概要
お嬢様YPは最強サイクロンでミラフォを無効にしがちとは、 ひじりつかさ氏によるTwitter、pixivで連載されている遊戯王OCGを題材とした学園デュエルラブコメディである。この世界では、原作遊戯王が作品として楽しまれていて、他にも遊戯王シリーズに出てくるセリフ、ネタのパロディも描かれているという特徴がある。
また、デュエリストは総じて独自の「スキル」(デフォルトあり)を獲得していて、決闘盤が勝手に作用したり、プレイヤーが任意で発動したりする。デュエル中に発動できるのは一度きりで、ある程度実戦経験を積んだデュエリストならば複数所持していることもある。詳しい仕組みはよくわかっていない。
登場人物 ※身長はこちらを参考に
大金持貴子(おおがねもち きこ)
本作の主人公で、遊戯王初心者のお嬢様(本人Twitterより)。初登場時点で遊戯王歴は5秒。秤護(びんご)高校という学校に通っている。一人称は「私」。
守護者キコ(しゅごしゃ きこ)※正式名称不明。
「異次元の古戦場-サルガッソ」のような世界で、仕事に来た真夜を迎えた謎の存在。見た目は貴子と瓜二つだが、一人称が「我」だったり、デュエルを「札遊び」と呼ぶなど、恐らく彼女とは別の存在である。ハネクリボーと行動を共にしている。
貴子のデッキをまるで手足のように操り、玄人のようなプレイングを見せる。
貴子のイレギュラーは彼女の力であることが仄めかされ、作中で「記憶改鼠の無効化」、「共通認識の書き換え」などを行ったことが明らかになった。
民人の知り合いらしいが…?
本庶民人(ほんじょう みんと)
本作のメインキャラクターで、OCGルールに詳しい一般庶民(本人Twitterより)。初登場時点で遊戯王歴は10年。秤護高校の転校生で、貴子とはクラスメート。一人称は「ボク」。
花澤(はなざわ)
大金持家に雇われている執事長。一人称は「私」。眼鏡が似合うイケメンだが幼女趣味。 フルネームは不明。
車を運転している描写があるので、恐らく成人済みである。
勝利の鉄則は「如何に『相手の戦略を潰し』、『自分の戦略を通すか』といった堅実なプレイスタイル。デュエルでは「青眼の白龍」を使用していた。
一話で民人と出会っているが、三話にて再会した際には彼のことを完全に忘れていた。
紅色(べにいろ)
カードショップ「ウェルクシュタット」のバイト。日替わり定食のように、毎日体型や声質などのキャラが変わるらしい。フルネームは不明。
店番が暇なのは重々承知しており、勤務中に欠伸したこともある。地獄耳。
花澤撫子(はなざわ なでしこ)
大金持家に雇われている使用人。一人称は「オレ」。男性口調を用いるが女性。
初対面で民人からの評価は「花澤さんよりまともそう」だったがそれは猫を被っていたようで、遅刻・早退・無断欠勤のうえ勤務時間の大半を喫煙スペースで過ごす元レディースの頭ということが即時判明。貴子をからかって楽しんでいたりする。
上記の執事長とは苗字が同じの為、何らかの血縁関係があると思われる。
彼女も二話で民人と出会っているが、四話にて再会した際には彼のことを完全に忘れていた。
羽鳥竜人(はとり りゅうと)
初登場時点で遊戯王歴は1年。秤護高校の生徒で、前回の「校内デュエル大会」でベスト8に入った実力者かつテクニシャン。校内きっての軟派野郎らしいが、前々から目を付けていた貴子からは認知すらされていなかった。一人称は「オレ」。ピアス、カチューシャなどのアクセサリーを身に着けている、見た目からわかる通りチャラい。
女子の手以外は握らない主義らしく、民人の試合前の握手を断るほど。女性の守備範囲が広い。
使用デッキは水属性・水族で統一された「グレイドル」を主軸としている。エースモンスターは「グレイドル・ドラゴン」。
「羽鳥のNTR戦術(ネトリ・タクティクス)」と言われるほど周囲に広く認識されるコントロール奪取及びスキルとのコンボを得意とする。また、相手プレイヤーに対して常に二択を迫る戦術などは実際に対戦した民人も「見た目や言動の軽さとは裏腹にデュエル自体には誠実な人」と大絶賛であった。
スキルは「ラッキー・チャーム」。
寄生したグレイドルが、宿主となるモンスターに自身の攻撃力を与え強化する。
真夜(まや)
カードショップ「ウェルクシュタット」の店長。一人称は「私」。民人の遠い親戚で保護者的存在であり、「互いの下着の色を把握し合う仲」らしい。仕事で度々店を空ける。フルネームは不明。紫色のロングヘアをリボンでハーフアップにしている。貴子に負けず劣らずの巨乳。
性格は飄々として掴み所が無く、大人の女性の余裕や冗談が好きなお茶目なところがある。民人は彼女を「基本嘘つき」と紹介していた。また、健啖家である。
一方で、民人に関わる様々な秘密などを知っているようで、彼にスキル禁止をした張本人の可能性があるが、現時点では言及されていない。
具体例は未だ明らかになっていないが、家族思いな女性である模様。
使用デッキは複数存在することを匂わせる描写がある(ここでは四話で使用中のデッキを解説)。
「『始祖の守護者ティラス』とその兄弟の絆の物語を描いたカードを主軸とする」と彼女自身が明言していて、主にエクシーズ召喚を用いた戦術を使用。他にも「No.30破滅のアシッド・ゴーレム」といった扱いが難しいモンスターを巧みに起用したり、相手のモンスターの効果の隙をつき、場合によっては躱して自分のペースに持っていくなど、非常に高いプレイヤースキルを有している。
スキルは現時点では不明。
K・K・K/O・O・O
貴子の非公式ファンクラブ。KもしくはOと書かれた紙袋を被った秤護高校の生徒たち。極めて非紳士的な狂信者。
K・K・Kは「可愛い貴子ちゃんとキスしたい」の略で、
O・O・Oは「大金持ちゃんのおっぱい大きいよね」の略。
なお五話にてS・S・S(「好き好き雫ちゃん」の略)に改名されあっさりと敬愛の対象を鞍替えした。
謎の人物
最終更新時点で少なくとも四人以上いる謎の人物たちで、「神意」という絶対的なものに基づいて「世界を守る」ために行動している模様。
民人については詳しく知っているようではあるが、神の力の及ばない貴子のことを警戒している。因みに作者のひじりつかさ氏及び読者は不審者と呼称している。
全員が指輪をしているが、何を意味するのかは現時点では不明。
便宜上ここでは不審者~と表記していたが、本人公認となってしまった。
メンバー
不審者A(仮名)
長髪を一つにまとめた男性で、初登場は二話終盤。黒いマントを身に纏った組織のリーダー。一人称は「オレ」。
貴子と撫子から「不審者」、「ストーカー」呼ばわりされたり、羽鳥には交渉を蹴られたりと若干不憫。ある人物曰くクールに見えて意外と過激派らしい。
「神意」に対する忠誠心は構成メンバーの中では高い。
不審者B(仮名)
ウェーブのかかったロングヘアの女性で、初登場は三話。同じく黒いマントを身に纏っているが、四話にて再登場した際はスマートな黒い丈の短いワンピースを着用していた。一人称は「アタシ」。
結界を張る力を持っていて、その効果で「周囲の認識」が正しく反映されていなかったものとみられる。貴子のことが嫌いかつ生理的にムリらしい。
不審者C(仮名)
胸の下辺りまである長いポニーテールの女性で、初登場は四話終盤。ワンピースに上着を羽織り、長いブーツを履いている。一人称は不明。メンバーの中では唯一敬語を使っている。
意見は至って慎重派だが、それが災いしたのか過去に失敗をしたことがある模様。
五話序盤にて雫にぽろっとディスられた。
不審者D(仮名)・星宮 雫(ほしみや しずく)
伏し目がちな幼い印象を受けるボブカットの女性で、初登場は四話終盤。本格的な活動は五話から。秤護高校とは異なる制服の上にパーカーを着ている。一人称は「ボク」。
五話から貴子たちの通う秤護高校に転校生としてやって来る。理由は不明だが民人のことを知っている模様。
非情に冷めた性格で、他の登場人物とは違い、デッキやカードに全くと言っていいほど愛着は無い。その事がきっかけになって貴子と衝突を起こした。
初戦は五話。デュエルは普段の彼女の様子と同じく常に冷静沈着。風林火山等の厳しい発動条件のカードの使用に加え、数あるスキルの中から採用したのは初期設定の援軍、更にデッキはレンタルであると発言。実際に対戦した貴子に本気で戦っているとは微塵も思わせず、余裕の風格を崩さない。
舞台設定
秤護(びんご)高校
貴子や民人たちが通っている高等学校。
女子の制服はブレザー、胸元はジャボ(?)にのプリーツスカート。
男子の制服は、学ランの形状をしている。
定期的に「校内デュエル大会」なるイベントを開催する。昼休みなども生徒はデュエルを楽しんでいる。
カードショップ「ウェルクシュタット」
店長の真夜曰く「知る人ぞ知る名店」。限られた人間しか辿りつくことはできず、資格の無い者は永遠に辿りつくことができない迷店でもある。民人は引っ越してきてからはここで過ごしている。外見は廃ビルの一室にしか見えない。
他にも、紅色がバイトとして在所している。
カードショップだが支払いは現金のみで、カードによる決済はできない。午後二十時に閉店する。
各話リスト
第一話
遊戯王初心者の貴子が民人に話しかけ、デュエルを知ろうとしたところで執事の花澤が登場。無理やり帰宅されられそうになるが、民人が「自分が勝ったら貴子を自由にさせる」という条件でデュエルを開始。花澤との勝負に勝った民人は彼を退け、貴子と友達になり、初めての握手を交わしたところで第一話は終了する。
第二話
カードショップ「ウェルクシュタット」に行った貴子と民人は、お互いに同じ構成の「ビギナーズデッキ」を使ってバトル。貴子にとってはこれが初陣となる。ここで彼女のスキルが開花し、持ち前の記憶能力とデュエルセンスで初心者ながらも初勝利を収める。
しかし帰宅途中謎の人物の襲撃に遭い、「今日の出来事は間違いだ」といわれ、花澤と撫子は記憶を失ってしまう。しかし「イレギュラー」の貴子は全てを覚えていた。
この一件で彼女はこの世界の違和感に疑問を抱き始める。
第三話
秤護高校にて、民人が「弱小デュエリスト」と呼ばれていることを知った貴子は、自分に執拗に言い寄ってくる生徒を一掃し、彼の汚名を払拭するために「民人を倒せば付き合う」という条件を提示。その後民人は校内の実力者羽鳥とデュエルすることになるが、途中、彼の人格には異変が現れ始め、背後に再び謎の人物が顔を覗かせた。
第四話
今度こそ自分のデッキを作るために「ウェルクシュタット」に赴く貴子。そこで民人の保護者である店長の真夜に出会い、案内してもらう。
調整の為に真夜とデュエルをすることになったが、貴子のイレギュラーを察知した真夜は、デュエルを介してもう一人の貴子と接触を試みる。
第五話
秤護高校に転校してきた謎の少女、「星宮 雫」。彼女はその可愛らしい外見から転校初日で早くも大人気。一方で貴子を含むクラスメートは民人のスキルを聞き出そうと画策するが、さらっと躱されてしまう。そんな彼らの様子に雫は意味深な言葉を告げる。