概要
ずいきの語源は明らかでないが、髄茎が訛ったものではないかと言われる。東北地方では「からとり」(柄取り)、近畿地方では「とうのいも」(唐の芋)、鹿児島県では「といもがら」(里芋柄?)と呼ばれる。
一口にずいきと言っても、いろいろなタイプがある。
まず、赤ずいきと呼ばれるものは、ヤツガシラなど、芋を食用にする品種の茎が日に当たってアントシアニンなどの色素を放出したものである。これを軟白栽培したものは白ずいきと呼ばれる。
一方、サトイモの近縁種であるハスイモの茎は青ずいきと呼ばれる。ハスイモの芋は小さく硬いため食用にはならず、葉柄のみを青ずいき、沖縄での利用が多いことからリュウキュウの名称でも利用される。
灰汁を抜いて煮物、和え物、酢の物などにする。炭水化物、ミネラル、タンパク質、脂肪などを含む、安価な栄養食品とされ、家庭の惣菜に利用される。戦国時代の陣中食には乾燥した味噌玉と干したずいきである「芋がら」が持ち込まれた。これらを椀に入れてお湯を注げば、即席の味噌汁ができるという寸法である。近年、災害時の非常食として、干した芋茎の利用が模索されている。