概要
宇宙革命軍が戦後初めて量産した最新鋭モビルスーツ。
人材の少ない革命軍が貴重なパイロットの消耗を避ける為、量より質を重視して開発した機体であり、革命軍の本拠地クラウド9をもじって命名されている点からも、本機への期待の大きさを窺わせる。
本機の特徴として従来機と比較して非常に堅牢な装甲を持ち、その耐弾性能は標準的なマシンガンやバズーカなどの実弾火器では傷一つ付かず、通常のMSなら一撃で破壊できるガンダムタイプのビームやGファルコンの拡散ビーム砲の直撃すら問題にしない鉄壁ぶりを誇る。
一方で装甲で自重が増加しているが、機体各所に設置された多数の大型スラスターによって機動・運動性も非常に高く、堅牢な装甲と高い機動力を両立した量産機としては破格の高性能機として完成した。
一方で、構造上脆弱な噴射口部を外部に露出させるのは、同時に弱点を晒しているに他ならず、特に腹部正面のバーニアは最も目立ち、狙われやすい部位であった。
もっとも、その噴射口自体は小さく、更にクラウダ自体が高速で移動し停まっているわけではないため、並のパイロットが簡単に狙える部位ではない。実際、劇中でもガロードは高速移動中の本機のバーニアをピンポイント狙撃で撃破していたが、パーラはミサイルで動きを止めてからの狙撃で撃破しており、超人レベルの精密射撃が行える者でなければ射撃での撃破は困難であるため、上記の弱点はいささか机上の空論でもある。
ガンダムヴァサーゴチェストブレイク、ガンダムアシュタロンハーミットクラブを駆るフロスト兄弟はクラウダに対しては自身の機体のパワーでごり押す戦術(=機体の一部を装甲ごと引き千切りつつビームを撃ち込む、装甲ごと機体を圧し潰す等々)で撃破し、「恐るるに足りない」と余裕を見せていた(もっともフロスト兄弟の策は、兄弟のパイロット技能と搭乗MSの性能が噛み合った故の、レアケース中のレアケースでもある)。
一般機と指揮官機とでは一部仕様が異なり、指揮官機の頭部には複合通信アンテナが設置されており、ランスロー・ダーウェル大佐は、この指揮官機にクリーム色の塗装をして搭乗している(一般機は薄いグレーの塗装)。
武装は頭部のバルカン砲と本機用に新たに開発された強力な新規格ビームライフル及び、背部に装備された対艦用の大型ビームカッター。機体によってはビームサーベルを装備する例もあった模様。
第8次宇宙戦争終結から9年後にあたる外伝作品「UNDER THE MOONLIGHT」では、ディクセン・ホーネットの新型装甲パーツを組み込んだデータ採集機が地上で運用される。
宇宙革命軍の戦力となっているモビルスーツは、宇宙世紀のガンダムシリーズのジオンのモビルスーツのオマージュ的要素が強く、初期主力量産機であったジェニスの質を上げた様な本機は、「アフターウォーのザクIII」的なポジションと言えなくもない。