概要
東方Projectのキャラクター八雲紫と八意永琳のカップリング作品につけられるタグである。
両キャラが関わりを持つ出演作品は『東方永夜抄』と『東方儚月抄』である。
特に『東方儚月抄』では小説版・漫画版両作品において二人は重要な位置づけにあり、かつそれぞれの方法で互いの懐を、直接の接触の無いまま探り合う濃密な展開ともなる。
小説版では『儚月抄』全体に通じる紫の意図に永琳がどう関連していたのかが語られる他、紫が永琳らをどのようにとらえているのかも描かれる。
漫画版では逆に永琳からみた紫が語られ、それらは最終的に、小説版における後日談へと収斂していくのである。
紫と永琳という地上と月の賢者たちの知略と思惑が一進一退の攻防を繰り広げるのもまた、『儚月抄』の姿の一つなのである。
後進を導く者たち
紫は『東方永夜抄』(あるいは『東方妖々夢』含め)以後、博麗霊夢にアドバイスや指導、修業の指揮など多方面でその知識と経験を以て助力している。彼女なりの思惑はあるにせよ、霊夢の人間的・能力的成長に寄与し、有事の際には支えともなるものである。
霊夢から見ても紫は(程度は不明ながら)信頼のおける相手のようであり、文句を言いつつも助言を受け入れたり紫の言葉を思い出して状況に対処したり、あるいは行動を変えるなど、折に触れて紫から伝えられたことを行動に生かしている。
また紫は八雲藍についても、(こちらも思惑はあるにせよ)式神という従属的立場にとらわれず「式神以上の何か」になることを期待するなど、その成長を願うような様子がみられる(『儚月抄』)。
一方永琳はまだ月にいた頃に綿月豊姫と綿月依姫ら綿月姉妹にその教えを注ぎ込んでおり、こちらも二人の成長に不可欠な支えとなっていた。
綿月姉妹の二人も永琳に全幅の信頼を寄せている。
永琳が蓬莱山輝夜とともに地上へと逃亡した後も、さらにはそれからかなり時間が経っている『儚月抄』の段階でも綿月姉妹からの永琳への信頼が揺らいでいないことから、その深さが見て取れる。永琳からの手紙に喜ぶ様子やその内容を信頼して伝えんとすることを理解しようとする二人の様子などからは、今の立場などを越えて永琳を想う様子が描かれている。
そして『儚月抄』では、永琳からかつて教えられた事と手紙からの指揮を最大限に生かし、月の都を守っている。
加えて永琳は今日では、鈴仙・優曇華院・イナバが永琳を「師匠」と呼ぶことを許し、その仕事を手伝わせている。彼女からもまた多大な信頼が寄せられている。
紫と永琳の両者は、豊富な知識と経験を未来ある者へと伝える「師」としての側面を持つと同時に、後進から信頼され、精神的な支柱(またはその一端)となっている存在でもある。また、紫と永琳はそんな後進たちを彼女たちなりに信頼し、折に触れて想いを傾けていることも共通しているのである。
「八雲」と「八意」
両者とも日本神話においてその文字を見ることができる。
「八雲」は、日本最初の和歌である、
「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を」(スサノオノミコト)
に登場して以降、神話や和歌、それを元とした地名・人名等において多数登場する。
「八意」は、古事記などに登場するヤゴコロオモイカネノカミにその始まりを見ることができる。
また、両者の姓に共通する「八」は、末広がりで縁起の良いものとして用いられる他、「八百万の神」のように大数または広域の広がりを表現する際にも用いられている。
深く広い知識と経験、想いを持つ紫と永琳の二人をよく表す姓であるといえるだろう。
Pixivにおける「ゆかえー」
Pixivにおける「ゆかえー」では、そんな二人のシリアスさを描いた作品と同時に、仲の良い友人同士のように描かれることも多い。
カップリングという性質の通りラブラブなものや二人の友情・愛情などが描かれることもある。
紫が永琳をからかうように迫ってみたり、永琳が紫にアプローチをかけてみたりとその方向も様々である。
地上の「妖怪の賢者」(稗田阿求評)と月の頭脳が深い絆で結ばれるなら、今はまだ「近くて遠い位置に存在する」(ZUN、『東方儚月抄』漫画版底巻コメント)地上と月も、二人を通して少しずつ交流できるようになるのかもしれない。
『儚月抄』4コマ版において綿月姉妹が折に触れて何かと永遠亭を訪ね来ていた様子のようなフランクな交流も夢ではないかもしれないのである。
カップリングの由来と現在
「ゆかえー」は、両者が最初に出会う『永夜抄』段階ではなく、『儚月抄』の発表以降増加したと思われるカップリングである。『東方儚月抄』小説版にて両者が直接語り合う場面があるので、カップリングが増加した経緯としてはその影響もあったものと思われる。
カップリング名における「ゆかえー」がどういった経緯で生まれたかは不明であるが、語感も良いので、今日でも二人が描かれた作品を表現し、作品同士をつなぐものとして用いられている。
また「ゆかえー」と同様の意味または「八意永琳 × 八雲紫」のニュアンスをこめて「えーゆか」のタグも用いられている他、派生タグとして「ゆかえーは難易度エロティック」がタグとして用いられている。
他のカップリングとしての用法
同じく「ゆかえー」として表現できるカップリングである、
「八雲紫 × 四季映姫・ヤマザナドゥ」のタグ(ゆかり × えーき)としての用法も少数ながらみられる。
こちらのカップリングを検索で求める場合は、カップリングメンバー二人のアンド検索か「ゆかえーき」をワードとして使用されたい。
またタグ付けの際は「紫 × 映姫」の場合「ゆかえーき」がより機能しているのでタグの連動による各作品間のアクセス性向上の観点から、そちらが推奨される。
関連イラスト
関連ダグ
綿月豊姫 綿月依姫 綿月姉妹 鈴仙・優曇華院・イナバ 蓬莱山輝夜