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「何で? 何でって…そりゃ」

面白い…からだろ?

CV:塾一久

概要

グリシャ・イェーガーの回想の中で登場。

マーレ人下士官。

グリシャ曰く「マーレ治安当局の男」。軍人もしくは軍隊式階級制度の秘密警察、あるいは準軍組織所属の可能性もあるが、詳細は不明。

幼き日のグリシャが飛行船を見るために妹のフェイと抜け出した収容区外で、同僚のクルーガーと共に遭遇。

その悪趣味な残虐行為はグリシャの心に深いマーレへの憎しみを植え付け、ある意味一連の戦いの発端を造った。

名前の由来は「グロ(テスク)好き」辺りからだろうか。

作中の行動

クルーガーと共に勤務をさぼって(もしくは休憩中)飛行船の着陸を見物していた時に、収容所を抜け出して飛行船の後を追ってきた子供時代のイェーガー兄妹と遭遇。収容区を許可なく出ていたグリシャを尋問・制裁するクルーガーの傍らで、先に家に帰すと言ってフェイを連れその場を後にした。

その後フェイは無残に犬に食い殺された状態で発見されるが、グリシャの父に対しては自身の関与を否定。更に、無断で収容区から出た兄妹の行動を「親の教育がなってないせいだ」と言い放ち、低姿勢で謝罪する父親を、フェイへの同情や保護責任など一切見せない高圧的態度で非難した。

このことをきっかけにグリシャは、傲慢なマーレ政府と卑屈な父親、そして妹の死の原因を作った自身への激しい憎悪を募らせていく。

そして15年後、息子のジークの密告で楽園送りとなり、終身刑(=巨人化刑)執行所となる壁上に連れてこられたグリシャの目の前に現れる。

グライスを巨人化させずに突き落とし、壁から遠ざけるための生き餌とした上、巨人化させたグリシャの妻ダイナがグライスを追う様を「本当はあっちの方に気があったみたいだな」と嘲った。

激昂したグリシャからフェイを殺害した事について糾弾を受けると、あっさり自身と息子たちが犯人だと認めた。

「心が痛まないのか」というグリシャのもっともな批難に対し、エルディア人を人間ではなく害獣・化け物とみなす自身と世界の価値観やエルディア人への憎悪を述べた。

その上、逆に「復権派こそ人殺し集団」「マーレ人に何をする気だった?心は痛まなかったのか?」と嘯いた。

だが、己の所行を一切鑑みること無く自己を詭弁で正当化し、さも当然のように真っ直ぐな目でこの世界の残酷さと人間の本性を高尚ぶって語るその様に、グリシャは思わず戦慄した。

尚も反論するグリシャを、自身の手で調整した巨人に食わせるため突き落とそうとしたが、離反したクルーガーによって逆に突き落とされる。

グリシャに語った「残虐行為を通じて世界の残酷さを常に確かめているから、いつ死が訪れてもそれを受け入れる覚悟がある」という発言がただの虚言だったことを示すかのように、顔を恐怖にひきつらせ、情けない悲鳴を上げながら絶命。自身が巨人化させたエルディア人に生きたまま食われるという、まさに「因果応報」というべき最期を遂げた。

その壮絶な死に様を見た心優しいグリシャは、妹や妻・同胞たちの仇と言えども「見るに堪えないものだった」と発言しており、優しさ故、彼を嗤うこともその死で溜飲を下げることも出来なかった。

余談

彼の悪趣味はマーレ治安当局内部にも広く知れ渡っていたらしく、同僚や新兵達も止めこそしないが、エルディア人の子供まで殺す彼に嫌悪感を隠そうとしなかった。

しかし残酷なことに、違反した“悪の末裔”エルディア人を罰したり処刑したりすることはマーレでも当然のこと。彼はマーレ国では猟奇殺人犯でも大量虐殺者でもなく、只の悪趣味な一般人なのである。

他国ではエルディア人に人権すら認められないような状況でさらに苛烈な迫害が続いてきており、巨人戦力としての利用価値から収容区内でそこそこ生活できるマーレ国はまだマシな方でもあった。

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