概要
罪人たちのリーダーで、全ての元凶の悪魔。
目的のために仲間を犠牲にする非情さを持ち合わせているが、時にはお茶目な面も覗かせるなど紳士的な雰囲気も持っている。
55年前に魔界(パンデモニウム)で成人の儀式を受けた際に「世界の真理」を知ったことがきっかけで、魔界から離反した。魔界の中枢ユニットとなった女性・リリスを母親に持つ双子が、兄アイオーンと弟クロノである。
今では銀髪、褐色肌だが、生まれたばかりの頃は髪色、肌の色がクロノと同じで、成人の儀でクロノと正反対の今の姿になった。
クロノの双子という設定ではあるが、悪魔は長寿で外見年齢の操作ができるため、実年齢と外見年齢は不明(一応、青年クロノと同じぐらいに見える)。
人間に擬態している時のみ眼鏡をかけている(対照的なクロノ以外に、ケイト、ユアン、エルダーにも見た目を似せ、ロゼットの精神世界に彼が絡んでいく描写を分かりやすくしているのかもしれない?)。
クロノの尖角(ホーン)を折った超本人だが、魔界に離反した際に自分の尖角(ホーン)も折っているため、魔界から生気、魔力を補充することはできない。
フィオレが産み出す魔石(ジュエル、ユヴェール)の力で何度も再生し、時(魂)の力で動くクロノに対して、金(宝石)の力で動くアイオーンという構図になっている(晶喚石以外の手から生み出す魔石に宿っているのは人間の魂である。時計=ウォッチと魔女=ウィッチを掛けているのかもしれない。なお、この漫画よりも登場は先)。
原作ではクロノの爪(素手)に対して魔石(ユヴェール)を嵌め込んだ剣で戦っているが、アニメでは、クロノの時間停止(凍結)の能力と対照的な、時間進行(腐敗)の能力も持っている。
マグダレーナは爪で貫いて殺害した(クロノとマグダレーナの契約に使われたのも爪)。
余談
原作漫画とアニメでは役割が異なり、ネタバレをぼかすと、原作はSF偏重、アニメはファンタジー偏重である。
原作とアニメで一部役割が重なる部分もあり、その要素とは主に男女の関係であり、アニメは原作漫画の終了間近の時期に制作されたため、その描写がより詳しくなった。
原作においてもレギュラーの恋愛の障害を作っているのは主に彼であり、恋愛関係で女主人公のロゼットに嫉妬心を抱き嫌がらせをし、ロゼットに反感を持たれた敵女はアイオーンに片想いしているリゼールだけであり、マグダラ修道会サイドには憎まれ役の男性キャラは一切存在せず、男性キャラでアイオーンだけがクロノからロゼットを奪ってロゼットを悪堕ちさせようとしている設定は共通している。
原作では、アイオーンがロゼットの肉体をリリスに代わる中枢代行制御体(コアブレインエミュレーター)に変えて、世界のシステムを再構築しようとする行動が、ロゼットを「主人公」として死滅させようとしていたか、「ヒロイン」として悪魔の母親にしようとしていたかで解釈が分かれ、アニメ版のロゼットの黒聖女化は後者に近い解釈である。
後者だった場合、悪魔が人間を純粋な悪魔に変えるシステムや、悪魔(?)と人間の間に生まれた子孫たちが地球上に存在していることになり、レギオン100%を移植された人間は普通は死滅するが、強い意志で完全な悪魔になることは稀にあるらしい。
マグダラ修道会のエルダーの科学技術と、魔界のシェーダの科学技術が同一のものなのか、異なるものなのかも興味深い。
原作は終了間近まで、レミントン牧師、ヨシュア、公爵デュフォーなどが真の黒幕だと思わせるミスリードの描写が多かった(レミントン牧師は序盤で悪者ではない当て馬役としての役割を終え、ヨシュアはフロレットと同じ「取り戻す家族」の位置付けになっていき、公爵デュフォーは真のラスボスと思わせてそうではない役という捻られた役として登場している)。