生きててよかった!
概要
正式名称は『アジアンパンクRPG サタスペ』。元々は河嶋陶一朗と速水螺旋人を筆頭に様々な執筆陣により制作された同人TRPGで、当初は『カルマ サタデーナイトスペシャル』というタイトルだった。後に『サタスペ』に短縮され、2004年に商業出版として冒険企画局の制作でホビーベースから出版(後にリミックス版も出版)。現在、新紀元社から出版されているのが本作である。タイトルにある「サタスペ」とはチンピラが使う粗悪な密造銃の蔑称「サタデーナイトスペシャル」のこと。
なお、同人誌版では11人、最新の新紀元社版では12人の著者がおり、別のTRPGでもネタにされている。
クライムゲームという性質上、後述のように犯罪行為、R-15程度の性描写など、倫理上よろしくない行動・事件も当然のようにおこるので、パラノイアやキルデスビジネスのように理不尽で不条理な展開(自分の死を含む)をゲラゲラ笑って楽しむプレイが推奨される。
世界観
日中戦争や大東亜戦争が起こらず、またナチスドイツが存在しているもう一つの現代。日本はアメリカ・ソ連・中国などの大国に分割統治されていた。そんな日本の中でも特にデンジャラスでクレイジーな無法都市「大阪(オオサカ)」で、五大盟約と呼ばれる犯罪組織が支配する無法都市となっている。
トリッパー(プレイヤー)は「亜侠(あきょう、もしくはアジアンパンク)」と呼ばれるキャラクター(要はチンピラ)を操り、さまざまな犯罪組織が跋扈する世界最大の犯罪都市となった大阪で冒険を展開する。任務の過程で殺人、ドラッグ、誘拐、詐欺などに遭遇することも日常茶飯事(むしろプレイヤー自身が犯罪を起こしたり、麻薬を利用することも多々)で、プレイヤーは痛快な犯罪アクションを楽しむことができる。
システム
基本的には架空の大阪を舞台に、持ち込まれる依頼を遂行していく形でゲームが進行する。
ただしプレイヤーは選ばれた勇者でも屈強な冒険者でも、超能力を持ったヒーローでもなく、あくまでもケチなただのチンピラであるため、うっかりすると速攻死ぬ。うっかりしてなくても展開(とダイスの目)次第ではコロリと逝く。
一応、TRPGには無くてはならない特殊能力として「異能」を取ることもできるが、必ず何かしらの代償(=デメリット)を負わなければならない。
その為、俺はカッコイイし強いんだぜ!と素直に喜べないようなキャラメイキングを強いられることになる。
実際、異能を取れば取るほど代償も増えるので、いかに代償とうまく付き合うかがポイントとなる。
このTRPG独自のシステムとして「スピークイージー」というシステムがある。これはセッションが終わると各々が各トリッパーについて他者が論議し、評価した内容に基づいたカルマを取得できるというシステム。カルマの評価を受けたトリッパーはそのカルマの中から異能と代償を取得する。なお、某動画サイトでは視聴者による投票形式に切り替える場合がある。
エトセトラ
作中にはレズビアンの悪徳警官やゲイの闇医者のNPCがおり、特にゲイの闇医者は作中、特にお世話になることが多い…が、治療費をケチるには若くて美形の男性亜侠が花を散らさなければならない(性的な意味で)。そっち系の耐性のないトリッパーには地獄のロールプレイを強いられるかもしれない。
また、アイテムとして「子供」が存在したり、何故か宇宙的真理に近づいてSAN値が削られたり、明らかに世界的に有名な怪獣のような何かが現れたり、殺人鬼の女子高生の恋人ができるなど、色々な意味で一味違う世界が楽しめるだろう。
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