もしかして→サラマンダー
概要
2002年公開のイギリスとアメリカの共同製作映画。
原題は「Reign of Fire」であり、意味は「炎の時代/支配/勢力」。
サラマンダーとドラゴンを厳密に(?)関連付けたのはこの作品が草分けと言っても過言ではない。
ただし劇中の火竜は原語では"dragon"と呼ばれている。
他にも"them"(やつら)のような台詞が、全て「サラマンダー」に置き換えられ、
翻訳版では、劇中の怪獣=サラマンダーである事が、原版以上に強調されている。
ファンタジーでよくみられる「ドラゴン」を現実の世界観に登場させることを念頭に制作された作品であり、「どうやったら生物が炎を吐くのか」を突き詰めた結果、ミイデラゴミムシの生体武器であるガス液噴射や一部の毒蛇の毒液噴射を参考にした「ドラゴンの口の両端の管から2種類の液体を発射し、化学反応を起こして引火させる」という方法が開発された。
この方法は後年の有名映像作品に影響を与え、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」におけるハンガリー・ホーンテイルや「ハリー・ポッターと死の秘宝」におけるウクライナ・アイアンベリー、「ゲームオブスローンズ」のドラゴンの成長途中の描写や「キング・オブ・エジプト」の白黒の巨大コブラでも用いられている。
このため、「サラマンダー」は予算の都合で都市破壊のシーンを省略せざるをえないなど演出が不足し興行的には失敗した映画だが、後年の作品によるオマージュで知名度を上げた作品である。
なお、この作品のドラゴンは「恐竜を滅ぼした元凶」であり、何千万年も仮眠できるという設定(現実には、一億年冬眠していた細菌が実験で活動再開することが判明している)だが、予算の都合とハードボイルドでドラゴンに滅ぼされた社会を描いた結果、人間がガチンコで倒せる様に「雄が一頭しかいない」という設定にされている。
余談
- 上記の他にも、ポケモンのボーマンダにもこの作品が影響を与えたと考える人もいる。理由は、名前と姿(雄龍の目の上のコブと雌龍の角の形状、飛行に特化した形態)とタイプ(火を吹くが厳密なほのおタイプではない)と公開年(『ルビー・サファイア』の発売も2002年)に類似性が見られるからである。
関連動画
(予告編)
(「ドラゴンが実在したら?」をテーマにしたドキュメンタリー。「サラマンダー」とは異なる火炎の原理を描いている。)