概要
『悪魔くん』に登場する悪魔の1人。各媒体によって設定は異なる。
松下一郎版
『世紀末大戦』に登場。『地獄の四王子』の1人で、世界の三分の一を占める石油会社の社長であるロナルド・サタン、及びその息子であるハワード・サタンの祖先。
山田真吾版
『ノストラダムス大予言』に登場した地獄四大公の一人。肩書きとは裏腹に作中では何の役にも立たず、シーレンに敗北し帰順する。
埋れ木真吾版
CV:屋良有作
アニメ版『悪魔くん』に登場。かつてファウスト博士の父・初代ファウスト博士と刺し違えるという形で倒されたという。
そのため劇中では終始亡き者として扱われ、彼の腹心であったルキフェルがサタン王国再建のために動いていた。しかし、劇場版第1作にて本人が登場した(※)。
容姿は左右非対称の角・大きな目をした紫色のおぞましい顔・手足の鋭い爪・蝙蝠の様な翼など、一般的な悪魔のイメージに比較的近い姿をしている。
非常に強大な念動力を使う事ができ、周囲の物体を手を触れずに弾き飛ばしたり、移動させる事が可能。
さらに防御力も高く、12使徒が連続で攻撃を仕掛けても傷一つ付けられない。
人間界を悪魔王国に作り替える事を目論んでおり、あの世とこの世の境目にあるという魔空間からスフィンクスを唆して天空船に搭乗。
現世に彷徨う魂を乗せる事で魂と分離した死体=ミイラを大量に蘇らせ、本拠地である百鬼城に天空船の膨大な霊力を注いで現世への侵略計画を完璧なものにしようとした。
スフィンクスの口の中から指示を出していたが、真吾や使徒たちを乗せた家獣の体当たりで諸共スフィンクスの体内に落下し、戦闘に突入。12使徒の連続攻撃を受けながらも、逆にそれ以上の力で圧倒し、一行を大苦戦させる。しかし百目やピクシー、豆ユーレイの挑発に引っ掛かり、幽子の照魔鏡に封印されて敗北。
…かと思いきや、スフィンクスの体内に流れる霊力を吸収してパワーアップし、自力で照魔鏡を脱出してしまう。復活後、スフィンクスの体に穴を空けてしまうほどの念動力で一行に重傷を与える(スフィンクスの身体に空いた穴は、その直後に自動で塞がっていた)。
勝利は目前かに思われたが、虫の息となった真吾の決死の説得によって改心したスフィンクスの発射した光線により、百鬼城ごと滅ぼされて敗北した。
※本作はTV本編と比較して以下の矛盾が発生しているため、本編とはパラレルの世界線である可能性が高い。以下はその矛盾点。
- 第23/24話でオシリス王によって制御されている筈のスフィンクスおよび天空船が、スフィンクスの独断で操作されている。
- 第23話で語られた伝説が登場し、まったく同じ手順で『見えない学校』が初めて浮上した事になっている。
- 第28話に登場した八仙人が再登場するが、既に面識がある筈の一行と初対面という事になっている。
- 第30話にて初代ファウスト博士に封印されたと語られたサタンが、本作では普通に登場している。
埋れ木一郎版
CV:屋良有作
「“願い”とは“欲”だ」
Netflixで放送された『悪魔くん』に登場する謎の存在。CVが同じ屋良氏である事から、真吾版のサタンと同一人物である事が示唆されている。ただし、本編回想で封印された方か劇場版1作目に登場した方かは不明(一応第11話EDでは「スフィンクスにやっつけてもらう」と後者との繋がりを匂わせている)。
遥か昔に封印されたにも拘わらずその権勢は未だに凄まじく、「悪魔の中の悪魔」の名に恥じない強大な魔力と邪悪さを見せる。
容姿に関しては一定しておらず、公式サイトではただ一人ヴィジュアル画像が存在しない容姿不明のキャラクターとして扱われている。
第3話では終始人間の死体に憑依した状態で本人の姿を見せる事は無かったが、11話にて山羊を思わせる大きな仮面を被った銀髪の男性の姿を見せた。
真吾版で見せた悪魔然とした姿とは似ても似つかないものだったが、その理由は劇中で語られる事はなかった。これが本来の姿なのか、はたまた封印によって力を失った結果なのか、あるいは別の人間に憑依した姿なのか…?
またマイペースかつ底の見えない性格から、グレモリーには「様」付きで呼ばれつつも、苦手意識を抱かれていた。
初登場は第3話『強欲』。「人間は様々な生物を食らうことで進化してきた」という発想のもと次なる段階への進化のため、サタンの肉を食らおうとする集団によって召喚の儀式が行われる。
しかし正しくない魔法陣が使用されたため儀式は失敗、代償として彼らは醜い集合体の怪物になってしまった(この怪物は、儀式の時に生き残った美食家・塔婆山の屋敷の地下牢獄に閉じ込められ、二度と満たされる事のない餓えに苦しみ続けている)。
塔婆山に依頼され、彼らと同じく自身を召喚しようとして失敗した一郎(+近くにいたメフィスト3世)も怪物になりかけたところを気まぐれで救う。そして、塔婆山が銃殺したメイドの死体に受肉する形で初めて人間界に姿を現す。
自身が召喚される前から事の一部始終を全て見ており、一郎の知識欲に餓えた本性を見透かし、「欲を満たし、まるまると肥え太ったその時、心臓を食べに行く」旨を伝えていったん見逃す事にする。しかしその後冥界の炎によって屋敷全体を燃やし、廊下を無限に伸びる異空間に変えて逃げる2人を弄んだ。
屋敷が火の手に包まれていく中、食卓に座り塔婆山の心臓を食らって満足そうに舌鼓を打っていた(なお特殊な能力で心臓を摘出したらしく、心臓が食われるその瞬間まで塔婆山は生きていた)。
再登場は第11話『遊戯』。薄暗いどこかの空間に1人で座り、キャンバスに向かって絵を描いていた。
かなり集中していた様で、打倒ストロファイアの為に一郎の指示でやってきたグレモリーの話には見向きもしなかった。
…かと思えば、筆代わりに使っていたナイフで突然グレモリーの左目を深々と突き刺した。
「色は難しいねぇ…血の色は赤いのに、肌の下に透けて見える血管の色は青い…」
それを引き抜いた後、ナイフに滴る青い血をキャンバスに塗りたくってご満悦な様子。
「あぁ、青だ。おいしい青だ。ハハハ…青だ」
その後は倒れたグレモリーに対し「物質界の外の住人であるはずのストロファイアが現世に受肉している以上、止める術はある」事を伝え、謎のアイテムを彼女に授けた。
このアイテムは一郎に託され、12話『犠牲』にてストロファイアの魔力を一時的に弱めるのに使用された。
しかし『見えない学校』が崩壊した際に一郎の尻ポケットから落ちてしまい、その正体及び行方は判明せずに終わってしまった。