概要
主にガソリンを燃料とするエンジンで使用される。
日本語で「気化器」と呼ばれる。
役割は、エンジンが吸い込む空気に燃料を混ぜ合わせる事と、燃料と空気の量をコントロールしてエンジンの出力を調整することである。
同様の装置には、動力を使用して燃料の噴射を行うインジェクター(燃料噴射装置、インジェクション)があるが、キャブレターは燃料の気化を「エンジンが空気を吸い込む力」だけで行っているのが特徴。
電力や電子制御技術を必要としない原始的な機構であり、昔は自動車・バイクを始めエンジン全般に使用されてきた。しかし、
- 高度よる気圧変化や気温といった環境の変化に弱い
- エンジンの状態に合わせたリニアな制御が難しく気化が均一におこなわれないため排気ガスに有害物質が含まれやすい
- 細かいメンテナンスが必要
- 運転の仕方次第で「カブる」などの症状が起きる
- (LPG自動車の場合)定期的にタール抜きが必要
など欠点が多く、技術の進歩や環境規制の強化と共に電子制御式のインジェクションに置き換えられていった。
国内においては2002年頃に自動車が、2017年頃にバイクがそれぞれインジェクションへの移行を達成しており、現在純正で装着している車種は競技用バイクを除けば無い。
ただし、現状でもキャブレターで環境規制を達成可能である農業用の小型エンジンや、キャブレター指定のモータースポーツなどでは未だに現役である。
またマニアからはチューニングしやすいことや、独特の味があるとしてキャブレターの旧車は人気が根強い。環境規制で消えたが人気があるという点は2ストロークと同じである。