概要
基本的には島北部の英国領北アイルランド地域産も含まれるが、島の大部分を占めるアイルランド(共和国)産のものを強調して用いられる場合が多い。
英国スコットランド地方と共に現在のウイスキーの発祥の地とされており、一説では12世紀には製造されていたともいわれている。
伝統としては大麦麦芽を原材料としたモルトウイスキーが主流であるが、今日では小麦やトウモロコシなどその他の穀物を使用したグレーンウイスキーと配合した、ブレンデッドウイスキーも多い。
基本的に泥炭を使って麦芽を乾燥し2回の蒸留を行うスコッチウイスキーと異なり、これを使用せず蒸留を3回行う事から、個性的なスモーキーな香りはなく口当たりがやわらかいものが多い。
またトウモロコシを主原材料とし使用する樽材によって甘みが増すアメリカ合衆国のバーボンウイスキーなどと比較して、すっきりとした味わいであるとされている。
近代以降は島の大飢饉やアイルランド共和国の完全独立までに至る間の経済的打撃、スコッチやバーボンの国際商業上の台頭などにより、20世紀半ばには蒸留所の数も片手で数えられるほどに衰退。
しかし1980年代頃より地元の業界人らの努力によって産業の復興と国際的な再ブランド化が達成される。
近年は主要メーカーが欧米や日本などの大企業の傘下となりながらも蒸留所の再稼働や新設がされており、同島を訪れる海外観光客にとっても見学スポットとして人気が高い。
主な銘柄
(アイルランド共和国)
ミドルトン蒸留所
ジェムソン タラモア・デュー ミドルトン
レッドブレスト パワーズ
クーリー蒸留所
カネマラ
キルベガン蒸留所
キルベガン ロックス
(英領北アイルランド)
ブッシュミルズ蒸留所
ブッシュミルズ