演:リカルド・モンタルバン
概要
『宇宙大作戦』第1シーズンのエピソード「宇宙の帝王」に登場した人物。
20世紀後半に遺伝子操作を受けて誕生した優性人類で、アジアの大国を支配していた独裁者。やがて世界征服の野望を抱いた彼は「優性戦争」と呼ばれる第三次世界大戦を引き起こすも敗北。冬眠宇宙船ボタニー・ベイに乗って地球を脱出した。
上記の通り非道な独裁者として知られる一方、自ら仕掛けた戦争はなく、虐殺を行うこともなかったとも評されており、後世の人間の中には優れた指導者として支持する者もいた。チェコフも密かに彼を尊敬していたと語っている。
しかし、実際のカーンは「帝王」と呼ぶに相応しい傲慢かつ高圧的な性格の持ち主で、遺伝子操作を受けていない人類を見下している。一方でその野心に見合う知性や超人的な身体能力、人々を惹き付けるカリスマ性を持ち合わせている。
単発エピソードのゲストキャラでありながら劇場版のメインヴィランに抜擢されたことからも分かる通り、アメリカ本国では悪役として高い人気・知名度を誇る。
作中での活躍
地球脱出から300年後の2266年、ボタニー・ベイがエンタープライズ号に回収されたことでコールドスリープ状態から目を覚ます。救出された彼は優れた知性でエンタープライズ号の構造を把握し、その奪取を画策。自らを崇拝する歴史学者マーラ・マクガイヴァー少尉を利用して陰謀を進めるも、カーク船長らの抵抗とマクガイヴァーの翻意により敗北。無人惑星セティ・アルファV号星へと追放される。しかし、このとき利用していたつもりだったマクガイヴァーに愛情を抱き始めており、敗北したとはいえ野心から解放された穏やかな生活が始まるかに思われた。
しかし、劇場版第2作『カーンの逆襲』で再登場。追放後にセティ・アルファV号星は天変地異に巻き込まれて壊滅しており、多くの部下やマクガイヴァーが死亡してしまった。これをカークの仕業だと思い込んだカーンはミランダ級宇宙艦U.S.S.リライアント号を奪取。リライアント号クルーの脳内に特殊な虫を埋め込むことで洗脳して操り、テラフォーミング装置「ジェネシス」を兵器転用することでカークへの復讐を目論む。最終決戦では優れた指揮能力でリライアント号を操艦してエンタープライズ号を追い詰めたものの、カークの策に嵌り敗北。悪あがきとしてジェネシスの発動にエンタープライズ号を巻き込もうと目論むも、スポックの自己犠牲によって脱出され、リライアント号と共に爆死した。
人気キャラクター故、パラレルワールドにあたる新劇場版シリーズ(Alternate Original Series)にも登場するのではないかと噂されていたのだが……?