黒いドレスに身を包みストリクスヘイヴン魔術学園で教授として教鞭をとる妙齢の女性・・・
・・・というか、カードのサブタイプでおもっくそネタバレしている通り、黒のプレインズウォーカーの一人リリアナ・ヴェスその人である。
後述の通り、ストリクスヘイヴン本編での事件の解決後は本名を名乗っているが、便宜上本項目ではギデオンの自己犠牲に触れて心境が変化して以降第二の人生を送っている彼女の言動はこの項目にまとめさせていただく。
概要
ストリクスヘイヴン本編までの行動
灯争大戦が、反ボーラス陣営の勝利で終結した後、ボーラスに加担した悪のプレインズウォーカーとして追われる身であったリリアナであったが、追跡してきたケイヤとの話し合いの結果「”鎖のヴェール”を手放しドミナリアでリリアナを騙って悪事を働いていた偽物の遺体を火葬する」という合意に達し、その後の両者が取り決めたプロセスにも従ったのでケイヤはリリアナの追跡を止めた。今まで彼女の分身ともいえる”鎖のヴェール”を手放したということはジェイスやチャンドラにもリリアナが死んだと思わせるには充分であった。
当の彼女はというと自分を犠牲にしてリリアナに掛けられていた契約を無効化し反撃するチャンスを与えたギデオンに贖罪の念を抱いており、彼を復活-かつての兄のようなリッチではなく生者として―させる方法を模索しており、その一環として、セラフィナ・オニキスと名を変え、様々な魔術の知識を秘蔵するストリクスヘイヴンに身を寄せてそこで教授として暮すこととなったのであった。
ストリクスヘイヴン
そうして時には過去の記憶に苛まれながらもウィザーブルーム大学で教鞭をとっていたリリアナであるが、ある日彼女はオーリクというこの次元の魔法使いから異端扱いされているものの襲撃を受けてそれを撃退する。
そこから危機感を抱いたリリアナは学部中枢に警告するが、オーリクは世間的には落ちこぼれ扱いされており教授たちは真面目に取り合わない。
そこで「ギデオンの生き様を見習うべきでは」という思いが芽生えてきていたリリアナは生徒の中で見どころのありそうなものに警告を与えともに対処するという方法で事態の打開に動く。そしてたまたまローアン・ケンリスとウィル・ケンリスが姉妹喧嘩していた場面を抑えた彼女は自室に彼らを連れてきて「喧嘩をしているとこの次元のテロリストに利することになる。そしてもし学園の中枢がそれを認識していなかったらどうする?」と警告を与える。
それによりオーリクが学園を脅かす存在と認識した姉弟はそれに対抗するために研究する。そしてクライマックスでオーリクがリリアナの危惧通り襲撃してきた際は、彼らの首領であるルーリク・サーの『血の化身という怪異を呼び出して次元全体に破壊をもたらす』というたくらみを察知して姉弟を伴い儀式の場所に急行。彼女自身は首領の転移魔法を受け退場させられてしまうが、残された二人が”メイジタワーの要領で血の化身のコントロールを奪い逆に首領にけしかける”という奇策を思いつき二人力を合わせてそれを実行して形勢が逆転。化身は予想外の事態に狼狽する首領を潰して退散させられ(その際にウィルは片足を喪う)、テロそのものも次元の重鎮のドラゴン五体が迎撃に出たため鎮圧に成功。
騒動が済んだ後学園中枢部は自分たちの不手際をリリアナに詫び、学園防衛に貢献した功績の褒賞として学園で無期限で教鞭をとってくれないかという提案をする。リリアナは「自分がリリアナ・ウェスと名乗る」という条件を付けて承諾。
結局、ギデオンを復活させる方法は見つからなかったが、ギデオンによって助けられた自分が動くことで別の次元の危機を防ぐことができたことは彼女に安堵を与えるのであった。
団結のドミナリア
オーリクの鎮圧の成功後、リリアナは自分をそそのかす存在”鴉の男”の妨害に悩まされていた。
挑発に乗る形でドミナリアに帰還した彼女が目にしたのは、彼女にとっても古の邪悪な存在であるファイレクシアが、鴉の男の正体で元我が家の近くの沼に埋もれている指輪に自身の存在を込めたリム・ドゥールの力を手に入れようとしている場面であった。
復活したファイレクシアの危険ぶりを目の当たりにしたリリアナは、古の屍術師の力を彼らに渡すのはまずいと察知し、リムの「自分の新たな器になれ」というささやきを受け流しながら彼らを撃退し、指輪を沼の更なる奥深くに沈めたのであった。
リム・ドゥールはいつかリリアナをわがものにしようとする野望は捨てていない。だが、今のリリアナには自分に新しい生き方を示したギデオンと新しいよりどころであるアルケヴィオスがある。
機械戦争
エリシュ・ノーンの野望と祖Rを阻止しようとしたプレインズウォーカーの攻勢が大失敗したことによりついに新ファイレクシアは全次元の完成を目指して侵略を始める。その次元の中には当然アルケヴィオスもあった。
敵の攻勢により数多の教授や学部長が完成化し残されたものに牙をむく中、リリアナは屍術を駆使して防衛しつつ五名の生徒にストリクスヘイヴンの切り札である秘術『創始ドラゴンの召致』の探索を指示。
五名は探し出した後ストリクスヘイヴン中を見渡せる高所で、彼らはかつて始祖ドラゴンたちがそうしたようにそれぞれ花びらを掴むと召致を唱えはじめた。途中で完成化した学部長ナサーリの妨害を受けて五名のうちの一人ルーサが負傷し頓挫しかけるが、それをクイントリウス・カンドが自分の赤白パートとルーサの赤青パート両方をフォローするという荒業を成し遂げどうにか儀式は完了。周囲を吹き飛ばす光の渦の中で領内のファイレクシアは吹き飛ばされ、クイントは光の渦の中に消えた。
儀式完了後、救護班を連れて現場に到着したリリアナは、大けがを負いながらも偉業を成し遂げた5名のうちクイントを除く四名を発見し彼らをいたわる。そして、彼らの中では比較的状態に余裕があったダイナからクイントが儀式の完了直後に光の渦に飲まれ消えてしまったことを知らされる。
自身に思い当たる節があったリリアナは知り合いのカズミナとの会話と合わせて『クイントは死亡したのではなくプレインズウォーカーに覚醒して難を逃れた』という推測を立てるのであった。(その後クイントの生還は公式から公表され、イクサランの洞窟で主役級のキャラとして登場する。)
外見や性格
これまでの妖艶さ全開だったリリアナとは異なり、髪の毛を綺麗にシニヨンにまとめドレスもシックなスタイルに落ち着いているなど喪服を纏った淑女という外見となっている。
また、ギデオンの死後に考え方が変わったのか、これまでの自分が主導権を握っていないと気に入らないという雰囲気を隠そうとしない高慢さは鳴りを潜め、創始ドラゴンであるベレドロス・ウィザーブルームに丁重に教えを請い助言を素直に受け入れるなど、落ち着いた立ち振る舞いをしている。
カード性能
オニキス教授
マナコスト | (4)(黒)(黒) |
---|---|
カードタイプ | 伝説のプレインズウォーカー — リリアナ |
初期忠誠度 | 5 |
能力 | 魔技 ― あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるかコピーするたび、各対戦相手はそれぞれ2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。 |
[+1]:あなたは1点のライフを失う。あなたのライブラリーの一番上からカード3枚を見る。そのうち1枚をあなたの手札に、残りをあなたの墓地に置く。 | |
[-3]:各対戦相手はそれぞれ、自分がコントロールしているクリーチャーの中で最大のパワーを持つクリーチャー1体を生け贄に捧げる。 | |
[-8]:各対戦相手はそれぞれカード1枚を捨ててもよい。そうしなかったなら、そのプレイヤーは3点のライフを失う。この手順をさらに6回繰り返す。 |
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』にて神話レアで収録。また同セットにはイラスト違いの枠無し特殊イラスト版も存在する。
マナ・コストが重いものの手札の補充に強制生け贄で除去耐性が効かないクリーチャー除去、さらに『ストリクスヘイヴン:魔法学院』固有のキーワード能力「魔技」の効果でライフドレインも可能で、コントロール系デッキでは居座れたら優秀なフィニッシャーとなる。しかし戦局や戦場に干渉できるのは連発しづらい[-3]能力のみで、単独で自身を守りにくく、ただ適当に使っても勝てないカードでもある。