オルゴン
おるごん
「どいつもこいつも馬鹿にしおって!皆殺しだ‼」
CV/斧アツシ
近代における“紅世の徒”最大級の組織『仮装舞踏会』の巡回士を務める“紅世の王”の1人。真名は千征令”(せんせいれい)。炎の色は“錆びた青銅のような緑青色”。
参謀ベルペオルの直属の部下を務めており、複雑にして大規模な自在法を使いこなす自在士であり、フレイムヘイズの拠点となっている外界宿を単独で壊滅させる程の実力者。
また、虐殺・殲滅戦を得意とする将帥としても優れており、この事から自他共に認める『戦争屋』として恐れられていた。
性格はおそろしく傲慢にして尊大。プライドが高く、自身が侮辱される事を何よりも嫌い戦って敵を倒すことにしか興味を示さない。その為に戦いを避けるという観点には疎く、それゆえに後に墓穴を掘る事となった。
また、気配や声音が非常に陰鬱で、「聞いているだけで鬱になる」と表現され、彼が出現しただけで周辺の景色が不穏に歪むほどである。
羽飾りのついた帽子、マント、(状況によっては)手袋だけが浮いている姿をしている。簡単にいうと、透明人間が上半身だけが服を着た状態。
その理由は自らの“存在の力”を削り込めた薄く鋭い紙の軍勢『レギオン』という名の自在法に大半の力を注いでいる為で、上記の姿は相手を惹きつける“司令塔”としての目印にして、壊刃サブラクの身体同様、意識総体を宿した人形にしか過ぎない。
とはいえ、意志総体の在る人形=本体の消滅はやはり死に繋がる。
しかし、彼が自在法『レギオン』を発動すると状況は一変する。
オルゴンが繰る自在法で、彼自身の“存在の力”を削り込めた薄く鋭い紙の軍勢。
上記にある通りオルゴン自身の本質の大部分が込められているため、この『レギオン』の軍勢全体がオルゴン自身という厄介な代物であり、この自在法を発動した後のオルゴンを討滅するには軍勢全てを討滅しなくてはならないという厄介な性質を持つ。
また、軍勢を操る司令塔たる意識総体を宿した服を着た透明人間の上半身のような姿の人形が一応の本体にして弱点ではあるものの、意識総体諸共完全に消滅させられない限りはたとえ本体を破壊しても軍勢が残っていればいくらでも再構築されるため、“天目一個”のように完全な不意打ちで自在法発動前のオルゴンを強力な一撃の下で討滅できなければ倒すことはほぼ不可能という非常に恐ろしいものである。
さらに『レギオン』の軍勢の一枚一枚は、その見た目とは裏腹に非常に高い攻撃力を持っており、新参のフレイムヘイズでは殆ど太刀打ちできない。更に熟練の手だれでも、上記の性質により(たいていはそれすら気づかずに)軍勢を全て討滅する前に疲弊してしまい数で押し切られた所を撲滅されてしまう。
その事から、「多勢に無勢」を体現した“徒”と称されおり、フレイムヘイズたちから恐れたれた所以でもある。
その他、『レギオン』は応用性が高い自在法で敵の牽制や誘導といった戦略的手段にも使用されていた有効な手札であった。
しかしその反面、特性上広範囲を殲滅する自在法にめっぽう弱いという弱点が存在するため、作中においてはその極めつけの威力を誇る自在法『虹天剣』の使い手であるメリヒムに遭遇してしまったこと自体が彼の悲運を物語っているともいえる。
ちなみにその性質上、先代『炎髪灼眼の討ち手』であるマティルダ・サントメールの自在法『騎士団』と非常に似ているが、そもそも2つの構成理念からして異なっているため、ヴィルヘルミナ・カルメルが『レギオン』に対し不満を持ち「薄っぺらな猿真似」と酷評していたが、その事自体が単なる言いがかりに過ぎない。
ここまで強大な力を持ち、チートクラスの力を持った“強大な王”なのだが、作中ではベオペオルに酔狂するウィネが『炎髪灼眼の討ち手』の後継者を亡き者にして手柄を取るために『天道宮』に潜入する為の囮にされる。
その際に偶然その場へとやって来ていた“天目一個”に唐突に瀕死の重傷を負わされた挙句に無視される。
怒り任せに『天道宮』まで乗り込んでくるが、そこで出くわした『万条の仕手』のリボンにいいように翻弄された挙句、さらに(彼にとっては)如実にやって来た天敵ともいえる最悪の相性の自在法の使い手であるメリヒムに遭遇し、『虹天剣』で一瞬で討滅されてしまったことからファンの間では雑魚扱いにされてしまっているという悲劇の強大な“紅世の王”出会った…。
彼の敗因はただ一つ“運が悪かった”ただそれだけである…。