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奇妙と尋常、あちらとこちら、あなたとわたし。

ふたつの距離は

想像よりもずっと近い。


概要

作者は綿貫芳子

代表作には「オリオリスープ(グルメ漫画)」「真夏のデルタ(学園もの)」の2作があり、本作は初めてのホラー漫画となる。

同作者の読み切り作である「まよひが異聞譚」と本作は直接の関係があるわけではないが、ある程度のパラレルワールド的な繋がりがあることが語られている(該当ツイート①/)。


本作の前日譚として読み切り作品「叢(くさむら)の市」を掲載。

これの大ヒットにより本作の連載と相成った。


2023年「WEB漫画総選挙」の候補作品にノミネートされた。


単行本は既刊1巻。


ストーリー

とあることがきっかけでこの世ならざるモノたちが視えるようになってしまった装丁家・片桐甚八(かたぎりじんぱち)。

名前で飯が食えるほどの日本画家・原田織座(はらだおりざ)もまたモノが視える人間であった。

鬼市(クイシ)での出来事がきっかけで「縁」が出来た2人は様々な怪奇に巻き込まれていくことになる。


キャラクター

片桐甚八(かたぎりじんぱち)

本作の主人公。大槻デザイン勤務。

職業は装丁家だが仕事の肥やしのために製本技術も独学で学んだ結果、イレギュラーとして製本の仕事も請け負うことがある。一人称は「俺」。

元々は極々普通の一般人だったのだが鬼市の最奥部で「取り引き」をしてしまったため、妖怪や幽霊などのこの世ならざるモノが視えるようになってしまった。

仕事以外に脳のリソースを割きたくない」という理由で仕事以外の衣食住が「決まった服しか着ない」「決まった銘柄のコーヒーしか飲まない」という判を押したようなルーチンで構成されているもののそれはそれで良い仕事をするため、知らない人間は面喰うことになる。

環境の変化に適応できず、アパートの取り壊しの際も引っ越しを面倒くさがっていた。

自分が御しきれないからか子供が大の苦手。

怪異に煙たがられる織座にとっては「誘蛾灯」のような役割を果たしている。

織座に文字通りの一目惚れをしており、何だかんだ言いながらも縁を深めていきたいと思っている。


原田織座(はらだおりざ)

高名な日本画家でまたの名を「オバケ先生」。美術大学の名誉教授でもある。あまり講義をせず、「真夜中の廃神社で酒盛りをしていた」「何十年も前の写真に同じ姿で写っている」といった変な噂が立っていることから先のあだ名をつけられた。

甚八曰く「生っ白くカゲロウのような風態で本人の方が幽霊か仙境のような存在」。一人称は「アタシ」。

画家としても「名前で飯が食えるほど」の著名の士であると同時に「まるで見てきたかのような」幽霊画を描くことからも一部の界隈で名を知られている。

また、「もう1つの顔」として怪奇絡みの品を蒐集する好事家としての顔も持っており、ネットオークションを通じて入手するなど「出会う」ためなら手段を選ばない。

甚八同様にモノが視える(が煙たがられている)人間で彼に手助けや警告をするなどして親身に接する。彼のことを「お前さん」「ハチ」と呼ぶ。

子供の時はやんちゃ盛りだったようで辺り一面のつつじを吸い尽くして枯らした伝説を持っている。

時折、甚八を利用するかのような言動をとることから織座の来訪は甚八曰く「良縁と悪縁が半々」。

人形屋曰く「取引を無視する力を持っている」とのこと。

結婚しているが妻には先立たれており、屋敷兼アトリエで暮らしている。


怪異

鬼市(クイシ)

「ここから先、お前さんは一言たりとも口をきいちゃならない

もし取引を持ちかけられてもそれこそ沈黙を通すんだ

特に奥懐にいるのに馴れ馴れしく語りかけてくる奴には…」

(第0話「叢の市」)

鬼及び人ならざるモノたちの露天市。

鬼市では「沈黙交易」と呼ばれる言葉を用いない貿易方法が成り立っており、人の暮らす「」と人ならざるモノの領域「」との境に中立的に存在している。

そこでは何かを差し出せば望むものが何でも手に入ると言われているが……

鬼市の入り口近く(此岸)では顔を面などで隠した人間がおり、表立ってでは得られない商品を手に入れることが出来、「彼岸」となる奥では概念に縛られないモノを買い求められるという(作者ツイート)。


笑い乙女

「あれはね、アタシの家内の写真じゃないんだよ

第一あの写真―――顔はないだろう?」

(第1話「怪異、好事家、誘蛾灯」)

顔の部分がタバコで押し潰された子供を抱いた女性の写真。

元々は別の所有者から更に別の所有者へと転々していた写真だったが織座が譲り受け、写真立てに入れて飾っている。

彼女を認識した人間に対して「無表情」か「笑顔」を向けてくる。

「無表情」は無関心、「笑顔」は……


隣人

「たった壁一枚向うに知らない人間がいるっていうのに

アタシらはそれを意識しない

互いにまるで異次元にでもいるみたいに」

(第2話「隣は何をする人ぞ」)

人と人の暮らしの間に住む者。人間の生活と地続きの存在。

でも選ぶことが出来ない「隣人」でもある。

作中では甚八に「引っ越すべきだ」と語りかけ、アパートから長屋へと引っ越させた(因みに甚八はアパート・長屋ともに真ん中の部屋に住んでいる)。


桃源郷

「強い強い憧れ

作者の手を離れた―――もうひとつの"桃源郷"だ」

(第3話「遥か遠き桃源郷」)

岸田葉脊(きしだようせい)作の文庫本。人気作らしく、様々な形態で出版されている。

そこには作者の手を離れた読者による「もう一つの桃源郷」が記されていた。

そして、甚八が持ち帰ってきたあるモノが織座の興味を引くことになる。


うまい店

「昔っからそういう店ってのはあるもんでさ、そういう所にはね

立ち寄ると大抵ロクな事にならないんだが…」

(第4話「食い道楽縁起譚」)

いつの間にか投函されているチラシで移動販売であること販売エリアしか記載されていない。

この店に辿り着くことができれば「うまいもの」を食べさせてくれると言われている……

逆に言うと「店」と縁の無い者は「店」を視認できてもあらゆる妨害で辿り着けないようにされる。


達磨

「いいかい。今アタシらの前にいるのはね

遊びに因果のあるモンだ」

(第5話「遠き山に日は落ちて」)

壁に「コロス」と書かれた小道で行われる「だるまさんが転んだ」。

「鬼」役は迫ってくる達磨から後ろを振り返らずに逃げなければいけない。

織座は「達磨は直進しか出来ないので横の道に折れれば遊びから抜け出せる」と推測するが…


子供

あいつが家に帰りたくねえ理由…

あんま考えたくねぇな」

(第5話「遠き山に日は落ちて」)

午後5時の不文律すらも無視して対象を遊びの世界に引きずり込む。

遊び相手として飛び出し坊やに似た子供を使役することができる。

直接の害は与えてこないが不文律を破らない限り永遠に遊びに付き合わされることに…


人形屋

「あたしは誰かの思惑に踊らされんのが

我慢ならないタチなんだよ」

(第5話「遠き山に日は落ちて」)

甚八とも「取引」をした鬼市最奥部の住人。

取引した際に得た半分の魂を使って甚八たちを欺いていた。

織座とは知り合いのようである。


ハッピー自販機

「その釣り銭が良くないもんなのか

自販機のほうに何かあるのか

本当にただのウワサ話なのか…」

(第6話)

とある商店街に置いてある古びた自販機。

そこで商品を買うとたまに高額の釣り銭が出てくる。

その釣り銭を持ち出すと本人に不運が訪れると言われている。

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