いざ尋常に勝負ありとは、勝負の結果を表すネタの一つである。
勝負開始前の言葉「いざ尋常に勝負」と決着の言葉「勝負あり」を組み合わせたもので、始まったと思ったら終わっていた(というくらい決着が早い)ことを表す。
転じて、勝負にならないほどの圧倒的な差がある様子も表す。
いざ尋常に概説終了
勝負が始まったと思ったらもう試合終了でした。
――つまり不戦勝というヤツである。
ただ通常の不戦勝というと、敵前逃亡や試合放棄のように、対戦相手が戦意を失ってそのまま勝負が流れてしまうことでも成立する。
それに対してこの場合は、「相手は戦う意欲を示しているが、どう見て考えても勝ち目がない」という事態を表現している。
酷いと勝負にすらなっていないことさえ珍しくない。
他の例を挙げると、『西遊記』の孫悟空とお釈迦様の勝負が、一般的に知られる模範例と思われる。
いざ尋常に元ネタ紹介
元ネタは、時代劇を始めとして古くから発せられてきた日本の言葉――
いざ尋常に勝負
…である。
さらに深掘りすると、SNKの人気格闘ゲーム『サムライスピリッツ』シリーズのラウンド開始のコールが、このネタの直接の発祥点と見て差し支えない。
このゲームは一撃必倒を前提とした、「バッサリ感」とも形容される一撃の強烈さが売りとなっているゲームで知られている。一方、たびたびゲームバランスの調整が大味になることでも有名であった。
特に『サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』は非常に攻撃力が高い上に、ほぼ全キャラに即死・永久連続技があるなどの理由で決着が早いゲームだった。
そういった対戦環境を端的に表す言葉として生まれたのが「いざ尋常に勝負あり」である。
(ちなみに実際のゲーム上では一発のダメージにキャップが設定されているので、このような即決着とはならない。が、後の『サムライスピリッツ零』では、「剣気MAX怒り爆発覇王丸の残鋼閃をミナに当てる」とその一撃で即死する)
ただこのゲームは「全キャラ壊れているため逆にバランスが取れている」という、後のアーケードゲーム『北斗の拳』のような評価であるため、上記のような不戦勝・一方的な決着とはやや意味が異なる。
元ネタとはズレるが、『サムライスピリッツ零』の徳川慶寅vs炎邪や、真鏡名ミナvs花諷院骸羅・タムタムのように対戦ダイヤグラムで9:1が付く「詰み」に近い組み合わせや、真鏡名ミナvs妖怪腐れ外道のようなダイヤグラム上はほぼ対等でも対策が出来ていない場合には一方的に倒されてしまうような組み合わせにこの言葉が使われることもある。
もっともミナvs腐れ外道は対策が極まると外道有利になるのだが、研究が進んだのは稼働から年月が経っての事なので、あまりプレイヤーの間でも知られていない(ちなみに零SPでは普通に外道超有利、剣サムではミナ超有利だが、これは相性と言うより単純にキャラランクの問題である)。
いざ尋常に作例照覧
まさに釈迦の手の上
そもそも一強だった