眉村卓によるSFジュブナイル小説。
概要
旺文社の『中一時代』で連載されていた光瀬龍の『夕映え作戦』が好評と知った学研が自社の『中学二年コース』での連載作品として福島正実を通じて眉村に依頼。当時はSF草創期で若手SF作家の眉村には仕事がなく、自由なSFがかけると聞いて引き受けたという。
ちなみに同年には『中学三年コース』で筒井康隆の『時をかける少女』の連載が始まっている。
読者が中学2年生であることから舞台は学校と要望を受け、自身の母校である阪南中学をモデルに執筆した。
当初タイトルは『白い旋風』としていたが文芸的すぎると編集部に却下され、半ば押し付けられる形で『なぞの転校生』となった。眉村は当時はあまりにもストレートなタイトルに肩を落としたが、後年に連載誌との兼ね合いを考えるとこのタイトルが正しかったと語っている。
ドラマ版
1975年11月17日から12月3日にかけてNHKの「少年ドラマシリーズ」でテレビドラマ化された。全9話。主演は高野浩幸、転校生役は星野利晴。
当初は星野が主人公・岩田広一役で高野が転校生・山沢典夫役だったが、演出の黛叶が「星野の方が転校生役に相応しい」と判断し役柄が入れ替わった。
NHKのマスターテープは上書きされて現存しておらず、長らく幻の作品となっていたが、家庭用VTRで全話が録画されていた。これがNHKアーカイブスに寄贈されたことでVHSおよびDVDでソフト化されている。
2014年1月11日から3月29日にはテレビ東京系列「ドラマ24」で再びテレビドラマ化。
広一役は中村蒼、典夫役は本郷奏多。両名に加え広一の幼馴染・香川みどり役の桜井美南を加えたトリプル主演となっている。
広一の父・亨役を1975年版で広一を演じた高野浩幸が演じた。高野は並行世界の広一も演じており、1975年版のオマージュも随所に見られる。
映画版
1998年12月26日公開。バンダイビジュアル制作、小中和哉監督。助監督として白石和彌が参加している。
主人公は香川みどり(新山千春)で、新たな転校生岩瀬真祐未(佐藤康恵)がキーパーソンとなる。