概要
アイシェアイア(学名:Aysheaia、アイシュアイア、アユシェアイアとも)は、古生代カンブリア紀に生息していた葉足動物の種類(属)の一つである。
現時点ではカナダのバージェス動物群に属する一種「Aysheaia pedunculata」だけ知られている。かつては2つ目の種があると考えられたが、それが後からラディオドンタ類スタンレイカリスの触手の見間違いであると判明した。
具体的な類縁関係は不明確。原始的な葉足動物・クマムシに近い・節足動物に近いなどの説があるが、どれも証拠が少なくて不確実である。
形態
体長1cmから6cm、寸胴な蠕虫に丈夫な脚が生えているような姿の葉足動物である。全身がばねのようにリング状の筋に分かれている。胴体は太い円筒状で、後半だけ少し細い。背面にはたくさんのイボが生えている。
頭部は胴部と連続した形で、口吻を正面に、1対の華奢な触手(前部付属肢)を左右に持つ。目はなかったと考えられる。10対の脚(葉足)のうち前の9対は胴部の両腹面に、最後の1対はお尻に生えて(尻尾はない)、全ての足元に7本の短い爪が並んでいる。また、吻・触手・脚(第1脚以外)はいずれも細い突起がある。
生態
海底で暮らす捕食者であったと考えられる。体を守るための棘や甲皮を持たず、化石もよく海綿と共に発見されるため、海綿を餌にするか、他の捕食者に狙われないように海綿に宿っていたと考えられる。
関連タグ
ハルキゲニア:本属と並び最初に見つかった葉足動物として知られる。