アイレベル
あいれべる
別の言い方をすれば、「基準面(地面や床など)に対して平行で、絵や写真などを見ている人の目と同じ高さにある水平面」ともみなせる。
また、目線の高さくらいにある物体のことを指す用語として使われることもある。
もともとは「人が地面や床などの基準となる面に立っているときの目の高さ」を意味する用語であり、おおよそ基準面から150~180cmの高さを表した。
現在は意味が拡張されて、シンプルに「見ている人の目の高さ」の意味で用いられる(立っているか座っているかなどは問題としない)ことも多い。この意味で捉えると、たとえば、高い塔の上に立ってあたりを眺めている状態と、地面に掘った穴に入っていて目線がほとんど地面と一致している場合とでは、アイレベルの高さが異なってくる。
同様に写真撮影では、高い位置に登ったり床や地面に伏せたりして撮影することもあるが、このとき視線の高さの変化に応じてアイレベルも変化すると見做すことがある。
アイレベルは、絵や写真の中の人物・物体と、閲覧者との高低差を表す。
すなわち、アイレベルの高さを変えることによって、被写体と閲覧者とが同じ目線になることもあれば、相手がこちらを見下ろしているようにもまたこちらを見上げているようにも見せることが可能になる。
風景を眺めるとき、多くの場合、地平線や水平線は閲覧者のいる高さにかかわらずアイレベルと一致する。
そこで、絵や写真の中で地平線や水平線をアイレベルと同じ高さに持ってくることで、バランスの取れた安定感のある絵や写真を作成することができる。逆にこれらをわざとアイレベルから外すことで動きのある画面を演出することもできる。
アイレベルは、絵や写真だけではなく、インテリアなどの空間構成にも利用できる。
たとえば、居間・飲食店・図書館など人が座って利用することが多い空間では、座っているときの目の高さをアイレベルとして窓や装飾や電灯などを配置することで落ち着きのある魅力的な空間を演出できる。