概要
『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』の主人公。18歳。黒髪と銀色の瞳を持つ魔術師の青年で、次期魔王候補として目されている。
悪友バルバロスの誘いで参加した、マルコシアスの遺産を扱う闇オークションの"商品"であるネフェリア(ネフィ)に一目ぼれ、有り金全てをはたいて購入した。
意中の女性との接し方が分からず四苦八苦しながらも、不器用なりに彼女との絆を深めていく。
元はスラムで暮らす浮浪児で、8歳の時に魔術師アンドラスに捕まるも、見よう見真似で覚えた魔術で彼を殺害し、居城と財産を奪って魔術師になった。
育った環境故にコミュニケーション能力に乏しく、口を開けば尊大で威圧的な口調だが、見てくれほど冷血漢ではない。敵には容赦しないが、味方や弱者にはすこぶる甘い一面を持つ。
これまでは己が生き延びる手段としての魔術の研究に明け暮れつつ、目に留まった気に入らない輩を蹴散らす日々だったが、ネフィをはじめとした人々との交流を経て、徐々に他者愛に目覚めていった。
能力
肉体強化の魔術を得意とし、魔術師として破格の戦闘能力を持ちながらも、自身を脅かす存在が現れるたびに対抗手段を開発するなど、こと戦闘においてはスキが無い。
またアンドラスを返り討ちにした手段を発端とする、相手の魔術を己の魔術へと変換させる(バルバロスは"魔術を喰う"と表現した)唯一無二の技術を持っており、これを実戦レベルにまで昇華させた功績が、後に与えられる二つ名《魔術師殺し》の由来となっている。
精密性においては群を抜いており、相手を殺す一撃を打ち込みながら同時に治癒魔術で瞬時に癒し、さらに悪性の魔術を焼き払って救うという神業を事も無げに成して見せている。
(曰く「それぐらいの事が出来なければ、城中の罠を制御出来ない(=身内に発動する)」)
その才能に目を付けた魔王達により次期魔王と選ばれることになる。
主な魔術
- 天鱗
周囲の魔力を吸収し続け、硬度を増し続ける魔法陣を構築・展開する守りの魔術で、ザガンの切り札の一つ。
聖剣に魔術の魔法陣を切り裂かれた経験から対聖剣用に開発したもので、先代魔王マルコシアスの遺産である知識を取り込んで完成させた。
この術についてはザガンも研鑽を欠かさず、さらに多くのアレンジ魔術を生み出している。
- 天燐
際限なく触れたものの魔力を吸い、吸収した魔力を黒い炎で焼き尽くす魔法陣を対象の内側に送り込む。対「魔族」用に開発したザガンの切り札の一つ。
先に紹介した天鱗とは表裏一体の術式。ザガンはこの術式を紹介するときに「天鱗を裏返した」と表現したが、実際に天鱗→天燐に切り替えることができる。
この術についてもザガンは研鑽を欠かさず、派生術が多く存在する。
余談
名前の由来は、「ゴエティア」におけるソロモン72柱の61番目の悪魔であるザガン。