概要
熱帯アフリカ地域のタンザニアを中心に分布しており、ケニアでの採集も記録されている。
学名は「Mecynorhina oberthueri」で、オオツノカナブン属に分類される。小種名のoberthueriは学者の名前に由来する。
体長は大型個体で70mm程度となり、クビワオオツノカナブンに次ぎ大きくなる。
全体の外観はクビワオオツノカナブンと類似しており、色彩の違い以外では区別がつかないように見えるが、頭部両脇の突起は前方に突出し、頭角の突起は大型個体でも発現せず、前脚脛節の形状も僅かに異なっている。
前胸は後述する亜種により色彩が異なり、黒部分の面積が広くなる型、白の紋様が太く出る型、白地で中央に黒線が2本入る型の3種類がある。
上翅の色は黄色と橙、柄は単色のベタ(f.unicolor)と黒地に斑模様のサザナミ(f.decora)で4つの組み合わせとなり、それぞれレモンベタ、レモンサザナミ、オレンジベタ、オレンジサザナミに分けられる。また、ベタの一部や全体が黒化したり、サザナミが一部消失したりなどの変異型の個体が出ることもある。黄色や橙、白い紋様にも色合いや濃淡の変化が現れる。
黄色の色彩は野外個体の標本からは確認されなかったとの報告があるため、累代による劣勢遺伝で発現するものと思われる。(野外個体が流通していないため、真偽は不明。)
亜種
原名亜種(ssp.oberthueri)
前胸の黒い部分の面積が広くなる。上翅の色彩変異については、下記の亜種キルクネリとの差は見られない。
亜種キルクネリ(ssp.kirchneri)
前胸の白い紋様が太くなる型と、白地で中心に黒線が2本入る型の2種類の色彩変異がある。