概要
本作の主人公。『ソロモンの笛』に認められ、先代・埋れ木真吾に次いで“悪魔くん”となった天才少年(しかしある事情によりソロモンの笛を吹く事が出来ず、笛を常備していない)。拠点の『千年王国研究所』に持ち込まれる様々な怪事件の謎を、相棒のメフィスト3世と共に解明する。
人物
経緯は謎に包まれている部分が多いが、劇中の台詞や過去の回想などによると、幼少期に人間に捨てられた後、悪魔に拾われ魔界で育てられたとの事(なおその頃は「伯爵」と呼ばれる悪魔や、謎の天使ストロファイアとも何かしらの関係があったらしい描写がある。なお、ストロファイアからはゾロアスター教における悪神を指す「アエシュマ」という名で呼ばれている)。
しかしその悪魔にも捨てられたらしく、養父である初代悪魔くんこと埋れ木真吾に拾われてからは、独り立ちするまで彼が常駐している魔界の『見えない学校』で暮らしていた。
そうした特殊な出自故に人の心を理解する事が苦手で、言動は非常にクールかつドライかつシビア。加えて常に上から目線の高飛車な態度でデリカシーにも欠けるなど、コミニュケーション能力は致命的なまでに低く、総括すると難物の一言に尽きる性格の持ち主。
日々“悪魔くん”として探偵業をこなしているため知識は豊富なものの、世俗的な感覚には乏しい様で、よくメフィスト3世に嗜められている。劇中では時折机の上に座る、テーブルの上に足を乗せた状態で本を読む(または飲食を行う)などの姿が見られ、行儀やマナーに関する能力も極めて低い。また依頼が無い時は基本的に研究所に引きこもっているインドア派なのもあってか、運動音痴らしい描写が時折見られる。
ただ、卑しい行為をする人間は「クズ」と非難したり、好ましくない頼み事ははっきりと却下するなど、善悪の判断力は結構まともであり、何だかんだ根は真面目な模様。また、わざと悪態をついたり相手を煽る様な言葉を吐きながらも、実は相手が危険な目に遭わないよう気遣っているだけ、といったケースも多々ある。言うなれば、分かりづら過ぎるツンデレ(第3話エンドロールでは、真吾が一郎について「本当はいい子なんだよ。でもまだ心を開く事が出来ないんだと思う」と語っている)。
食に関してはかなりの甘党で、特に自身にとって初めて食べた人間界の食べ物であるホットケーキがお気に入り(これまで食べてきたホットケーキは、自身の中でランク付けを行っている)。そのためホットケーキはほぼ毎回食べており(大半はメフィスト3世に作らせた物)、それ以外ではココアとラーメン屋『八幡』のラーメンを好む。しかしそれら以外の食事をしている描写はほぼ見当たらず(あったとしてもチョコレートやポテトチップスなどのお菓子ぐらい)、どうやら食生活は偏食かつ欠食気味な模様。
相棒のメフィスト3世とは対極的な性格故に衝突する事も少なくないが、有事の際には必死になって互いを助けようとするなど、何だかんだで互いになくてはならない良き相棒となっている。最終回では、悪魔の力を覚醒させ暴走した彼を約束(当の3世から「(暴走したら)その時は俺を殺してくれ」と頼まれていた)に則り拳銃で撃とうとした際に、初めて涙を流していた。
養父の真吾に対しては反抗期気味なのか「クソ親父」呼ばわりしており、顔を合わせても無愛想かつ素っ気ない態度を取る事が殆ど。しかし実際は素直になれないだけの様で、心の奥底ではかなり慕っている様子。明言こそされていないものの、今まで食べたホットケーキの中で一番美味いのは真吾の作ったものだと態度で仄めかす描写がある(ちなみに2位はメフィスト3世作のものとの事)。
能力
呪文や詠唱により、悪魔を召喚したり、魔界に帰らせたりする事が出来る。その際には腰のポーチに入れて常備しているらしいチョークなどで魔法陣を描き、それぞれ違った効果を発現させる。
劇中では主に前線で戦うメフィスト3世のサポートを行う事が殆どで、魔法陣を用いて彼に『ポテスターテ・ディアボリ』という魔力バフをかける事が多かった。物語の終盤近くでは聖水の弾丸を用いた拳銃を使用したり、土の魔術で暴走した3世を拘束するなどの場面が見られた。
余談
- 名前の由来は恐らく『貸本版悪魔くん』の主人公・松下一郎から来ているものと思われる。なおファンの間では、『松下一郎の生まれ変わりなのでは?』とよく考察されている(死後、記憶や感情を失って転生したと考えるとつじつまが合う)。更にビジュアルもよく見ると、前述の松下一郎と週刊少年マガジンで連載されていた『悪魔くん』の主人公・山田真吾の特徴を合わせ持っている。
- 一応親元を離れ独立してはいるものの、上述の通り生活能力を始めとする日常生活を送るための能力は皆無に等しいため、「メフィスト3世がいなければ3日ともたない(意訳)」と考えるファンは多い(実際その通りなのだろうが)。
関連イラスト
関連動画
関連タグ
埋れ木真吾 メフィスト3世 グレモリー(悪魔くん) ストロファイア サタン(悪魔くん)
この先、最終話に関するネタバレ注意
第11話にて『見えない学校』ごと真吾を封じたストロファイアを封印する方法を探るべく、今まで期日を明確化していないのをいい事に先延ばしにしてきた『対価として心臓の肉を喰わせる』というグレモリーとの契約を用いて、彼女に前述の方法を探らせた。
そして最終話の終盤、突如現れたグレモリーが契約に則り一郎の心臓を抉り出してしまうが、その直後に一郎が目覚めるかの如く目を見開いた所で物語は終わる。