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カッターキャーの編集履歴

2025-02-23 11:31:49 バージョン

カッターキャー

かったーきゃー

主に夢小説に見られる展開の一つで、気に入らない相手を貶めるために冤罪を被せる行為のこと。

概要

気に入らない、嫌いな相手を貶める手段として「自分を襲って傷つけた」という冤罪を被せようとする行為のこと。主に、夢小説などの創作において特定の展開を指す目的で使われる用語である。現実の出来事に関してはマッチポンプ自作自演などを参照のこと。


二次創作では、オリジナル主人公夢主)が、原作キャラをはじめとする周囲の人物に不当に嫌われてしまう、さらに冤罪がバレてライバル(敵)が退場する、といったストーリーに繋がる布石として打たれることが定番である。

主人公を逆境に追いやって悲劇の主人公/悲劇のヒロインにしたい時の導入としてよく用いられ、「異世界転生といえばトラック事故」と同等のレベルで「嫌われのシンボル」と語られることもある。


言われ出した時期は不明だが、(夢以外を含む)二次創作小説を公開するにあたって個人サイトが主流だった時代に流行していたという見解があり、また2014年にYahoo知恵袋にて「カッターキャー」とは何かを尋ねる質問が投稿されていること、2020年代の現在でも夢小説界隈の用語として使われることが多いことなどから、2000年代に夢女子の間でそのような展開が流行し、2010年代までに一種のテンプレと認識されるに至ったと推測される。


よくある流れは以下の通り。

  1. 陥れたい相手を呼び出して二人きりになる(主に意地なオリジナルキャラが夢主人公を呼び出す)
  2. しばらく会話した後、唐突に刃物(カッター等)を取り出して自分の身体を傷付ける
  3. 刃物を投げ捨てて悲鳴(キャー!)を上げ、集まった人に泣き付いて「アイツにやられた!」と主張する
  4. 相手は周りから「加害者」と認識され、嫌われる。反対に自分は「被害者」と認識され、心配される

この「カッターを取り出して自傷したあとキャーと叫ぶ」という流れを略して端的に表したのが「カッターキャー」である。


用いる凶器はカッターが主流だが、彫刻刀のような文房具も多く、シチュエーション世界観によってはアイスピック短剣などが使われる。これは「隠しやすく持っていてもそれほど不自然ではない」「下手を打って濡れ衣を着せる前に怪我をしてはいけない」といった理由で、手頃な大きさの身近な道具が選ばれると理由付けられる。


「嫌われ」に繋がる場合「こんなに簡単に騙されるのか?」と疑問に思うかもしれないが、まず悲鳴を聞いて集まってきた第三者は、怪我人がいて、凶器が近くに落ちている状況があれば事件の可能性を考えることになり「あいつがやった」と直接訴えられている人物がいれば「被害者(実際は冤罪の加害者)」の主張を信じてしまうのも無理はない。

さらに、いわゆるサクラとして「被害者」の仕込んだ味方が「自分も見た」と証言したり、外面に騙されて信用してしまっている人が率先して庇ったりすれば、自然と「被害者」に有利な状況が生まれやすい。


「加害者(実際には冤罪の被害者)」が戸惑ってうまく弁明できないうちに野次馬が集まってきて「あいつがやったらしい」という空気が蔓延、さらにその場にいなかった人にも噂が広まることでますます不利になり、真実を訴えても多勢に無勢となってしまう。

「被害者」は外面が良く、日頃から目立つ存在で周囲から注目されている、逆に「加害者」が事件以前から周囲との交流が少なく「そんな事をする人じゃない」と信用して味方してくれる人が現れない(あるいは非常に少ない)ような時はなおさらである。

人間の集団心理として「地味な真実よりも見目を引くもの」、「自分一人の観測より多くの人の感情」を優先してしまうと考えられており、実際にはそこまで強く信じていなくても、周りの空気に流されることはよくある。


仲裁に入る側(教師や警備員など)が事なかれ主義であったり、最初から「被害者」の味方であったりする場合、事実をはっきりさせない、「加害者」1人を生贄にする形で終わらせようとしてしまうことも考えられる。

そうこうしているうちに「何でもいいから誰かを攻撃したい」と思っている人々から断罪という大義名分で体のいいサンドバッグにされ、いつまでも誤解が解けず、窮地に追い詰められることになる。


なお、上記は主に「創作における展開」についての解説だが、このような展開が出てきてもそもそもフィクションであるということに留意する必要がある。現実ではありえないようなことが当たり前に起こる世界に「司法はここまで腐っていない」とケチをつけることは野暮である。


現実の犯罪としては…

仮に現実に(いじめなどで)起こった場合

  • 他者の社会的信用を剥奪し不利益を与える目的で、故意に具体的な罪を被せ公然と言いふらす行為は名誉毀損
  • 警察等公的機関にそうした内容を訴え、処罰を求めた場合は虚偽告訴罪
  • 「警察に訴えてやる」「親にバラされたくなければ」といった内容で被害者を脅して行動を縛れば脅迫罪もしくは強要罪
  • 事件の真相や事件そのものを隠すために、第三者が使用された凶器や当時の衣類などの物証を隠蔽・損壊・破棄すれば犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪

などの犯罪に該当する可能性が高い。


もし被害を受けた場合、速やかに警察弁護士に相談することを心がけること。また、日頃から嫌がらせの被害に遭っているなら、ICレコーダーやデジタルカメラ、スマートフォン(緊急連絡はもちろん、録音録画のためにも)などを準備して、もし冤罪事件に巻き込まれても自分の無実を証明できるような状況を作っておくことが重要である。


参考リンク


その他類型

  • 体ではなく私物を傷つけられたように工作する
  • 暴力以外の用途で使うと偽って相手に刃物を持って来させ、相手が刺そうとしてきたように装う
  • 自分が先に突っかかったか平等な取っ組み合いだったのに、相手が一方的に襲ってきたように印象操作する
  • 実際には起きていない相手から自分への苛めや迷惑行為の被害を周囲に日頃から吹聴する
  • 階段ですれ違い様にわざと転落し、突き落とされたフリをする
  • 対象が異性の場合、性暴力の被害を受けたように装う
  • 集金袋などを隠して盗みの罪を着せる

etc...


創作上の扱い

先に述べたように、創作における「カッターキャー」は主人公に悲劇性を与える展開への導入(いわば「ピンチになったかわいそうな主人公ちゃん」、「信じていた人にも裏切られてかわいそうな主人公ちゃん」の演出)として用いられることが多い。

しかし、設定上主人公と信頼関係が出来ていたはずのキャラクターまで加害者の言い分を鵜呑みにして主人公を早々に見限る展開は、前段階としてストーリーに説得力を持たせるための描写を怠っていた場合「テンプレを雑になぞっただけの粗製濫造作品」と評価されかねない。


特に二次創作で、原作キャラクターに「簡単に騙され親しい相手を信じず見捨てる」、「悪質ないじめに加担する」または「カッターキャーで他者を陥れる」ようなポジションを当てた場合、キャラクターを貶めるための表現として対象キャラクターのファンから反感を買いやすい。このため、基本的には加害者にはオリジナルキャラが割り当てられることになり、原作のキャラを関与させる際には、主人公をかばう側だったり中立的な立場だったりすることが多い。

pixivでは、ランキングシステムなどによってこうした内容の作品が表示され、タグによる棲み分け、本文の前の注意喚起などの対策が不十分な作品(また、自身にとって受け入れられない展開を対策しない読者)も少なくなかったことから、たびたび各ジャンルが荒れる要因になっている(キャラヘイト嫌われの記事を参照のこと)。


また「プロット(筋書き)が雑でもとりあえずコレをやっておけば話が進む」とばかりに大いに使われたために揶揄の対象にもなり「安易にこの手法に頼った加害者がその場で主人公に反撃されたり集まったキャラに嘘を見破られたりして自滅する」「あるいはそもそも被害者として心配してもらえる程の関心を引けない」展開もネタとして定着した。


それ以外では、ミステリーサスペンスで犯人が被害者を装い捜査を撹乱するために類似した手段を用いる場合もあるが、こちらを本項目と同じ括りで扱うことはほぼ無い。

要は相手に冤罪を被せられればいいので、他のやり方で同様の展開を起こすパターンもある。刃物や傷は必須ではない。


関連タグ

冤罪 濡れ衣 自作自演 いじめ 被害者面

嫌われ 夢小説

悪女:当手法の常習者。

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