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オキューリア

おきゅーりあ

スクウェア・エニックスのRPG作品『ファイナルファンタジー12』に登場した架空の種族。イヴァリース世界の造物主とされる。

解説編集

イヴァリースにおいて、人類が栄える前の古代から伝えられる「神の時代」と呼ばれる文明を築き上げてきた種族で、「神」を自称する不滅の存在。

イヴァリースという世界の土台を創り上げた者たちであり、魔石(クリスタル)や『異形者』、神竜ヤズマットを始めとするドラゴン、各地で見かける精霊といった存在も彼らの創造物である。その姿は基本的に不可視であり、彼らが許した者にしか見ることができない。

ゲーム中、ハントカタログ等の説明文において時折登場する「神」とは彼らのこと。


その絶大な権能は魔力の源である『ミスト』を自在に吸収・放出し、魔法を無効化することができる『破魔石』によるもの。

破魔石は握り拳大の物でも一国の国土を丸ごと廃墟と焦土に変えてしまう凄まじい力を持つが、それでも破魔石のエネルギー源である『天陽の繭』から切り出されたほんの僅かな欠片に過ぎず、オキューリアのいる伝説の古代都市ギルヴェガンの最奥には世界を滅ぼすことができるほどの超巨大破魔石が安置されている。


イヴァリースの全生物を支配していたが、ある時を境に突然姿を消し、FF12の時代ではギルヴェガンから行ける別次元にひきこもって人類世界を監視している状態にあり、その存在を知る者は殆どいない。

具体的な目的は不明だが、亜人種も含めて人間を愚かで卑小な存在として扱いつつ、人類の社会や文明が想定外の方向に発展しそうになると、その度に自分たちが見込んだ人物を「神の代行者」として破魔石を与えるという形で間接的に介入したり、天変地異を引き起こして文明をリセットするなどして歴史を裏から操りイヴァリースの秩序を維持してきた。


FF12における様々な事象の発端とも言える存在であり、FF12のシナリオが他のFFシリーズ作品と異なり、単なる勧善懲悪では割り切れないややこしい…もとい、複雑な物語になっている最大の要因。


物語の主軸となっているアルケイディア帝国のイヴァリース全土への侵攻も、元々はオキューリアの一人である異端者ヴェーネスが人間に興味を持ったことから人類の歴史をオキューリアが操ることに反感を抱き、同じく「歴史を人類の手に取り戻す」という思想を持っていたヴェイン・カルダス・ソリドールシドルファス・デム・ブナンザを同志として、彼らにオキューリアの存在と『人造破魔石』のノウハウをもたらしたことが発端である。

これを脅威に感じたオキューリアのリーダー・ゲルン王は、帝国に対抗しようとするアーシェ一行を見込んで試練を課し、それを乗り越えてきた彼女たちに天陽の繭から破魔石を切り出すための『契約の剣』を与えて、帝国ごとヴェーネス達を粛清・滅亡させることを目論む(劇中、たびたびアーシェが死んだ夫・ラスラ王子の幻影を見ているが、これは彼女の帝国に対する復讐心を煽るためにオキューリアが見せていたもの)。


最終的にヴェーネスらはアーシェ一行に敗れるが、破魔石の源であった天陽の繭もゲルン王の意に反したアーシェとレダスによって『契約者の剣』で破壊されて喪われるという両者痛み分けのような形で決着、帝国とダルマスカの間で和平が結ばれてイヴァリースに広がりつつあった戦禍は収まり、破魔石の歴史もまた幕を下ろすことになった。

だが、天陽の繭の喪失によってオキューリアの影響力が従来よりも弱まったとはいえ、ヴェーネスという協力者がいなくなってしまったことで、結果として人間が人類史の主導権をオキューリアから完全に奪取する千載一遇のチャンスも同時に潰えてしまった(ちなみに制作スタッフ曰く、「アーシェ達がヴェインを倒してしまったのは、後世の歴史から見ると非常にマズい事だった」とのこと)。


そしてFF12より後の時代、「何者か」が引き起こした「伝説の大崩壊」と呼ばれる大災害によって魔法文明と飛空艇技術は喪われ、イヴァリースの文明は中世レベルにまで衰退することになる。


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