概要
ひょんなことから化物が出ると恐れられている廃寺に泊まることになった坊主や侍。
そこへ次々と現れる奇妙な名前の化物の正体を当て、退散させるという筋の『化物寺』や『化物問答』と呼ばれる民話に登場する、寺の主とそこへ集合した東西南北からやってくる化物の一体。
坊主が荒れ果てた寺に泊まることになりお経を詠み始めると、髪を振り乱した長い顔のトウゲンノバズ、口が耳まで裂けたナンチノタイリ、尖ったクチバシで赤頭のサイチクリンノケイ、角が生えて大きな目をしたホクソウノギュウズ、そして最後に毛が生えた大きな頭のサイテンコボシが現れる。
「正体を当てられなければ食い殺す」と脅すが、次々とよどみなく正体を当てられて逃げだし、夜が明けてからそれぞれの本性を、村人総出で見つけ出されて退治されてしまう。
日本各地で様々なバリエーションがあり、登場する化物たちもいくつものパターンが知られている。
他の民話では木へんに春の字のていていこぼしや単にていていこぼし(椿々小法師)という名でも登場し、本体が寺の天井(サイテン:在天)から見つかり、古椿で道具を造ると化けて出てくると戒められる。
なおこの化物たちは諏訪に伝わる昔話で語られた。
関連タグ
ルンペルシュティルツヒェン:反対にノーヒントで名前を当ててくるように促す魔物