概要
ゲーム『アイドルマスターシンデレラガールズ』、及びそれを元に作られたアニメ『アイドルマスターシンデレラガールズ』に登場するヒロイン・島村卯月の口癖である「がんばります!」に対するネタの1つ。
主に2chやまとめ系サイトのコメントなどで多用される事から、この表現を侮蔑と捉えるファンも多く、公の場では使われる事はない。
しかし、必ずしも馬鹿にした表現ではなく、一切ブレずに目標に向かって邁進する姿勢に対するある種の畏敬も含まれる。
思っていることを口に出せず、結局は「がんばります」としか表現できない卯月自身のもどかしさや内面性を端的に現した表現でもある。
表記については、特定の元ネタによらない経緯で誕生した言葉故か「頑張りますロボ」や「ガンバリマシーン(ガンバリマスマシーン)」など表記揺れも数多く存在する。
解説
始まり
ゲームに登場した当初、卯月のセリフの内容は一人前のアイドルになりたいといった意欲、自分の調子、そして「頑張ります!」という意気込みが大半であり、プライベートや自分の事といった、仕事に関係しない「素」の言動が殆ど見られなかった。そのため「公式からの情報ではキャラクターが掴めない」という奇妙な状況が続き、無個性だとか普通だとかいうレッテルを貼られてしまう。
やがて、その無個性をも通り越したあまりのつかみどころの無さから「謎の女」「人間の振りしたロボット」というあだ名を付けられるようになり、そこから発展して「実は何も考えてはおらず、条件反射的に定型文を返してるだけではないのか?」と言う疑惑が持ち上がった事から評されたのがこの「ガンバリマスロボ」である。
その後はゲーム中だけでなく、様々な媒体でキャラクターが肉付けされていったため、「無個性」を揶揄する意味で語られることはほとんどなくなった。
ただし、アニメが放送開始されてから23話までは、自分の弱みを全く見せないことを人間味のなさと捉える視聴者が存在し、その意味で「ロボ」と表現することがあった。
アニメ版
2015年に放映されたアニメ版でもこの「がんばります!」という意気込みを入れる癖は健在であり、プロデューサーや仲間たちに話し掛けられる毎に、ほぼ必ずと言っていいほど最後に「島村卯月、がんばります!」と言って締めていたため、同じようにガンバリマスロボと呼ばれるようになる。
当初はアイドルデビューできた喜びとアイドル活動の楽しさから「頑張ります!」の意気込みも輝いていた。他のメンバーや武内Pが自分の将来を模索し、悩んでいる中、卯月だけは一切迷わず頑張り続け、その姿勢がシンデレラプロジェクト全体を牽引するほどでもあった。
しかし、物語を重ねていくうちに事態が変化していく。
そう…島村卯月のガンバリマスロボ化である。
シンデレラプロジェクトの仲間たち、なにより同じニュージェネレーションズのメンバーの未央と凛の2人がそれぞれが今後を考えて未央は舞台の仕事へ、凛がトライアドプリムスへと進んでいったことで、一人置いていかれる形となった卯月は自らのアイドルとしての魅力やアイデンティティに悩み始める。
そして秋の定例会ライブにはニュージェネレーションズは不参加となり、未央と共に裏方に回る。舞台で一歩一歩踏み出そうとする未央とは対照的に、ニュージェネレーションズという行き場をなくし道しるべのないまま前に進もうとする卯月の表情はどこか冴えなかった。
22話の秋LIVEを終えた後の打ち上げでも、うわごとのように卯月は「ガンバリマス」と唱えていた。
卯月のガンバリマスロボ化は着実に進んでゆく……
15話で美城常務によるプロジェクト解体に対して、未央に「どう思う?」と聞かれた際と全く同じだったのである。
そして後日行われた撮影収録の仕事中、遂に卯月の中で何かが弾けた。以前から視聴者が危惧し続けてきた「魔法が解ける日」が来たのである。
収録では終始硬い表情を浮かべており、収録後スタッフに謝るそぶりを見せたプロデューサーの姿に精神が限界を迎えてしまい、プロデューサーの呼びかけに対してもただただ「頑張ります」としか返答できなかった卯月。そこに笑顔は無かった。
卯月が事務所を後にした瞬間、時計の針は12時、シンデレラの魔法が解ける時間を示していた。
もうこの時点ですでにガンバリマスロボと化していたのである。
その後、彼女なりに自分を見つめ、基礎から鍛え直すために養成所へと戻り仕事を休むことに。
だが、美穂との仕事の代わりにはかな子が入り、かな子がいなくなった【とときら学園】のリポーターは智絵里と蘭子がこなすなどシンデレラプロジェクトの各人が島村卯月の脱落分を補うべく奮闘する中で、卯月は一人養成所でひたすらに同じステップを練習し続けていた。
最初は笑顔だったものの、次第にその笑顔は失われていくのだった。
この島村卯月の抜けたことによって起こったシンデレラプロジェクトの損失に美城常務は島村卯月の除名を考え始めるのだった。
…害となる者を【除名】するという選択肢もシンデレラプロジェクトのためなのだ。
23話・「笑うなんて誰でもできるもん」
凛や未央が心配して連絡した際にも、ひたすらに「ガンバリマス」「大丈夫です」を繰り返し、仕舞いには未央が会いに行こうとした際にはそれを断ろうとするなど、その様子から未央と凛は卯月の異変に気付く。
状況を打開するために、プロデューサーはニュージェネレーションズでのクリスマスライブを企画し卯月の参加を打診するが、「今のままでは凛と未央に迷惑をかける」と彼女自身は参加に乗り気ではなかった。
卯月を何とかするために、凛と未央はプロデューサーの協力を得て養成所へと押しかける。そこで卯月は「アイドルになるのが早かった」「お城の舞踏会なんてまだ」と二人に言い、その心が舞踏会不参加の方向へと傾きつつあったことが発覚。卯月はいつもの「頑張ります」でその場を切り抜けようとしたが、その態度に業を煮やした凛によって、二人の始まりの公園へと連れ出される。
そこで卯月は、初めて自分自身が抱えていた悩みと不安を吐露。
シンデレラプロジェクトのメンバーのような個性、特に最も身近なニュージェネレーションズの仲間である凛の「歌唱力」、未央の「演技力」と並べるようなものが無かったことへの強い劣等感とコンプレックス、迫る冬の舞踏会に向けて見つけなければいけない自分の中の「キラキラするもの」が見つからないことへの恐怖と絶望を涙ながらに告白した。
「プロデューサーさんは、私の良いところは『笑顔』だ、って…。だけど、だけど……」
「『笑顔』なんて、『笑う』なんて、誰でも出来るもん…!」
「何にもない…、私には何にも……!」
ゲーム始動から数年、漫画を除く公式媒体で初めて卯月がむき出しの感情を爆発させた瞬間だった。
24話・「お姫様に憧れる。普通の女の子」
24話のクリスマスライブにて、笑顔になれないままである卯月だったが、観客席のシンデレラプロジェクトのメンバーと美穂の応援を受け、この言葉と共に再び自分らしさを取り戻し、歌い出した。
「島村卯月……、頑張りますっ!」
「私らしさってなんだろう?」
「お姫様にあこがれる」
「普通の女の子」
「信じよう」
「キラキラできるって」
「笑っていよう!!」
最後には泣きながらも最高の笑顔をとりもどした。
25話(最終回)
アイドルとして1年が経過した春ピンクチェックスクールとして活動もしており、その新CD発売記念のイベントにて司会より「アイドル活動において、大切にされている事は?」聞かれた卯月は
「私、キラキラしたいなって…。」「今でも、その気持ちは大切なんです!」と答えるのであった。
スタッフの認識
卯月役を務める大橋彩香は卯月を演じる際、「卯月の言う「頑張ります!」という言葉は決して嘘や逃げではないものの、彼女はそこで自分でも気づかないうちに心にシャッターをかけている」というディレクションを受けたことを語っている。先述した「実は何も考えてはおらず、条件反射的に定型文を返してるだけではないのか」という指摘は案外的外れでは無かったのである。
スターライトステージ
スターライトステージのリリース当初から存在する1コマ劇場の「島村卯月① がんばりすぎ?」では、未央の「がんばりすぎ」「少しは休もう?」という指摘に対し「がんばらないようがんばりますね!」というアニメ版の顛末を考えるとまったく笑えない迷言を返している。
ちなみにスターライトステージのサービス開始は9月3日、卯月の爆弾が顕在化しだしたアニメ20話と21話の間のことである。
Pixivでの扱い
「ガンバリマスロボ」の表記は2013年初頭頃から見られるが、話題になり始めたのはアニメの放送が開始された2015年以降である。
当初は、このように卯月をロボ化したイラストが少数投稿されているのみだったが、現在は22話で見せた固まった表情のイラストが過半数となっている。
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笑うなんて誰でもできるもん…アニメのネタバレを含みます。注意。