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概要編集

カルダン駆動の新性能電車と併結可能な旧型国電の荷物電車。完全新造車ではなく、余剰となっていた72系からの改造車と80系からの改造車が存在する。しかし互いに共通性はなく、性質の近い車両を同じ形式にしただけのことである。また80系からの改造車は新性能電車と併結することは出来ない。


本系列は1966年の中央東線の客車列車の一部電車化に伴い、狭小トンネルに対応する荷物電車として製造された。

1967年には上越線の荷物電車用として通常屋根構造の0番台が製造された。


構造編集

車体はクモユニ74をベースに、低屋根構造の800番台と通常屋根構造の0番台を用意。前面は切妻非貫通構造で、窓下にシールドビームのヘッドライト2灯とテールライトを配置する。おでこの部分には方向幕を配置。


室内は運転席の他に荷物室・貴重品室・トイレ・荷扱車掌室を配置。荷物室の扉は幅1800mmの両開き扉としている。


主要機器類は72系とほぼ同一だが、主電動機と電動発電機、台車については72系とは異なるものになっている。パンタグラフはPS13形を搭載。初期改造車は2基積んでいたが、1基しか上げない事が多かったために後期改造車は1基に減らされ、初期車も1基を撤去している。


最初に登場した800番台は新性能電車と旧型国電の切替装置の開発が間に合わなかったが、後から登場した0番台には自動切替装置が搭載され、ジャンパ連結器の組み合わせで併結先の車両に合わせたマスコン・ブレーキを自動選別して切り替えが可能となった。未搭載の800番台も改造で搭載している。


番台区分編集

800番台編集

最初に登場したグループ。本来は中央東線向けだが、広島地区や横須賀線にも配備されている。

新旧切替装置は18号車以降は製造当初より搭載。


0番台編集

高崎・上越線向けに製造された番台。800番台と違い、低屋根構造ではなくなっている。

新旧切替装置を製造当初から搭載しているが、誤作動防止のためクモユニ74・クモユニ82・クモニ83の自動切替装置非搭載車との併結は出来ない。


100番台編集

80系の郵便荷物車であるクモユニ81形からの改造車。東海道本線から飯田線へ転用する際に郵便荷物合造車から荷物車へと改造したもので、72系から改造された0・800番台とは全くの別物。


他形式への改造編集

クヤ497形編集

車輪とレールの間の粘着係数を測定するすべり粘着試験車としてクモニ83805より改造。

鉄道総合技術研究所が所有し、JR東日本に車籍を置いた私有車で鉄道総研最寄りの豊田電車区に配置されていた。


改造内容は電装解除と片側の台車を試験台車のTR910形へ、もう片方の台車は101系の廃車部品であるDT21T形へそれぞれ交換、交流電化区間及び非電化区間での測定走行及び気動車・機関車との併結に対応するディーゼル発電機の搭載と双頭連結器への交換、測定室の冷房化など。


1996年に除籍された後も、鉄道総研構内で粘着試験やフリーゲージトレインの試験などにも使用されていた。しかし燃料電池試験車などが搬入されて保管場所がなくなったため解体された。


クモハ84形編集

クモハ84を参照。


保存車編集

クモニ83006が千葉県のポッポの丘にて静態保存されている。

この車両は廃車後に鉄道総合技術研究所へ試験機材として譲渡されたものが、鉄道総研での使用終了後に東芝府中事業所へ譲渡されたものである。

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