概要
テレビ朝日系列の水曜21時台に設けられている、東映制作の刑事ドラマ枠(水9)にて放送されたテレビドラマ(刑事ドラマ)、およびそのシリーズの一つ。1996年から2004年までに、計8シリーズ・全165話が制作・放送された。主演は柴田恭兵。
犯罪の多様化・広域化という、現代の犯罪事情に対応すべく新設された組織・警視庁刑事部広域特別捜査隊(通称・広域)所属の刑事たちの活躍を描く。
本シリーズが立ち上げられた背景の一つに、同じ水9にて毎年度の下半期に放送されていた『さすらい刑事旅情編』シリーズ(1988年 - 1995年)の終了が挙げられる。同シリーズの終了後、後継作ともいうべき『風の刑事・東京発』が、柴田恭兵を主演に迎えて制作されたものの、結果として同作を最後に警視庁鉄道警察隊を主軸に据えた刑事ドラマ路線に一区切りを打ち、新機軸のシリーズとして立ち上げられたのが『はみだし刑事』であった。
『さすらい刑事』シリーズ、それに年度の上半期に放送されていた『はぐれ刑事純情派』シリーズのような人情物路線を汲みつつも、昭和期の刑事ドラマに多く見られたアクションシーンも売りとして盛り込まれており、本シリーズとほぼ同時期にスタートした『踊る大捜査線』など、1990年代後半からの刑事ドラマの多くが「リアリティ」を重視する方向に舵を切る中にあって、これらとは一線を画する路線が志向された。
また、主人公の上司が自らの元妻であり、彼女が引き取っている娘の前で父親と名乗れないジレンマが物語を盛り上げたりと、毎回の事件とはまた別にシリーズを通して(そして時にシリーズを跨いで)、登場人物の家族などに絡む連続したサイドストーリーが描かれるのも特徴の一つである。
ANNネットワーク拡大運動終了後のテレビ朝日の飛躍・拡充・発展に貢献し、今日の下地を築いた番組の一つと言える。
PART1からPART6までは、『さすらい刑事』などと同様に毎年度の下半期(10月 - 翌年3月)に放送されていた2クールドラマであったが、放送期間中の2002年より、下半期に1クールドラマを2作充てるという放送サイクルへ移行したのに伴い、末期の2シリーズは1クールドラマ(PART7は2003年の1月 - 3月、最終章は2004年の4月 - 6月に放送)として制作された。
本シリーズ終了後、2002年より連続ドラマ化された『相棒』が、水9の年度下半期の定番シリーズとして定着した他、2005年7月クールには『刑事部屋〜六本木おかしな捜査班〜』が、こちらも柴田恭兵主演で制作されている。
関連タグ
関連作品
はぐれ刑事純情派 - 本シリーズと同時期に、水9にて交互に放送されていた刑事ドラマシリーズ
さすらい刑事旅情編 - 本シリーズ開始以前の、水9の定番シリーズの一つ
相棒 - 2002年度からの水9の放送サイクル変更に伴い、本シリーズや『はぐれ刑事』シリーズと並んでレギュラーシリーズに位置づけられた
ダイ・ハード - 本シリーズの制作に際し参考となったとされる米アクション映画。主人公夫婦が別居しているなどといった共通項を有する