概要
コガネムシ科ハナムグリ亜科ゴライアスオオツノハナムグリ属(Goliathus)に属する昆虫の総称。及びそのうちの1種。
世界最大のハナムグリとして知られる。
熱帯アフリカを中心に5種(一説には6種)が分布しており、現地においてはカブトムシやクワガタムシを抑えて最大の甲虫でもある。
アフリカでは甲虫は本種を始めとしたハナムグリやカナブンが大きく繁栄している。
巨人を意味するゴライアスの名に違わぬ巨体の持ち主で、体長は100mmを超え体重に至っては一説によれば100gを超えるとも言われている。
大型ゾウカブトですら50〜60g程であることを考えると、とてつもない密度を誇る甲虫と言える。
全種に共通して体表はビロード状で、前胸背板に黒い縦の縞模様が入っている。
雄は二叉に分かれた頭角を有し、太く長い脚には鋭い爪を持つ。
雌は日本のカナブンをそのまま大きくしたような形をしており、雄よりも脚は細いがその代わり棘が多い。
幼虫は後述の生体から脚に爪が生えている他、頭部に単眼を持つ。
『小学館の図鑑NEO』では本種の幼虫の写真が掲載されている。
成虫は昼間の気温の高い時間帯に活動し、樹液や腐った果実、花を食す。
幼虫は肉食性が強く、動物の死骸や他の昆虫を餌に育つとされる。
大型のカブト、クワガタにも引けを取らない体格を誇るものの、前述の花を食す点が植物防疫法に引っかかり、日本への輸入は禁止されている。
しかし特定外来生物では無いため生体の所持や飼育、売買に罰則が無く、結果として過去に密輸された個体の子孫が生体として流通してしまっている。
また、現地人や税関が別のハナムグリと勘違いして仕入れてしまうことが多々あることも生体流通の原因となっている。
種としてのゴライアスオオツノハナムグリ
学名は「Goliathus goliathus」。
最大110mm。
ゴライアスゴリアテスという名義で流通している。
通常の個体の上翅は赤褐色だが、個体差が激しく白い模様が入る型(form.consperus)や白い部分が多い型(form.albatus)、ほぼ真っ白で上翅の四隅のみ褐色になる型(form.quadrimaculatus)が存在する。
雑誌『ビー・クワ49号』では本種の採集記が掲載されており、自然界での姿が載せられている。
他のゴライアスオオツノハナムグリ属の種
シラフオオツノハナムグリ(G orientalis)
最大108mm。ゴライアスオリエンタリスとも呼ばれる。
上翅に白い斑点状の紋を持つ。
プレイシーオオツノハナムグリ(G preissi)
ゴライアスプレイシーとも。
シラフに似るが紋が縦長の形状をしている。シラフの亜種にされることもある。
レギウスオオツノハナムグリ(G regius)
最大115mmに達する本属最大種。ゴライアスレギウスとも呼ばれる。
羽の模様は外側が黒、内側が白のツートンカラー。
後述するカタモンオオツノハナムグリとはアトラスオオツノハナムグリなる交雑種が生まれることが確認されている。
カタモンオオツノハナムグリ(G casicus)
最大98mm。ゴライアスカシクスとも。
他種と違い頭部〜前胸背板がオレンジ色になり、上翅は四隅を残して白くなる。
大型個体の頭角は左右に大きく開くのも特徴。
サザナミオオツノハナムグリ(G albosignatus)
アフリカ東南部に分布。最大71mmと本属の中では小型。
名前の通り上翅にさざ波のような模様を持つ。
シンジュオオツノハナムグリ(G kolbei)
タンザニアに分布。シンジュオオツノハナムグリ属(Argyrophegges)に分けられる説もあるが本属最小種で最大50mmにも満たない。ゴライアスコルベイとも呼ばれる。
和名通り上翅がパールホワイトをしている。
本属中では例外的に輸入が許可されているため唯一合法で飼育可能な種。
他のアフリカ産ハナムグリと比較すると幼虫はややデリケート。
メディアにおける扱い
天装戦隊ゴセイジャー
ゴライアスオオツノハナムグリをモチーフにした衛星のターゲイトが登場する。
新甲虫王者ムシキング
2016ファーストより参戦。レアリティはSSRで属性はパー。
パーのお助けでありながら発動する手はグーの上に、攻撃力アップの効果付きと非常に優秀な性能を誇る。
加えて体力の強化幅も大きく、同期のテイオウゼミと共に対戦環境に大きな影響を及ぼした。
収録される度に能力値が激変したテイオウゼミとは異なり、こちらは再録時においてもあまり能力値が変わらなかったのもあり性能の割に相場は控えめ。
どうぶつの森シリーズ
恐らく、最も名を広く知らしめたメディア関係。10文字以内に収める関係で、「ゴライアスハナムグリ」の名義で登場している。
おいでよ〜以降より登場。6月〜9月のヤシの木に登場する。
ヤシの木に集まるムシの中では最も安価なためハズレ扱いされがち…なのだが、その売却額は6000ベル。
これに匹敵する生物はプラチナコガネ(6000ベル)やイシダイ(5000ベル)といずれもレアなものばかりであり、決して安価ではない。
それでもヤシの木のムシは8000ベル、もしくは12000ベルと、前述通りゴライアスよりも高額なものばかりであり、捕獲した際のコメントになぞらえて「う〜ん、ゴライアス!」などとネタにされてしまっている。
一方でポケットキャンプにおいては現時点では価格こそホソアカクワガタに劣るものの2番目に高価なムシであり、最も出現率の低いムシとなっている。
そのため敬遠されがちな他シリーズとは対照的に、需要が高くなっている。
正統なシリーズ作の「あつまれ〜」においては8000ベルへと値上がりした他、カブトムシやノコギリクワガタなど通常の木に出現する虫も軒並みヤシの木に出現するようになったことでユーザーからは大きく歓迎されるようになった。
なお冒頭に述べた10文字制限が撤回されたことで、名前も正式和名の「ゴライアスオオツノハナムグリ」へと変更されている。