概要
薩摩に広く伝わっている、大石兵六という若侍が活躍する『大石兵六物語』(江戸時代に毛利正直が執筆した戯曲『大石兵六夢物語』の原典)に登場する妖怪の一体。
人を驚かせたり化かして髪を剃ってしまうという化け狐を退治しようと、大石兵六という人物が牟礼の岡に向かったところ、予想だにしなかった様々な姿の化け物(ぬっぺっ坊、宇蛇、蓑姥尉/蓑姥上、三眼猿猴、ぬらりひょん、頬紅太郎、てれめんちっぺい等)が次々と現れたので、あまりの恐ろしさに逃げだすこととなった。
そして、兵六が逃げ帰る途中に早く夜が明けないか愚痴ると、それに答えて現れたのが「このつきとっこう(この月取っ食おう)」なのである。
姿は大きな二つの眼に尖ったクチバシ、左右に広がる翼を持つ化け物で、兵六はさらに肝を潰し逃げ帰ったとされる。
書物によっては「此月とつくわう」「此月とつくはう」などと表記されるが、この語は薩摩の方言でミミズクの鳴き声及びミミズクそのものを指す方言であるのだという。
創作での扱い
- 薩摩剣士隼人:ヤッセンボーが秘術により人々を恐怖させるために生み出した「幻魔妖怪ンダモ支丹」の一体として登場。とても大きな眼と白い立派な眉を持つ青いフクロウの姿をしている。
- ラグナドール:希少種「フリフリなこのつきとっこう」が登場。