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インジェクション

いんじぇくしょん

注射や射出成型を示す言葉でもあるが、一般には予混合燃焼機関の燃料噴射装置を指す言葉。
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概要編集

単語の意味そのものでは注射("injection")を意味する言葉で、射出成型やセキュリティ攻撃の一つ(SQLインジェクションなど)といった語も該当するが、一般にはガソリンエンジンなど予混合燃焼機関の燃料噴射装置を指す言葉となっている。

ディーゼルエンジンの場合、燃料噴射装置それもガソリンエンジンよりもはるかに高圧で噴射する噴射装置がなければエンジンとして成り立たないため本稿では割愛する。

おおまかな歴史編集

時は第二次大戦時にまでさかのぼり、キャブレターではその原理上、気圧温度重力による影響を受けやすく、また重力が逆にかかる背面飛行時などでは燃料の供給が止まってしまうこともあったため、機械式のものが開発・採用されていた。

自動車では1950年代~1970年代の電子制御が発達する前のまだキャブレターが主流だった時代に一部車種や吸気抵抗となる要素()を嫌う競技用車両などで機械式のものが採用されていた。

後に電子制御の発達や排ガス規制によりキャブレターや機械式インジェクションでは対応できなくなってきたため、吸気管内に直接適切な量を噴射・混合できる電子制御式インジェクションが登場・普及し、現在に至っている。また、これにより出力や始動性の向上、燃費の改善も図ることができるようになった。軽飛行機などのレシプロエンジン駆動の民生機では、電子装置の信頼性の観点から普及は1990年代と遅かったもののやはりこちらも現在では電子制御式インジェクションとなっている。


補足編集

・・・キャブレターの場合、その原理上吸入経路が途中で狭くなるためそこが吸気抵抗のある要素となる

インジェクタのおおまかな仕組み編集

電子燃料噴射方式のものでは、燃料パイプ内のガソリンがフューエルポンプにより常に加圧してありインジェクタ内の弁を電磁石で引き開けた瞬間にインジェクタ内をガソリンが流れ、ノズルから噴射されるようになっている。

また、ピエゾ素子の圧電効果による変形を利用したものもあるが、こちらは高性能な反面、高価なためディーゼルエンジン用噴射装置が主で、ガソリンエンジンの採用例は少ない。

インジェクタの配置編集

全シリンダーに対して1つのインジェクタを用いて一括で行う「シングルポイントインジェクション」と各シリンダーに対して個別に行う「マルチポイントインジェクション」とがある。

シングルポイントインジェクションではキャブレターを採用していたエンジンからの設計変更が少なく済むことや比較的低コストで実現可能だが、各種性能面ではマルチポイントインジェクションに劣る。マルチポイントインジェクションではシングルポイントインジェクションに比べると高価になるが、各気筒にきめ細やかな供給ができ、性能向上や排ガス対策が行いやすいため現在新規製造されるものではマルチポイントインジェクション方式が採用されている。

噴射のおおまかな制御編集

マルチポイントインジェクション方式のものでは、全インジェクターを一斉に噴出させる「同時噴射方式」、吸入工程のポートに対し同時噴射する「グループ噴射方式」、全インジェクターが独立制御される「シーケンシャル噴射方式」がある。制御の簡単さは同時噴射方式が一番簡単だが、きめ細かい制御ができない。反対にシーケンシャル噴射方式は制御が複雑だが、最もきめ細かく制御できる。グループ噴射方式はその中間にあたる。

余談編集

  • ラジコン用のグローエンジンは現在もキャブレターを採用しているものが一般的だが、一時期インジェクション方式、しかも電子制御インジェクション方式を採用したグローエンジンもあった。しかしお値段は他のエンジンが1~4万円前後なのに対し、約7~11万円とかなりお高いものであったが・・・。
  • 米国では旧いエンジン向けに、キャブレターからシングルポイントフューエルインジェクションに変更するキットが市販されているそうだ。

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