概要
タンザニア、コンゴ民主共和国、カメルーンなどの熱帯アフリカ地域を中心に分布している大型のカナブン(又はハナムグリ)のグループ。
メキノリナ属(Mecynorhina)とも呼ばれる。
属名の通りいずれの種も大型かつ性的二形が顕著で、オスは長い頭角と脛節の棘が発達した長い前足を持つ。メスは日本のカナブンをそのまま大きくしたような外見になる。
体表はビロード状で、鮮やかな体色に加えて白や黄色の紋様や斑点が入り、種によってはかなり毒々しい印象を受ける。実際には毒を持っていないため、猿や鳥などの天敵に対する警戒色と思われる。
種や大きさに関わらず、突然激しく動き出し飛翔行動をとることがある。特に体長が80mm近辺になる大型個体は、ヘラクレスオオカブトなどの大型カブトムシよりも「落ち着きの無さ」という点で扱いにくい場合がある。
主な種
クビワオオツノカナブン(M torquata)
トルクアータオオツノカナブンとも呼ばれている。
頭角は1本で、根本はひし形状に広がる。
体色は緑地に白い紋様を基本とするが、亜種によっては赤、青、橙、黒、無紋などの豊富な色彩変異を持つ。
本属最大種で、体長は最大で90mmに達し、ゴライアスオオツノハナムグリの種群に次ぐ大きさとなる。
オーベルチュールオオツノカナブン(M oberthueri)
タンザニアに生息している。
体長は最大で74mmとなる。
全体の形状はクビワオオツノカナブンに類似するが、頭角や前脚にわずかな違いがある。
体色は前胸に白の紋様が入り、上翅は黄色や橙一色か、黒地に黄色や橙の斑模様が入る。
ポリフェムスオオツノカナブン(M polyphemus)
体長は最大で72mmとなる。
頭部の中央に先端が二股に分かれた長い角が1本、両脇から小さい頭角が2本の計3本の頭角を持つ。
体色は緑から橙の色彩変異があり、白い紋様や斑点が入る。
ミイロオオツノカナブン(M savagei)
コートジボワール、ガーナ、コンゴ、カメルーンなどに生息する。
サバゲオオツノカナブンとも呼ばれる。
体長は最大で65mmとなる。
頭角の形状や生え方はポリフェムスオオツノカナブンと似るが、あまり長くは伸びない。
体色は前胸が暗い緑に黄色い縦線が5本入る。上翅は黒地に黄色い縦線が6本入り、途中から斑点状に変わる。
クラッツオオツノカナブン(M kraatzi)
体長は最大で70mmとなる。
頭角は長く先端が二股に分かれており、暗い赤が入る。
体色は黒で、前胸の周囲と中央に薄黄色の縦線が入り、上翅は薄黄色の縦線が6本入る。