概要
産まれは2014年で、キセキやウインブライト、リスグラシューなどと同じ17世代にあたる一頭。
しかし、キセキノテイオーは7歳になってからデビューしたため、同世代の馬と走ったことはない。
また日本の競走馬には珍しい7月生まれの馬でもある。
戦績
デビュー前
2014年7月3日生まれ。
母であるキセキノサイクロンは、幼いころに台風で流されるも無傷で、地方の旭川競馬で活躍するも未勝利のまま繁殖入りした馬。
キセキノサイクロンには、これまで乗用馬のアングロアラブ生産用としてアラブ種の種牡馬が付けられていたが、この時のみ、同じサラブレッドであるトウカイテイオーが付けられていた。
その結果産まれたのが、キセキノテイオーである。
乗馬から競走馬へ
こうして生まれたキセキノテイオーだが、体格から競走馬としてデビューすることは出来ず、生まれ故郷でもある新冠町の乗馬施設「遊馬ランドグラスホッパー」で乗用馬となることになった。
このままいけば、キセキノテイオーは一生乗馬のまま生涯を終えることだったであろう。
しかし、2020年秋に開催された乗馬の長距離耐久レースで上位入着。このことにより、遊馬ランドグラスホッパー側はこう考えた。「もしかしたら、キセキノテイオーは競走馬になれるのではないか?」と。
また、キセキノテイオーはトウカイテイオーのラストクロップ(最後の産駒)の一頭であり、そのトウカイテイオーの(父系=牡の産駒の)血が途切れる寸前(母系=牝の産駒の系譜は多くもないが、そこまで危機的ではなく、子孫は一定数いる)であったことも、本馬の競走馬デビューの一員となった。
こうして、キセキノテイオーは競走馬から種牡馬となり、シンボリルドルフからトウカイテイオーまで受け継がれてきた血を残すという使命を帯びることとなった。
しかし、中央はもちろん、地方でさえ7歳という高齢でのデビューができる場所は少なく、唯一それが可能だったホッカイドウ競馬の門別競馬場からのデビューが決定。
クラウドファンディングで資金を集めたのち、同競馬場に厩舎を構える岡島玉一調教師に預けられた。
デビュー
競走馬人生の第一歩を踏み出したキセキノテイオー。彼の前に待ち受けていたのは、競走馬デビューに必要な能力試験の受験だった。
1回目は残念ながら不合格だったものの、2回目で見事合格。
これにより、門別競馬場で2021年に競走馬デビューを果たす。
7歳という古馬の域に入った高齢でのデビューだったことや、トウカイテイオー最後の産駒という点で話題を呼んだ。
また、当時は父であるトウカイテイオーも擬人化されて登場するメディアミックスプロジェクト「ウマ娘プリティーダービー」も大ヒットしており、そこからキセキノテイオーを知った者も多い。同作のBlu-rayには、特典映像として、細江純子がキセキノテイオーを訪ねるロケが収録されている。
※なおキセキノテイオーより高齢でデビューした競走馬は13歳でデビューしたマーチャンダイズがいる。マーチャンダイズもまたキセキノテイオーと同じ門別所属であった。
その後
2023年7月21日付けで地方競馬登録が抹消。
その前から大阪で乗馬として戻り、再度活躍している。