概要
型式番号:AMX-008M。
ガ・ゾウムの水中用のバリエーション機。
U.C.0091年の火星において、レジオンの氷河地下秘密基地にて建造されているインレの奪還作戦に投入される。同作戦は火星に落ち延びたティターンズ残党と火星独立ジオン軍(ジオンマーズ)の合同作戦であり、インレを操縦可能なティターンズの強化人間を氷河地下基地に送り込むために投入される事になる。
当時の火星戦線では、レジオンの運用する「インレの翼」(ガンダムTR-6[ウーンドウォート]ファイバーⅡ形態にグラン・ユニットを装着したもの)や攻撃衛星「エレノアサテライト」によってジオンマーズは制宙権と制空権を奪われており、製造中であった宇宙用の機体はそのまま死蔵された状態であった。
同作戦が実行に移されるにあたり、モビルポッドをベースとするガザ系機体の優れた気密性が注目され、これを水中用に改修した本機が急遽投入されることとなる。
水中用MSとしては、MA形態が水中での高速移動形態として有効活用されていることが特筆すべき点である。
頭胸部や股間、バインダーの推進器などをガザMと共有し、腕部をフレキシブル・ベロウズ・リム構造のクローアームに換装した結果、マッシブなシルエットになった。
一方で脚部は元のガ・ゾウムの物が殆どそのまま用いられているが、ハイゴッグのようなフィンがソール部に増設されている点、MA形態の脚部展開機構をMS形態でも展開状態で維持している点が原型機と異なる。
これら改修により外観の印象が水陸両用MSに近づき、一見してガザ系機体であるとは判りづらい様相を呈している。また、猛牛コルトの専用機は頭部パーツをカプールの流用品からズゴックを模したものに変更されている。
しかし、本機はゲリラ活動下で急造されたMSであったため、気密性に問題を抱えており、更に水中で変形や格闘戦を行った際のフレーム強度の問題から、本来であれば一出撃ごとのメンテナンスが必要であった。しかしインレ強奪ないしは破壊という作戦目的の性格上、長時間の戦闘や遠距離砲撃などは考慮されておらず、敵防衛網の強行突破と基地強襲という特攻兵器的な使用が前提となっていたため、一度の出撃で使い捨てる形での投入となった。
武装
アイアン・ネイル
両腕部に4本ずつ装備されているヒートクロー。
ビーム砲
掌部に装備されているビーム砲。
サブロック・ミサイル・ランチャー
両肩部に装備されているザク・マリナーと同系統のミサイルランチャー。
ミサイルポッド
両肩のウェポンポッドに装備されているミサイルポッド。原型機であるガ・ゾウムのものと同じ。
ハンド・ミサイルユニット
両腕にはめ込む形で装備される追加兵装。ハイゴッグのものと同じ。