概要
サーコス(Circhos)とは、古くは古代ギリシャの哲学者アリストテレスが『動物誌』に記述しているという幻獣。
4対の脚を持つ蜘蛛のような姿の生き物で、左側の方が大きいハサミ状の前脚と3対の節足を持つとされる。
また滑らかな殻を持ち、甲羅には赤と黒の模様があるのだという。
岩の下に棲んでおり左脚を前にして歩きまわるが、風が強いときには必死に岩にしがみつき動かすことができなくなる。また天気が良いときは活発であるが、悪天候になるとたちまち衰弱してしまうという。
一説には、この幻獣は蟹やヤドカリなどの甲殻類のことであると言われている。
しかし、15世紀になり上記の記述を元に、ラテン語の自然史百科事典『Hortus Sanitatis』が編纂されたが、スカンジナビアでは人のような姿、フランスでは何故か人面の海犬という姿に解釈されてしまっていた。
なおラテン語で海犬という言葉はアブラツノザメのような小型の鮫という意味もあるとされるが、それにしても他のものと混同したのか、元の記述と大きく変化してしまっている。