概要
学名はDasyatis akajeiで、この学名は和名が由来。英語圏ではスティングレイと呼ばれている。
背面が赤褐色で腹面は白く、鰭や尾など辺縁部が橙色。体長は1mほどだが尾を含めると2m近い。口は腹面に開き底生生物を捕食するが、特にアサリを好み、万力のような歯で殻ごと粉砕する。
毒棘
尾に毒のトゲがあり、刺されると激痛に襲われる。数週間も痛みが続いたり、アレルギー体質の人はアナフィラキシーショックにより死亡することもある。「クロコダイル・ハンター」の異名で有名なオーストラリアの環境保護活動家スティーブ・アーウィンも、ドキュメンタリー番組の収録でこのエイに胸を刺されたことで亡くなっている。2016年にも、シンガポールの水族館で飼育員が刺されて亡くなっている。
このとげにはのこぎり状の細かいギザギザがあり、一度刺さると抜きづらい上に無理に抜こうとするとかえって傷口を広げる危険がある。生体が死んでも毒は消えないため、死体を扱う際にも尾には注意が必要。尾をムチのように払って刺そうとするので充分注意が必要。ただし触ったりしない限りは自分から人を刺すことはない。
刺されたらまず毒を絞り、患部を水または湯で洗い流した後、早急に病院で治療を受ける必要がある。
この毒は同じアカエイ同士には効果が無いようで、仲間のとげが刺さったまま泳いでいることもある。
人との関わり
この毒トゲのため釣り人からは倦厭され、漁業価値も高くないが、ガンギエイ共々利用頻度は高く、刺身、湯引き、煮付け、煮こごりなどに利用される。ヒレの軟骨を干物にしたり、魚肉練り製品の原料にも使われる。身は脂肪が少なく繊維質が強く、エイの中で最も美味といわれる。
水族館でも飼育され、とげが発達していない稚魚はふれあい体験コーナーで触ることが出来たりする(とげは万が一のこともあるので抜いてある)
自然でも人に慣れた個体がダイバーにモフられたりすることもあるが、それでもある程度の距離は置こう。
アカエイの仲間
アカエイ属
- アカエイ(メイン画像)
- ヤッコエイ
- カラスエイ
- ホシエイ
- ウシエイ
オトメエイ属
- オグロオトメエイ
- ヒョウモンオトメエイ
ツカエイ属
- ツカエイ
マダラエイ属
関連項目
赤えい…この種の説話から生まれた妖怪