『己の欲望のままに、なんの罪もない若い女性を貪り……挙句、その命まで奪うとは』
「ケダモノが……この人間社会に貴様の生きる場所など存在しない。どこへ行こうが、必ず狩る」
『空が繋がっている限り、この伊集院から逃げることなど不可能』
サーマート「どうせ貴様ら全員、生涯害悪だろう。顎の骨を壊しておこう」
「いつまで白目を剥いてんだ。さっさとこっちを見ろ、コノ野郎」
「下衆がぁ……最早テメェを人間とは思わん。やるぞ流川ぁ、サーマート」
「被害者を撲殺しておいて、泣き言など聞かんぞ」
「気絶などはさせん。永遠に殴り続けるからずっと起きとけよ」
「おいおい、弱い奴には何をしてもいいのだろう……? なら、お前を三日三晩殴り続けてもいいよな?」
対象
日本とタイで女性に難癖をつけて手にかけ続けた強姦魔にして殺人鬼のパチェラに執行。今回の罪人は依頼人の娘の宮下早紀を殺害して直ぐにタイに逃げ切ったためタイの拷問ソムリエ「サーマート」の協力の下で執行。
概要
タイの刑務所で実際に行われていた拷問の一つ。罪人の両手両足を拘束した状態で顎の下に巨大なフックをひっかけて体を吊り上げ、命を消さずに苦痛を最大化する角度を狙って殴る蹴る、棒で叩くといった暴行を加えるというもの。罪人は暴行による痛みに加え、フックで串刺しにされる下顎の痛みも加わり想像を絶する激痛地獄を味わう羽目になる。
経過
流川の手で吊り下げられたパチェラを、まずサーマートがタイキックで蹴り起こし、そのまま伊集院が尋問。しかしながらパチェラに悔恨の念は一切無く、「弱い奴には何をしても良い」とほざいた上に被害者を侮辱する始末。完全にキレた三人によって拷問を執行された。最終的にパチェラは命乞いをするが、伊集院に「弱い奴には何をしても良いのだろう? なら、お前を三日三晩殴り続けてもいいよな?」と被害者を侮辱した言葉をそっくりそのまま叩き返され、結局伊集院とサーマートのコンビに三日三晩ぶちのめされて息絶えた。
今回の登場人物
- パチェラ
日本で強姦殺人を繰り返し、監禁した場合は理不尽な暴力と凌辱で女性を死に追いやる腐れ外道のタイ人。警察の手から逃げるために帰国し、もともと所属していたタイのギャング組織に身を隠していた。伊集院からの尋問でも親に助けを請う女性たちを罵倒して嘲笑っていた為、下顎をフックで串刺しにされた後伊集院とサーマートから棒術とムエタイを食らう拷問を受け、地獄へ落ちた。
- 宮下(みやした)
今回の依頼人で、伊集院曰く「逞しい風貌」の壮年の男性。
先立たれた妻の忘れ形見でもある娘の早紀を溺愛していた。とある日に娘が帰ってきていないことを不審に思い警察に相談し自分も会社を休んでまで捜索したものの、願いはかなわず早紀は遺体となって発見されてしまう。警察の遺体安置所で警察の検死の話から早紀は凌辱と暴力の末に亡くなって山に埋められたことを知り、「娘を嬲り殺した犯人を捕まえる」と決意し、情報集めにビラを撒いていたところを風谷と遭遇。風谷が雇ったホームレスから早紀を殺した犯人はパチェラであり、理不尽な暴力で飼い殺した早紀の遺体を山に遺棄した後に自国に帰ったことを知って激怒。タイと日本は犯人引き渡し条約を結んでいないから難しい上に慣れない土地で探すなんて無謀と風谷に止められたが、「絶対に見つけ出して復讐する」と断じた。しかし、それを見越した風谷から伊集院を紹介してもらい依頼を持ち掛けた。
- 宮下早紀(みやした さき)
今回の被害者、宮下の愛娘。
有名私立高校に通うほど聡明なしっかり者の性格で、父親である宮下曰く「母がいない不満を私にぶちまけたことがない優しくていい子だった」らしく、宮下からは目に入れてもいたくないほど溺愛されていた。
学校帰りにパチェラにナイフで脅され、監禁され凌辱と理不尽な暴力を受け力尽き、最後はトランクに押し込められた後山に遺棄された。
余談
今回のターゲットであるパチェラだが、すぐにタイに帰国して逃げていたが、サーマート曰く「こちらも遺族から依頼が来ていた」とのことだったので、伊集院側の依頼人が伊集院にパチェラを屠る依頼をしなくてもサーマートが一人でパチェラを裁いていたと思われるため、帰国してもしていなくても無法の断罪をいずれ受けていたと思われる。
また、この回では京極組御用達の情報屋の風谷が登場していたが、依頼者の宮下氏に対する発言から羅威刃に狙われガラを躱していたことがうかがえる。