キャドボロサウルス
きゃどぼろさうるす
カナダのバンクーバー島の沖合を中心に、北東太平洋から北極圏に生息しているのではないかと推測されるUMAで、体長は5~60m、細長い胴体に背中にコブあるいはコイル状の突起物(突起の正体は背びれの可能性もある)、尾鰭は2つに分かれているとされる。
なによりも最大の特徴はその頭部で、ラクダや馬、キリン、あるいは鹿といった陸生の哺乳類形状をしている。
また巨体の割に臆病な性格で、時速40kmの速さで逃げ去ってしまうという。
そんなキャドボロサウルスと思われるものが、1937年にアラスカ州に近いナデン港に運ばれたメスのマッコウクジラの胃から半分消化された状態で見つかり、こいつが何なのかを調べるために船便で郵送されたがなぜか紛失したという。
かろうじて写真は残っているが、それだけではなんとも言えないのが惜しまれる(肋骨がなくなったアザラシ、もしくは腐敗したヒゲクジラの胎児の死骸とも言われているため)。
捕獲例?
1968年、太平洋上で操業中の漁船が、体長40~70cm程のキャドボロサウルスの幼体を捕獲したと大騒ぎになった。
発見されたキャドボロサウルスらしき生命体のスケッチが残されており、顔はウマヅラだが頬袋のない口、ライオンとウマの中間のようなたてがみ、突起のあるワニのような鎧状の鱗、イルカのような体型だが黄色い毛に覆われた体と、既知のいろいろな生物をキメラにしたような姿だったらしい。
しかもサイトによっては、90年代にも「捕獲した」と主張する人がいたと記述するものもあり、複数人がキャドボロサウルスを捕獲した可能性もある(ただし90年代の方はほぼ情報がない)。
にもかかわらずキャドボロサウルスの標本がないのはなぜだろうか。特に有名な68年の事例についてはその後の顛末も知られているが、なんとキャドボロサウルスの目を見た漁師が憐れみを覚え、そのまま海に帰してしまったのだという。
キャドボロサウルスにどんな能力があるかは不明だが、これが事実なら哺乳類程度の知能があるのかもしれない。
近年の動向
1992年にキャドボロサウルスに関する論文が発表され、そこで正式に「キャドボロサウルス・ウィルシー」という学名が付いている。学名をもらったUMAは極めて珍しく、他にネッシー(学名ネッシテラス・ロンボプテリクス)ぐらいだったりする。未知の存在のまま、論文に記載された上で学名をもらった点で、この2種類は特筆すべきだろう。
最近では、2009年にもアラスカ沖のベーリング海で目撃され、映像はディスカバリーチャンネルで放送されたという。