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曖昧さ回避編集


概要編集

「あさしお」とは海上自衛隊の潜水艦名のひとつ。旧日本海軍の白雲型駆逐艦「朝潮」を初代、同・朝潮型駆逐艦のネームシップを2代目として、3代目にあたる旧「あさしお」型潜水艦のネームシップと、4代目にあたる新「あさしお」型練習潜水艦の2代がある。


4代目「あさしお」(SS-589/TSS-3601)編集

4代目「あさしお」は、中期防衛力整備計画に基づく平成4年度計画2500トン型潜水艦8104号艦として三菱重工業神戸造船所で建造され、1992年12月24日に起工し、1995年7月12日に進水、1997年3月12日に就役した、「はるしお」型潜水艦の最終7番艦。就役当時の艦番号はSS-589である。

就役とともに第2潜水隊群第6潜水隊に配属され、横須賀基地を定係港とした。なお進水を半年後に控えた1995年1月17日、船台上で阪神淡路大震災に遭遇している。


この4代目「あさしお」が現役でいたのはわずか3年で、2000年3月9日に練習潜水艦に種別変更され、艦番号をTSS-3601に改めるとともに、第2潜水隊群第6潜水隊から第1練習潜水隊(当時は潜水艦教育訓練隊)に転属、定係港も呉に変わった。


新あさしお型練習潜水艦のネームシップになった本艦には、先進潜水艦技術のテストベッドの役割が与えられる。

2002年11月、スウェーデン・コックムス社からのライセンス生産によるスターリング式AIPを搭載すべく、9mの艦尾延長工事を施されることになり、三菱重工業神戸造船所にて同工事を実施、2003年11月からスターリングエンジンの試験が行われた。基準排水量は、本工事にともない2,900tに増加した。

このスターリングエンジンの試験の結果は良好で、有効性が確認されたことから、2004年から建造がはじめられたそうりゅう型潜水艦には、スターリングエンジンが標準搭載された。


2006年11月21日、宮崎県沖で訓練航行中、パナマ船籍の貨物船「スプリングオースター」と接触事故を起こしたものの、どちらもけが人はいなかった。


2017年3月2日、除籍。現在は広島県呉市にある海上自衛隊呉史料館『てつのくじら館』館内に練習潜水艦時代の銘板が置かれている。



最後の涙滴型潜水艦編集

本艦が属していたはるしお型は、米国の実験潜水艦3代目アルバコアを始祖とする涙滴型の艦体を持った潜水艦だったが、本艦竣工の翌年から配備が始まった、新おやしお型潜水艦では、より水の抵抗に強い葉巻型に改められた。

「あさしお」の練習潜水艦への種別変更ののち、同型3番艦・SS-585(→TSS-3606)「はやしお」が2008年に、6番艦・SS-588(→TSS-3607)「ふゆしお」が2011年に、それぞれ練習潜水艦になったが、「はやしお」が除籍された玉突きで「ふゆしお」が種別変更されたため、新「あさしお」型が3隻そろったことはない。

その「ふゆしお」も2015年3月に除籍された結果、4代目「あさしお」は海自の潜水艦として最後の涙滴型となっていた。


3代目「あさしお」(SS-562)編集

一方、3代目「あさしお」は、第2次防衛力整備計画に基づく昭和38年度計画潜水艦8062号艦として、川崎重工業神戸工場で建造され、1964年10月5日起工、1965年11月27日進水ののち、1966年10月13日に就役した、旧「あさしお」型潜水艦のネームシップ。同型に「はるしお」「みちしお」「あらしお」が存在した。

1983年3月30日限りで除籍され、翌年7月に解体されたという。

なお「あらしお」は4代目「あさしお」の同型艦(SS-586)の名前にもなったが、すでに除籍された。一方の「みちしお」は3代目に当たる新おやしお型2番艦(SS-591)に受け継がれ、こちらは現役にある。


関連項目編集

おやしお型潜水艦(次級) そうりゅう型潜水艦


日本海軍

満潮(駆逐艦):2代目朝潮の同型艦。

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