密かに蠢く蟲達。
その羽音が静かに忍び寄る。
概要
漫画『遊☆戯☆王』および『遊戯王シリーズ』のカード。地属性・昆虫族の最上級効果モンスター。
インセクター羽蛾の切り札として名高く、主人公の仲間をピンチに追い込んだ場面が印象的。必殺技は「クイーンズ・ヘル・ブレス」。
現実のカードゲームでは欠陥の目立つカードとして悪名高い。公式も試行錯誤していたであろう初期の頃のカード化とはいえ、この点は当時から不満だった決闘者も多かったことだろう。
2017年11月には《究極変異態・インセクト女王》というリメイクカードが登場。こちらも本項で解説する。
カード性能
カードテキスト
(1):このカードの攻撃力は、フィールドの昆虫族モンスターの数×200アップする。
(2):このカードの攻撃宣言の際に、自分は自分フィールドの他のモンスター1体をリリースしなければならない。
(3):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズに発動する。自分フィールドに「インセクトモンスタートークン」(昆虫族・地・星1・攻/守100)1体を攻撃表示で特殊召喚する。
解説
最上級にしては攻撃力が上級(星5・6)モンスターに負けてしまうほど低い。自身の効果で攻撃力は2400以上になるが、デメリット効果のせいで使いづらい。
今では上級通常モンスターの《フロストザウルス》にやられてしまう。
昆虫族の数だけ攻撃力が上昇するが、攻撃時に自軍モンスターを1体リリースしなければならない。このせいでプラマイ0となってしまう。
トークン生成についてもエンドフェイズに発動という遅さ、さらにスペックが完全にザコモンスターで活用しづらい。
原作・アニメでの活躍
バトルシティの予選にて、城之内克也とのデュエルで召喚された。羽蛾が元々持っていたモンスターに加えて、相手モンスターを強制的に昆虫族へ変更する《寄生虫パラサイド》によってパワーアップを果たす。自身の生み出すトークンはもちろん、羽蛾は他にもトークンを大量展開するカードを入れていた。
両方のフィールドから這い出てくる昆虫族と、トークンを組み合わせることで攻撃力を際限なく上昇させ、城之内を追い詰めた。
しかし、反則コンボの盲点《鉄の騎士ギア・フリード》を倒せず、最終的に罠カード《墓荒らし》で自分の墓地に置かれていた魔法カード《殺虫剤》で破壊された。
羽蛾「女王様ぁぁぁぁ!(絶叫)」
このデュエルのアンティルールで渋々城之内に手渡されたものの、汎用性の高い人造人間サイコ・ショッカーと比べると、アニメオリジナルのデュエルを含めても、出番はほぼない。
ドーマ編では羽蛾の切り札として再登場、心がボロボロだった闇遊戯を追い詰めたが結局破壊されている。KCグランプリ編では1ターン目で召喚され、返しのターンで破壊された。
余談ではあるがこのカードが生み出すトークンは、原作のみ「インセクト・ラーバ」という攻撃力1200・守備力0のモンスターとなっている。アニメやOCGでのトークンを昆虫の卵とするなら、さしずめ孵った幼虫といったところ。
余談
- 遊戯王OCG初の「モンスタートークンを特殊召喚する」効果を持つカードである。
- OCGではこのカードはリリース(当時は生け贄)を攻撃宣言時に必要とするカードであり、アニメ版もこの形式が採用されたが、その際の描写は、指定したモンスターをクイーンが捕食するというショッキングなものだった。クイーンへの生贄という事だろう。
- 獏良了はバトルシティ編で、城之内がこのカードと共にアンティで入手した人造人間サイコ・ショッカーを欲しがっていた。遠回しに悪趣味と言いたかったのだろうか(彼のデッキコンセプトでは、そういったモンスターが多い為)。
- 遊戯王で「昆虫+女性の王族」だと他には《インセクト・プリンセス》がある。
- この手の怪物系キャラクターは、フィギュアなど立体での商品化とは縁遠いものだが、「MONSTERS CHRONICLE」で商品化を果たす。
究極変異態・インセクト女王
カードテキスト
特殊召喚・効果モンスター
星7/地属性/昆虫族/攻2800/守2400
このカードは通常召喚できず、カードの効果でのみ特殊召喚できる。
(1):フィールドに他の昆虫族モンスターが存在する場合、自分フィールドの昆虫族モンスターは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(2):このカードが攻撃したダメージステップ終了時、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。このカードは相手モンスターに続けて攻撃できる。
(3):自分・相手のエンドフェイズに発動できる。自分フィールドに「インセクトモンスタートークン」(昆虫族・地・星1・攻/守100)1体を特殊召喚する。
解説
インセクト女王の不遇のカード化から十数年後、レジェンドデュエリスト達の愛用テーマのカード化、そしてリメイクの波に乗る形で登場。
他のカードを使わないと特殊召喚できないが、自分の昆虫族モンスターを守り、連続攻撃も仕掛けられるのは強力。ひ弱なトークンの生成も発動条件が軽くなり、相手エンドフェイズにも発動する点で使い勝手が向上している。インセクター羽蛾のキャラクターデッキでは基本的にこちらを優先した方がいいだろう。
闇雲に出しても3000打点で簡単に突破されてしまうので、《B・F-毒針のニードル》で相手の強化を無効にしたり、《ゴキポール》+《G・ボールパーク》のコンボによる除去で堅牢さを高めたい。
関連タグ
地属性(遊戯王) 昆虫族 効果モンスター 完全態・グレート・インセクト