御大が描く子なき爺の基本になったともされる。
近年の研究により、この妖怪にはモデルとなったような実在の人物も存在するらしき事が明らかにされた。赤子の泣き真似が得意な老人で、山中を意味もなく徘徊していた事から「悪い事をするとあの爺に攫われてしまうぞ」と脅しに使われたのが発展して妖怪の伝承になったとの事であるが、これも一説であり、それ以前から徳島では目撃伝承があったとも言われている。そのため、子泣き爺は実在した風習から派生したという説もある。
その他の創作での扱い
一般的に広まっているのは水木しげる考案の姿なので、各デザイナーとも違った姿を模索している。
忍者戦隊カクレンジャー
妖怪軍団の一員「コナキジジイ」として登場。ピエロの様な姿で玩具を身に付けた赤ん坊妖怪。人間の魂を奪い人形に込めることで家族を作ろうとした。
侍戦隊シンケンジャー
伝承の元になったという設定の外道衆「ナキナキテ」という名で登場。自身の使役する白鬼子と子供を入れ替え、親に捨てられた子供の泣き声で三途の川の水を増やそうとする。
手裏剣戦隊ニンニンジャー
牙鬼軍団「上級妖怪コナキジジイ」として登場。鉄アレイを素体に生まれた上級妖怪で、近くにいた人間同士を強制的におんぶ状態にして恐れを集める。
地獄先生ぬ~べ~
まるで子供のような小さな身体をした妖怪だが、非常に欲求が強く、(敬虔な) 女性には災難を、世の数多の男性 (や男性読者等には)幸を届ける。
電気グルーヴ
「墓場鬼太郎」のOP曲「モノノケダンス」のPVにおける、天久聖一による紙人形劇ではピエール瀧の顔をした子泣き爺が登場している。
ラグナドール
CV花江夏樹
石人形(ゴーレム)を相棒にしているギャン泣きするイケメソ妖怪。
詳しくは→ラグナドールのキャラクター一覧へ。
余談
伝承となった徳島は、エンコ河童や一つ目入道、のびあがり、七人ミサキや山爺(や相手の「山ばあ」)、萌え系で乙姫にも化ける池の主であるメスの龍神、など多数の妖怪の伏魔殿や平家の落人伝説の地としても知られる地である。