概要
490万年前~1万3400年くらい前まで南米に生息していたゾウの仲間。
名前は「キュビエとフンボルトにちなんだもの」という意味で、コイツの化石を発見・研究した学者の名前が由来。ちなみに化石が産出したのがボリビアの高地だったので、割と山がちなところに住んでいたらしい。
肩の高さが2.3メートル、大きさは5メートル程度と現代のゾウより少し小柄で、ゴンフォテリウムのような下アゴの牙もないため見た目は現代のものと似ている。だが牙にらせん状のエナメル質の帯があったり、ゴンフォテリウムの仲間なので歯の作りがやや原始的だったりといった特徴がある。主に木の葉を食べていたようだ。
ゴンフォテリウム科ではもっとも遅くまで生き残ったものの、それでも氷河期の終わり(更新世末期~完新世初期)の気候変動には耐えられなかったらしく、マンモスやオオツノ鹿、毛サイにマクラウケニアといった他の大型動物共々絶滅。これを以て、中新世から更新世まで2000万年以上も栄えたゴンフォテリウム科は全滅した。
そして約2千年後、コイツの後を追うように絶滅したアメリカマストドン(1万1000年くらい前)を以て南北アメリカ大陸からは象が消えたのだった。